コントが始まる第6話 感想 ※ネタバレ注意
マクベスの解散を軸に、いろんな人の正直な気持ちが描かれました。
今回初めて描かれたのは、奈津美の潤平に対する気持ちでした。マクベスの解散が、奈津美にとっての潤平への思いを問い直すきっかけとなります。
潤平が芸人をやめることになり、ホッとしている自分。それは、相手の苦しんでいる姿を見たくないという気持ちと、肩書きもお金もない芸人の彼を応援しているという殊勝な彼女としての見栄、その立場に寄っている自分への後ろめたさ。
メインキャラではない登場人物の心情に、ここまで深く入り込むのが金子さんの脚本の魅力だなと思わずにはいられません。主人公のためのモブキャラは一人もおらず、一人一人が悩んで影響しあって必死で自分の人生を歩もうとしていることを感じさせるのが、このドラマの魅力です。
真壁先生の正直な言葉も、強く胸を打ちました。
お前らに解散した方がいいと言ったことをしばらく後悔して引きずった。俺なんて夢を諦めて、自分の可能性を信じられなかった人間なんだよ。10年間周りの雑音に流されることなく、愚直に夢を追い続けたお前らの方がずっとずっと凄いし、ずっとずっと偉いんだからな。
人間としての弱さや後悔を抱えながら、だからこそマクベス3人の報われない努力や時間の貴重さを深く理解し認め賞賛してくれた先生の言葉も感動ものでした。
教師という立場を超えて、生徒に向き合ってくれる先生は本当に素敵です。
あの数秒のシーンに、マクベスの10年と真壁先生の学生時代から今日までの時間や思いが、凝縮されて描かれた秀逸なシーンでした。
そして、一番の山場は、潤平のために奈津美に会いに行った春斗のシーンでした。
あいつ10年前から変わってないわけじゃないんだよ。
奈津美を笑わせたい一心であえて変えてないんだよ・・・
だって変わるのなんて簡単じゃん。
大人のふりして、ガキ臭いことを全部否定すればいいんだからさ。
でも一度ガキ臭いことを否定したら、もう二度と戻れないんだよ。
潤平より魅力的な人はたくさんいると思うよ。
でも潤平みたいなやつには出会えない。
それは覚悟した方がいいと思う。
春斗の仲間思いの姿がジーンと来ましたね。
「マクベスでは成就させてやれなかったけど、この10年が無駄じゃなかったと思ってもらいたかった。」
マクベスで夢を叶えてあげることはできなかったけど、10年間を意味があるものにしたかった。そのために、春斗は動きました。
サプライズ餃子パーティの帰りに、潤平が泣いてるのをみて、春斗の思いも一緒に通じたんだと思って、涙ものでした。(奈津美が潤平の後を追って歩いているのも、コントの落ちの”壊れたルンバ”の伏線で良かったですね笑)
潤平の将来が明確で明るいものになったと同時に、自分には何もないと思い込んでいる春斗のモノローグが対比的に描かれました。仲間思いで、責任感が強くて、だからこそ、自分のことは後回しで、自信がないというのも春斗です。
自分には肩書も明確な将来もないと嘆く春斗ですが、春斗がここまで作ってきたマクベスの10年間は芸人として大成したとは言えませんでしたが、里穂子や春斗のお兄さんや、潤平、瞬太も含め、関わった人たちの心を救ってきたのだと思います。
そんな不安を抱える春斗と共鳴するのは、やはり里穂子でしょう。最後の公園の二人のシーンは、将来に不安を抱える二人のリズム感のある会話の中にお互いの本心をさりげなくおり混ぜつつ、笑いもあり凄く好きです。
来週は、里穂子も何か決断するようです。それに呼応して、春斗もどうマクベスの10年間を自分のものにしていくのか期待です。
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春斗の問いに答えをくれたのは里穂子だった