【監察医 朝顔2】第19話の感想・ネタバレ/温かいひだまりのようなドラマでした

監察医 朝顔2第19話 感想 ※ネタバレ注意

桑原のもとに森本刑事が刺されたと一報が入ります。それを聞いた平は、一緒に働いた最後の相棒である森本のために何かしたいと朝顔に話しました。きっと大丈夫だと朝顔に背中を押され、捜査に加わる平。刑事として、時に家庭を顧みれないほどに仕事一筋だった平が、物語の最後に刑事として力を尽くせたこと、すごく良かったです。

また、今回の事件では一度容疑者に挙がった男性の「死んだらえらいのかよ、人が殺されるたびに警察に呼び出され、俺の人生の責任は誰がどうとってくれるんだよ。」という悲痛の叫びも印象に残りました。頬のやけどの跡があるばかりに人殺しだと疑われ、何か事件が起こるたびに疑われ続けたその男性は、被害者のように殺されていなくても、犯罪者かもしれないという汚名を被らされ、同じように傷つけられてきたのだと思います。

そして心臓移植をした男性が被害者となった今回。大切な息子を失ってもなお、心臓をもらった相手に申し訳ない、心臓だけは臓器提供者のもとへ返そうと話すご両親には頭が上がりませんでした。こんな風に事件に巻き込まれ突然失われる命があったり、朝顔のように災害に巻き込まれ家族を失ったり、命の尊さと儚さを全話通して考えさせられました。

朝顔は平や浩之の願いでもあった結婚式を3月11日に挙げることにしました。今年の3月11日だけでも、お父さんに少しでも明るい気持ちで過ごしてほしいという朝顔の願いからです。このドラマのテーマの一つでもある『3.11』。大切な人を失った、悲しい日という記憶に、結婚式という幸せな思い出を追加する。それは里子の存在を忘れたり、震災という過去から目を背けるというわけではなく、悲しいことだけではない日常がそこにはあるということの幸せさを感じたいという朝顔たちの希望にも感じました。

結婚式当日。つぐみと、朝顔、平。3人の登場とそれを見守る桑原。このシーンは本当に感動的でしたね。中でも、平のスピーチは涙なしでは見れませんでした。仕事ばかりでいい父親では無かったことを振り返り、だから刑事との結婚は反対だったことを話す平。しかし桑原は、あまりに良くできた婿であり、我が子ながら優しい娘と、可愛い孫に囲まれて、毎日が幸せだと話す平の表情は穏やかでした。きっと認知症を発症してからはその何気ない日常の有り難さをさらに痛感するようになったのかなと思います。妻の命日の今日が来ることがたまらなく嫌だった平に、朝顔たちは幸せな記憶をプレゼントできたのだと「今日のこと、忘れたくないな。」と小さく呟く平からも感じました。

そして式が終わり、「これから忘れていくことがあっても、私はお父さんのことずっと大切にすると思う。だからこれからも変わらず、家族みんなで一緒に過ごそうね。大変な時はみんなで助け合って。それが私の1番の幸せだから。」と話す朝顔の言葉が、朝顔の気持ち全てだったと思います。

一年後。つぐみの卒園式には平の姿がありました。平の表情は乏しくて、症状の悪化を感じましたが、朝顔は調子がいいみたいだと桑原に話しました。認知症の進行の怖さを感じながらも、つぐみの卒園式に出るという平の願いが叶い良かったなと感じました。里子が弾いていたピアノの伴奏と同じ曲を歌うつぐみたち園児に可愛いなと声を発する姿はいつも見ていた平の笑顔でしたね。

母を震災で失った朝顔は、法医学者としてご遺体の生きた証に耳を傾け、命と向き合い、周りに助けられながらもその死を乗り越えて来ました。そして、平や桑原、娘のつぐみに囲まれ忙しくも穏やかな日々の中で、たとえ平が認知症になったとしても家族が一緒だという温かさをいつも大切にしていたと思います。

何気ない日常の中にある、家族の温かさ。そして、家族で過ごすかけがえのない日々。エンドロールにはその一部始終が込められていたのではないでしょうか?つぐみが歌う桑原が贈った朝顔へのラブソングもクスッとさせてくれましたね。生まれてきた赤ちゃんの名前がさとみちゃんだったのもお母さんの里の字をもらったのかな?と感じ嬉しく思いました。

毎回、様々な事件と共にいろんなメッセージが込められていた監察医朝顔。悲しくて、切なくて、温かい。毎週、涙を流しながら見させてもらいました。

「生きていると悲しいことも辛いこともあるし、幸せなことばかりじゃないけど、それでも私たちは生きていく、この世界で。」

朝顔の言うように、この世にはいいことばかりではなく、むしろ辛いことの方が多いかもしれません。だけど、それでも毎日を丁寧に生きていく。それが何気ない幸せを作り上げていくんだろうと感じます。これからも朝顔たち家族みんなの穏やかな日々とたくさんの笑顔を願いたいと思います。

無料動画・見逃し配信をチェック♪

-感想
-

画像の右クリックは禁止してます

© 2023 OTONOKO movie