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【今ここにある危機とぼくの好感度について】第3話の感想・ネタバレ/最大の悲劇は悪人の暴挙ではなく、善人の沈黙である。

今ここにある危機とぼくの好感度について 感想 ※ネタバレ注意

帝都大100周年記念イベントに招く予定のジャーナリスト浜田の主張が炎上し、苦情電話の対応に追われる広報課。ここでも真は、受け流し技術の本領発揮してましたね(笑)

爆破予告を受け、イベントは中止しようとするものの、浜田から言論の自由はと厳しく批判され、会見を開くことになった今回。恩師である三芳に恥をかかさせられないと躍起になる真の姿は珍しいほど真剣でした。

忖度せず、攻めてくるであろう大学特派員協会における会見原稿を推敲する真の。「1.清潔感、2.笑顔、3.意味のあることを言わない」これが会見では大事だと豪語し、批判や誤解を受ける意味を最小限に抑えることがリスクマネジメントだと真は話します。

確かに‥と理事たちと同じく納得してしまいそうになるほど、真の発言は的を得ているようにも見えました。

何かあれば謝罪会見が日常茶飯事になりつつこのご時世。会見を開くことが目的となり、謝罪の誠意はどこかに置いているんじゃないかというものもチラホラありますよね。

「会見に中身なんかいらない、ただやることに意味がある」と石田が話すように、謝った、報告した、という形だけはとり、それで全てを解決させてしまおうとする。今回のストーリーは、現代の事なかれ主義の象徴にも思えました。

しかし、三芳総長は一味違っていましたね。会見前、浮かない顔をする三芳。「言いたいことを言って欲しい。先生が言うなら意味がある。」と穏便に済ませようとあんなに言っていた真が方向転換するほど。三芳自身は大学のために意に反することでもやってのけねばという思いがあったのだと思いますが、そんな三芳が心動かされたのは、外国人記者からの問いかけでした。

ずっと、大学の責務は学生の安全を守ることだと当たり障りのない言葉を繰り返していた三芳に、キング牧師の「最大の悲劇は悪人の暴挙ではなく、善人の沈黙である。」という名言を、用いながら訴えかけるこのシーンは印象的でした。私は善人ではないが、沈黙はもうしないと約束した三芳の英語での返答も胸に響きましたね。

記者会見の最中、セミナーを開催すると決断した三芳。くしくも多様性のイベントは総長の独裁体制を誕生させてしまいました。

これまで総長の圧倒的な権限を行使してこなかった三芳のやり方。それは決して他人任せというものではなく、独裁的な体制を敢えて確立しないためのものだったとは気がつきませんでした。もし独裁的な体制が出来上がってしまうと、次期総長が権限を存分に利用する状況になり得るかもしれない。そうなると、政府と企業の専用研究所になり大学の私物化が起こりうるかもしれない。三芳の様々な葛藤が見られる場面でした。

イベントが行われたこと自体は良かったなと思えましたが、こういった闇の部分も垣間見ることになりました。

最後に外国人記者から三芳へと手渡された手紙。あの会見で、三芳に質問をした記者はかつての三芳のゼミ生だったというのです。真が三芳を恩師と慕うように、あの記者も三芳の本質の部分を信じていたからこそのあの質問だったと思うと感慨深いです。

来週は澤田教授がまたも波乱を呼び起こしそうでしたね。残り2話で終わってしまうのが惜しいですが、残りも楽しみたいです。

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