恋せぬふたり第8話 感想 ※ネタバレ注意
「私の人生に、何か言っていいのは、私だけ。私の幸せを決めるのは、私だけ。」咲子と羽の新しい家族の形は想像していたよりも遥かに新しく、2人の笑顔からもその生活の充実ぶりが伺え、こちらも心が温まるそんなラストとなりました。
そして、松岡と同じように、自らの持つ“普通”が、どこかの誰かの“普通”ではないことに改めて気付かされ、“普通”とは何なのか考えられるきっかけにもなるなど、主演のお二人の演技力も含めてとても素敵な作品だったと思います。
そんな中、咲子の母親のさくらが咲子たちの関係に対して理解を見せつつありました。ただ咲子に幸せになってほしいと願う気持ちが、さくらにとっての“普通”の人生を歩むということに繋がっていたのだと思いますが、それが“普通”ではない人もいると気付かされたことで、さくらの考えも少しずつ変わっていったのかもしれません。
今まで羽の踏み込んで欲しくないことには踏み込まなかった咲子でしたが、咲子は向き合うことを諦めませんでした。今が人生においてベストだと話す咲子は、きっとそのきっかけをくれた羽にも、ベストな人生を送ってほしいと思ったのかもしれません。
祖母が残してくれた家を空けることや咲子と家族(仮)でなくなってしまうことが怖くなったと話した羽に、羽がそこまで咲子との生活に充実を感じていたことは一視聴者でしかない私も嬉しく思いました。同時に、「だからもう戻りたくない、1人には。」と話す羽の表情が切なくて‥。
だからこそ、固定概念に囚われない咲子の「私はここに住み続けますよ?」にはこちらも驚かされました。咲子の提案は羽の予想をはるかに超えるものでしたね。そして、もしかすると野菜王国という夢が叶えられるかもしれないとわかった時の羽の、希望を少し感じながらも、だけどそんなことやってしまってもいいのかと言う葛藤が入り混じった表情は、さすが高橋一生さんでした。
諦めるんじゃなくて両方どり。ベターじゃなくて、ベストだと続ける咲子に、涙を目に溜めながら、「いいんですか?僕本当にこの家を出て。」と羽。羽と咲子はそういう意味では全く反対の性格なのかもしれませんね。羽は残された祖母の家を守りながら、咲子と同じ家に暮らすことが家族だと考えていましたが、咲子は年越しうどんの時と同じようにいいとこ取りすればいいという考えで、このシーン本当に印象的でした。
「生まれてきてはじめて思っている。こんな人生も悪くないって。」諦めることが多く、諦めることが当たり前になりつつあった羽でしたが、羽にとってもまた、咲子との出会いが羽自身に大きく影響していたんだなと、少し日に焼けた羽の、今までに見たことがないほどの素敵な笑顔から感じました。
「大満足な毎日。大満足な私たちの形。この大満足に、それでも何かを言ってくる人たちがいるかもしれない。でも、絶対忘れちゃいけない。私の人生に、何か言っていいのは、私だけ。私の幸せを決めるのは、私だけ。」アロマンティックアセクシュアルだと自認したての咲子が、羽に道標のようなものをもらっているという印象が強かった作品の前半部分とは大きく変わり、咲子は本当に大きく成長を遂げました。
この作品を見なければ知らなかった言葉、アロマンティックアセクシュアル(他者に対して恋愛感情を抱かず、性的にも惹かれない人)。この言葉を知るところからスタートした『恋せぬ2人』でしたが、高橋一生さんと岸井ゆきのさんの熱演で、本当に身近な問題として感じることが出来ました。
また、松岡というキャラクターの登場が、多くの人が描く“普通”に対してもメスを入れた形となり、すごく見応えがありました。今後の2人をもっと見ていたいと強く思いましたし、何年か後の2人の続編も期待したいです。
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