コントが始まる第2話 感想 ※ネタバレ注意
第1話は、売れないことに責任を感じ解散を決めた春斗と、マクベスに救われた里穂子の出会いが描かれました。二人の出会いから、閉塞した生活に少しだけヒビが入って何かが始まるような回でした。そして、第2話は潤平と瞬太の物語が描かれます。一緒に過ごした10年間でしたが、彼らは別々の10年間を過ごしていました。
潤平のコントを始めるきっかけが、好きな女の子に振り向いて欲しいという高校生らしい幼稚さと憎めない浅はかさで、春斗が信じ込んでいる生真面目な自責の念とのギャップが大きくて笑いました。でも、春斗の脚本を心底信じてアドリブを許さないところや、勝負どころではアキレス腱をのばしちゃうわかりやすいところが、明るくてバカっぽい潤平の魅力なんだと思います。
また、瞬太の生い立ちが、27歳で父親が他界しその後母親に捨てられるという、思ったよりヘビーなものでびっくりしました。あの達観したような軽さと、在学中に車を購入したり、車で博多ラーメンを食べにいったりという突拍子のない行動は、そういった彼の生に執着しない刹那的な性格にあったのだなと思いました。
そんな瞬太を、つなぎとめたのが春斗でした。
時々、人間は自分のことを一番自分がわかっていないんだろうなと思うことがあります。
春斗の横でしか輝けない潤平や、命を救われ、春斗は人の願いを叶えてくれる存在と思っている瞬太、そしてマクベスを推すことで生きる力をもらっている里穂子。春斗は周りを不幸にしていると思っていますが、自分では思ってもいないところで必要とされ、知らないところで他人を救っている。
自意識過剰で思い込みが激しくて、自分を客観的に見ることができず、刹那的な輝きと楽しさに流されてしまう三人。
大将のように大きな懐で見守ってくれて、たまに痛いところをついてくれる大人の存在。中村倫也演じる楠という、自分ですら疑ってしまう自分の才能を信じて一緒に泥水をすすってくれるマネージャー。奈津美のように、人と比べず存在を肯定し応援してくれる身内。
3人はそういう人たちに支えられていることに気づき、思い込みやノリをやめて、本音で自分たちがどうしたいかという本質的な問いを向かい合って腹を割ってできるのか。本当の大人になるための殻を破れるのか。それをコントと絡めてどう描かれるのかが楽しみです。
次週は、里穂子の(暗黒時代の?)過去が描かれるようです。夢を追いかけて壁にぶち当たるマクベスより、社会や時代に翻弄され打ちのめされる里穂子に共感できるという人の方が、実際は多いのではないでしょうか。かくいう私もその一人です。
マクベスが過ごした10年間を、里穂子はどのように過ごしていたのか。もしかしたら、これまでよりももっと痛いほどに響く回になるかもと思っています。
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