今ここにある危機とぼくの好感度について 感想 ※ネタバレ注意
みのりが岸谷教授の不正を告発し、大学側が本調査開始となった前回。本調査にはみのりの想いをしっかり受け止めてくれる上田教授が任命されました。
しかし理事たちは、立場の低い上田教授なら不正隠蔽に協力してくれるだろうとたかを括っています。真実を語ることすら出来ない上田教授は上層部からの圧力もあり病で倒れてしまい、正論はいとも簡単に、権力にねじ伏せられてしまうことを痛感させられる展開でした。
倒れた上田が気の毒だと涙する真の感情移入具合にはどの立場の人間!?って笑ってしまいましたが、後任が見つからず、最後の砦(笑)とも言える厄介な人物、澤田が本調査に抜擢されることに。ミスターレッドカードなんて異名を持つ澤田。これが真の悲劇の始まりだったのかもしれません(笑)
前回の流れから、理事たちの望むことを何も出来なかった真は無能の烙印を押されたのではと落ち込み、有名なお菓子を用意してはご機嫌をとろうと目論んでいました。好感度だけで生きてきた男は、ここでも理事たちのご機嫌に振り回されており短絡的だなと感じますが、これが真らしさでもあるかもしれません(笑)
そんな中、みのりに話を聞きに行くことになった真。みのりが話したのは日常的に行われる論文データの改ざん。そして、それは「整えて」と言う言葉で指示されていたことが明らかとなりました。
整えてなんて便利な言葉ですよね。改ざんしろとは言葉にせず、暗に改ざんを意味する言葉を汲み取らせるなんて。さらに「整えて」の言葉が疑問視されると、「整えて」は机の上を掃除しろという意味だったとの逃げ道までも見つけてきた岸田教授側。新聞部を活動休止に追い詰めようとする時もそうでしたが、意味の捏造をここでも行うなんて。
みのりの話に対し、理事たちも自分の立場を守りたいから、しょうがないところもあると話す真。そんなこと言ったら元も子もないですよね(笑)不正は明らかにアウト。隠蔽もアウト。だけど、権力にはそれすらセーフにしてしまう力があるのでしょうか。「権力持ってるから強いと思ってる、強いから間違うわけないと思っている」とみのりは語りましたが、正論が日の目を見ることは今回もなさそうな雲行き。
騒ぎを起こさせないように澤田を止める立場の真は、決起集会と称し好き放題やっている澤田からみのりを守らないといけない気がしたと伝え、その言葉を聞いたみのりの顔は少し嬉しそうにも見えました。実際の真は澤田にやられっぱなしで踏んだり蹴ったり(笑)
しかしこの騒動、真にとって好転をもたらしました。騒ぎを起こした澤田を解任し、上田教授を再任命。上田教授に多額の研究費を約束し、事態を収束させた大学側。名前も顔も世間に公表し告発者のみのりは敗北し、去る形になります。
「結局何も変えられないまま終わっちゃった。」と言うみのりに、新しい仕事があることを良かったねと話す真。自分たちが追い込んだはずなのに、そのセリフが出てしまうのが無神経な真らしさなんだろうと思ってしまいます。
「みのりちゃんに会えてよかった、いろいろ教えてもらって勉強になった。同世代でこんな人もいるんだなって、俺は自分だけが可愛いけど、こんなにちゃんと考えている人もいるんだなって。俺も頑張らなきゃな。何を頑張ればいいかわからないけど、とにかく、この人に会うのに恥ずかしくないようにならなきゃって。」真の素直な気持ちではあるのだろうけど、この言葉って‥。とことん真の人間の薄っぺらさを曝け出している気がします。
さらに、連絡をしてもいいかと言う真に対して、みのりの「だめ」という一言は最高に響きました。「私ね、嬉しかったよ、神崎くんが私のために来てくれた気がしてたって言ってくれた時。」みのりのこの言葉には本心が込められていたと思います。真だって、その時は本心だったかも知れません。
だけど、真の発言はきっとその場限りの刹那的な盛り上がり。夢破れて去るみのりに対してかけるべき言葉だったのか‥。このシーン、みのり役の鈴木杏さん。だめという一言にたくさんの想いが込められていたように感じました。あの余韻も素晴らしかったです。
「何か大事なものを失った気がする。しかしそれがなんだか分からず、何で埋めていいかも分からずに、彼はとりあえず‥ふわとろオムライスを食べることにした。」この最後のナレーションが、喪失感を感じながらも、結局はペラペラ人間の真を物語っていた気がします。最終話、真の成長した姿が本当に見られるのか、見られないのか。次週も楽しみです。
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