【最愛】第10話の感想・ネタバレ/誰かの正義は誰かの悪、それぞれの最愛のために

最愛 第10話

最愛第10話 感想 ※ネタバレ注意

今季、最も期待作であり、最も注目を集めていたであろう『最愛』もついに最終話。「それぞれの最愛のために」と銘打ってあっただけに、まさにそれぞれが最愛の存在を守り抜こうとする切なさに胸が打たれる最終話となりました。

詐欺容疑で逮捕された梓に加え、後藤は転落事故。梨央は会社の信用を取り戻すことが償いだと語りました。そして、前回最も心をかき乱してくれた「15年前、本当は事件の現場におりましたよね?」と大輝に放たれた藤井の一言。「そっちの事件はもう終結しとるやろ?」と大輝は返し、顔の硬直具合が、本当に大輝が事件に関わっているのではないかという疑念を強め、不安が募ります。

視聴者、誰もが気になっていた達雄の共犯者の存在。富山県警で刑事を務め、事件にも思い入れの強かったであろう藤井は、達雄に罪を被せ、罪を逃れた者がおったなら許せんことだと話しました。梓に会っていた理由もそのためだと明かされ、藤井が共犯説も一気に薄まります。

そして、登場した青木はあの晩、達雄が誰かと話しているのを見たと証言。寮に出入り出来て、アリバイがない大輝を疑うのは筋が通っていましたよね‥。「梨央と優のために手を貸す、犯罪を躊躇わないのは誰か‥。」と藤井は詰め寄り、本当に大輝が関わりがあるのか‥とあり得ないと思っていたはずなのに不安な展開となりました。

一方で、加瀬はグループ全体の企業価値を下げないために梓の社長辞任はもちろん、ウェルネスの事業体制の見直しを進言します。創薬事業の売却も視野に入れなければならない現状はピンチでしかなく、優のために開発していたあの薬が他社に譲り渡されてしまうとなると梨央の長年の夢すらも怪しい状況になり兼ねません。

しおりの葬儀に参列した時の喪服の黒とは対照的に、白い服で後藤に会いに行く梨央が印象的なシーン。「会社に戻るつもりはない、居場所はもうない」と語る後藤に思い詰めた顔で梨央は相談を。梓の残した言葉の通り、梨央は後藤をしっかりと頼り、2人で会社のピンチを乗り越えようとしていましたね。

その後、梨央が政信を呼び出し、梓の後任を外部の人に任せることにしたと話し、会社のためには創業家全員が経営から離れることが必要だと説得を。2人で開いた会見時、梨央が政信のネクタイを整えるシーンは、ギクシャクしていた時代もあったものの、この2人も兄妹なんだよなと改めて感じさせました。

梓は殺人事件について黙秘を貫き、共犯が疑われる加瀬、後藤の2人も不審な点がない状況‥。青木が当時見つけていた瓶からも指紋が確認できず、さらには、しおりの件は事件性がないと判断。捜査は行き詰まりを見せていましたが、これを嵐の前の静けさというのでしょうか。

2022年の冬、捜査一課に舞い戻った大輝がしおりの転落現場でしおりの母と遭遇したことから大きく動き出しました。メンタルクリニックに通っていたしおりが投薬の変更を受け、副作用で発熱していたかもしれないという可能性に気がつき、死亡時刻に変動があるかもという展開。事件が真相へと向かい走り出しました。防犯カメラ映像、芝池の足跡と推定身長。本当に、嫌な予感しかしませんでしたね。

大輝の電話先はやはり加瀬。加瀬が割り出された時の大輝のあの表情は言葉では表現できませんね。何故、加瀬が。何故、梨央が最も信頼を寄せる人が。大輝と同じことをきっとみんなが思ったはずです。あまりに切ない展開で、なかなか飲み込むことが出来ませんでした。

達雄のことを「あれほど家族を思う人を私は知りません。」と語り出し、ブラックボックスに隠された真実が次々と明らかになりました。達雄演じる光石さんの、演技の迫力はやはり圧巻でした。「父さんが何もなかったことにする。」「法律の物差しで言わんでくれ、家族の話をしている。子供がやったことだとしても晒し者にはできん。」2人を守りたい父親としての達雄の強い訴えに、家族のいない加瀬の心が大きく動かされたように思います。“誰かの正義は誰かの悪”まさにその通りなのかもしれません。

そして、昭の件は、加瀬を責める気にはなれませんでした。「ちょこっといたずらしただけ。悪いのは誘ってくる女のほうだ。」息子の暴行を信じれなかった父の言葉ではあるものの、その行いで人生を狂わされた梨央、優を側で見守っていた加瀬がこんな発言、許せる訳がありません。「真面目に生きている人たちの人生が狂わされた、不本意な不幸を受け入れるしかなくなった。一生の苦しみを背負わされた。」梨央の苦しみをずった側で見ていた家族として、苛立つ気持ちは否定できず、誰もがあの立場に置かれると加瀬と同じ行動をとってしまうのではと感じるほどでした。きっと梓は後藤の件はもちろん、加瀬の犯した罪ですらも、知った上で全てを背負おうとしていたんですね。

薬が承認を受け、みんなの喜ぶ顔を加瀬にも見せたいと留守電を入れる梨央に、安堵した表情をした加瀬。出会った頃からずっと夢見ていた優のための薬が、ついに。そんな最高な日に、自分が捕まるという記憶は残せるわけがありませんよね。「思うことは一つ。2人には一点の曇りもない人生を送ってほしい。それだけ。」大輝にそんな言葉を残す加瀬。

「2人にとってお前がおらんくなることがどういうことか。」必死の訴えをする大輝も、梨央にとって加瀬がどんな存在であるかを痛いほどに分かっているから。「2人の幸せを壊さないでやってください。」そんな思いが、もしかすると加瀬を捕まえようとする大輝の手を緩めたのかもしれません。

その頃、そんなことを知る由もない梨央は大輝に連絡をし、薬が承認されたことを伝えます。大輝の幸せかという問いに、「こんな幸せな日はない」という梨央。大輝も、まさか事件の真相を言えるわけがありません。涙を流す大輝はまた梨央を苦しめることになるかもしれないという気持ちがあったのではないでしょうか。

その後、加瀬は捕まることなく、事情を知らない梨央は今どこにいるのかと思いを馳せますが、大輝は捜査状況は話せないと真実を告げることはありませんでした。加瀬にとってだけでなく、梨央にとっても家族同然の加瀬。その加瀬の秘密を、最愛の梨央の幸せを守りたいために口を紡ぐ大輝。ポケットの中でまた繋がれた手が今後離れることがないことを祈ります。

最終話を迎えるまで、加瀬は梨央を最愛の存在として守ろうとしているんだと思いこの物語を見守って来ていましたが、加瀬は梨央だけでなく、梨央と優の2人を守ろうとしていたんですね。血の繋がる家族がいなかった加瀬が、あの嵐の晩に達雄の親としての愛情に揺さぶられ、秘密を背負う覚悟を決め‥。亡くなった達雄の代わりに、人生をかけ守り抜いたのは真田梨央ではなく、朝宮梨央、優だったというのが、本当に切ないですね。

「真相は愛で消える」真相を全て知ることが正解だとは思えません。悲しませたくないという加瀬の深い愛で、消えてしまう罪があってもいいのではないかとすら思ってしまいます。そして、いつの日か、加瀬が梨央や優の前に現れることができる日が来ればいいのにと願ってやみません。

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