アバランチ第6話 感想 ※ネタバレ注意
今回のサブタイトルは「正義」です。このドラマ全体をとおしても、テーマとなっているものだと思います。西城の父の「立場によって正義は変わる」という言葉が、印象に残りました。正義とは、絶対的なものではないのでしょうか。確かに、このドラマに出てくる人たちはみんな、自分が信じる正義のために戦っているように思います。そのためには、どんな犠牲も厭わないというところに違和感を覚えます。
最初のシーンでは、羽生がテロの実行犯として指名手配されたニュースが流れます。そして、アバランチの場所にも、家宅捜索に入ります。もう、すでに何もなくなっているのかと思いますが‥。
そしてドラマはその二週間前から始まります。
アバランチを暴こうとしている記者、遠山は牧原に声をかけます。姉の事実をつかんだのでしょう。アバランチによって救われた人の気持ちが気になっていると言います。いつもの人懐っこい笑顔で答えます。いい着眼点だねと。感謝と、もっとやっちゃえって思っていると。どうしてアバランチができたと思うかという問いには、時代が彼らを必要としたと答えました。牧原の後姿をじっと見つめる遠山は、どこまで突き止めているのでしょう。牧原がアバランチの一員ではないかと気づいているのでしょうか。
3年前の偽装テロの実行犯で、羽生の情報源だった男が、海外逃亡から戻ったことがわかり、戸倉が動き出しました。戸倉が外で会っていた男は、西城の父でした。羽生は、すぐに気がついたようでしたが、口にすることはありませんでした。羽生の表情は、苦悩に満ちています。画像を送ったことで、西城が目にすることとなり、牧原も見つけました。音声で、西城父が戸倉からあの男を確保するよう言われています。西城の表情は、何とも言えない心がないような、泣きそうにも見える、無理している表情です。
西城は父を訪ね「父さんにとっての正義って何?」と問いかけます。「息子として父親に聞いているのか?」「現職の刑事同士としての問いか?」という父に答えずに、USBメモリを置いて帰ります。自分の思う正義が入っていると。この言葉も西城の本音だとは思いますが、USBメモリによって、牧原は父のパソコンに侵入することができるようになりました。無表情を装う西城が辛いです。羽生はそれに気がつかないようにしています。
戸倉に対する大山も怖いです。
西城父のパソコンで、3年前の偽装テロの犯人、アルベルト・ガルシアが日本に戻っていることを知る羽生。一瞬で表情が変わり、目には涙、仲間たちのことが蘇っています。戸倉が探しているのが彼だとわかります。
父を問い詰めるという西城をみんなが止めます。3年前の事件にもかかわっていたら父を許せないという西城。みんな慎重に行こうと言います。西城は、最初から父と戸倉の関係を知っていて自分を誘ったのかと言い、この件から降りると去っていきました。もう、西城の頭の中はパニックです。何も信じられなくなっています。山守は、西城の正義感を知って、誘ったのだと思います。
どうして戻ってきたか聞く羽生に、羽生が生きててよかったというガルシア。アバランチは、マスクをしていても羽生だとわかったと言います。ガルシアは戸倉に騙されたといいます。何でもするからと。羽生に謝りたくて、戻ってきたということなのでしょう。電話している最中に、ガルシアは捕まってしまいます。このままでは殺されることはわかっています。「どうするの?この人裏切ったんでしょ?」と言われた時の羽生は、優しい目に涙をためて、「行くぞ」と一言。本当は優しいから、裏切られても、謝られたら見殺しにはできないのでしょう。
極東リサーチというところに、ガルシアを引き渡す瞬間を狙うアバランチ。車のボンネットに乗せられて落ちても戦い続ける羽生は強いです。しかし、在日米軍の管理施設に入ってしまい、追いかけることはできなくなりました、ガルシアは羽生に会うために日本に戻ったとだけ話し、殺されてしまいます。事故として処理されてしまいます。極東リサーチは、このような案件を取り扱う、秘密の組織ということです。大山が作ったのだろうと言います。
戸倉は羽生の住民票を追って、あかりの工場に行きます。相変わらず男前なあかり。悪いやつをやっつけるって、出て行って、携帯番号も変えたらしくて、つながらないと言います。
あかりは羽生に電話して、戸倉のことを伝えます。靴がきれいな刑事はろくなもんじゃないというあかり。配信いつも見てるというのは、アバランチが羽生だと気づいています。考えてみれば当たり前です。声はそのままですからね。ピアスの会話もいい感じです。
ガルシアもあかりも、マスクをしていても羽生だと気がついているのに、戸倉や他の警察関係者が気がつかないのは、羽生の顔をよく見ていないから、覚えていないのでしょう。羽生のことなんて、気にしていなかったということですね。
西城と父の会話は泣けました。尊敬していた父の裏の顔を知って、どんなに辛いのでしょう。「立場が違えば正義は変わる」、そう言わなければならなかった父も本当は辛いのでしょうけど‥。
わざと明るく西城に話しかける羽生。みんなと一緒にいていい資格がなかったという西城。抜けたいなら抜けてもいいけど、みんな、西城を一人にしたくないと思っていると。自分の正義は自分で決めてと言います。明るく涙をこらえながらの「帰るぞ」に、最後は西城も笑顔になっていました。福士くんの演技については、ちょっとあまりよくないと思った時期もあったのですが、素晴らしいですね。このシーン、羽生の言葉を聞きながら、表情が変わって行くところ、よかったです。
みんなの「おかえり」に深く頭を下げて、「ただいまです」と答えます。ですつくところ、おもしろいです。
羽生は、羽生として戸倉に会いに行くことにしました。極東リサーチは手配しておくという大山。捕まったらもう、命はないということです。見つかるという打本に、そもそも隠れてるわけではないと言い、匿名では伝わらないこともあると言います。3年前のテロ事件については、羽生だから言えることですね。
桐島の表情は何を意味しているのでしょうか。先週は、もしかしたら見方間もともったのですが。
必ず帰ってきてという山守。
戦争編という言葉通り、ついに全面戦争になるのでしょうか。予測のつかない展開に、ドキドキが止まりません。
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