正義の天秤第3話 感想 ※ネタバレ注意
検事にまでにも鷹野の正義が降りかかった今回。久美子が関わっていた安倍川事件についても、関係者であろう重要な人物の名前が明かされ、最終話に向けて少しずつ動き出したように思いました。
出会って10年目の記念日を一緒に過ごす鷹野と久美子。救急車の音を怖がる久美子に優しく語りかける鷹野は本当に久美子が愛おしいんだろうなと感じます。2人の出会いは、通りすがりに倒れたおばあちゃんに病院まで付き添った久美子が失敗したら許さないからと鷹野に捲し立てたのがきっかけだったことが語られました。
久美子の剣幕は、自分の祖母の命を必ず助けるようにと念押ししているかのような勢いでしたが、その熱意が見ず知らずの他人に向けられていたものだと知り、呆気に取られる鷹野には同感でしたし、旅行の予定も顧みず人を助ける久美子の正義感に圧倒された鷹野の気持ちもよくわかります。合理主義の鷹野が「命より大切な用なんてない」と話す久美子の魅力に惹かれたのは必然だったのかもしれません。
そして、優しくて大胆で気遣いのできる人だったと過去を懐かしむ鷹野からは、久美子がこうなってしまった今を悔やみ、自分自身に責任を感じているようにも思いました。このシーンで、久美子の存在を「ドラフト1位、単独指名」だと言う鷹野に喜ぶ真樹夫もまた、久美子が大切な存在だったんだろうなと感じましたし、真樹夫の野球好きにもクスっとさせられました(笑)
久美子が襲われた時、鷹野が疑われていたことは驚きでしかありませんでした。どういう流れから疑われたのでしょうか?「本当の犯人を知っているんじゃないのか?」と取調べで話す鷹野の姿を一ノ瀬判事が見ているシーンも何か理由があるんだろうなという印象を受けました。
今回ルーム1では、銀行強盗の共犯者である中江を杉村が弁護します。死刑になってもおかしくないという状況の中、懲役30年という減刑を勝ち取った杉村に検事と裏で取引をしたのかと鷹野は疑いの目を向けました。
仲間を疑う鷹野に芽依は不服そうにして見せましたが、仲間とか友情とか、不確かなものに惑わされていると大事なことに気づけないと鷹野はいつも通りでした。さらに、「検察は時に嘘をつく。弁護士として検察の嘘が最大の悪であり闇だと思っている。」と語り、鷹野の闇の部分に触れたように思います。やはり一ノ瀬検事と何か因縁があるようにしか思えません。
中江の接見に向かい、控訴を持ちかける鷹野。中江は、杉村のおかげで人の心を取り戻すことができた、贖罪したいと話し、芽依は中江の改心に心打たれている様子。しかし鷹野の疑いの目は止まりません。このシーンは人を信じる心が全くない鷹野と人を信じすぎな芽依が対照的でした。
銀行強盗を行い、主犯ではないものの2人の人の命が奪われているというのに検察の求刑が無期懲役と軽すぎることが鷹野がここまで疑う理由でした。今度は検事と中江と取引したのではないかと担当した検事の長谷川に会いに行きます。長谷川は厳正な検事の職務と理想像を表しているバッチに誇りがあると秋霜烈日という言葉を用いて潔白を訴えました。去り際、鷹野は久美子の名前を挙げ、久美子が探っていた冤罪事件についても尋ねます。長谷川は覚えていないと言いましたが、このことが後半大きな展開を見せることになりました。
長谷川と中江の取調べ中、録音録画されていない箇所があると匿名のメールが。さらに、芽依の調べで、中江と長谷川に面識があったことも明らかに。いよいよ怪しくなってきて、杉村とのキャッチボールシーン。中江を信じ過ぎていたのかと悔しさを見せる杉村に「信じることは尊い、同時に危険な行為だ」と鷹野は話しました。鷹野は誰かを信じたが故に何か取り返しのつかない事態にでも陥ったことがあるのでしょうか。せっかく減刑を勝ちとり自信をつけた杉村についてもこんな形になり残念でなりません。
そして、長谷川に会いに行った鷹野は、確信に迫りました。冤罪を生み出してしまったかもしれないという焦り、世間からの非難、キャリアに傷がつくこと、様々な重圧に押しつぶされてしまった長谷川の気持ちはわからなくも無いですが、長谷川の正義を貫いて欲しかったなとも思いました。安倍川事件についても冤罪じゃなかったのかと問いかけ、「あなたの正義を信じている。」と投げかけた鷹野。この言葉が検事側からの控訴へと動きます。
一方、杉村から問い詰められ、「正義のヒーローが犯人を間違えちゃったってことですもんね」と煽る中江は腹立たしく感じました。須賀健太さんやっぱり演技がお上手ですよね。芽依は中江に対して苛立ちを見せながら「検事も弁護士もみんな自分たちが信じる正義を貫くために必死に戦っている」と返しました。次の裁判も僕の弁護をしてくれるかと抜け抜けと話す中江には嫌悪感しか感じませんが、「お前の人生最後まで見届けてやる」と真っ直ぐに訴える杉村の顔は杉村の正義が現れていたような気がします。検事に交渉を自ら持ちかけ、弁護士を騙し、反省の色が全く見られない中江にどんな審判が下るのでしょうか。
その後、安倍川事件を冤罪だと語り、キムラヒデユキという人物の名前を鷹野に告げた長谷川。正義を貫いてほしいと言う言葉は、安倍川事件が正義ではない何かに支配されているというイメージをさらに植え付けました。その後、「例え世界は滅ぶとも、正義はとげよ。」という言葉を一ノ瀬検事に託し、自殺した長谷川。事態が一層深刻になってきました。
また、鷹野の口からキムラの名前を聞き、涙を流した久美子。どんな背景がそこにはあるのか。「俺が必ず真実を明らかにしてみせる。」そんな風に話す鷹野の様子を訪ねてきた静子が見つめる表情もまた、気になるものでした。「人を幸せにすること」が正義だと話した久美子が追い続けた正義。その正義を久美子に代わり追い続ける鷹野。次回、鷹野はキムラにたどり着くのでしょうか。ますます目が離せなくなりました。
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