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【イチケイのカラス】第3話の感想・ネタバレ/駒沢の信念で疑うことは信じることだと気付かされた

イチケイのカラス第3話 感想 ※ネタバレ注意

「どうしたらなれるか、アインシュタインに。」冒頭、入間はイチケイメンバーにこんな問いを投げかけました。ヒントは裁判官にとって大事なことだと話す入間。その答えこそが、今回の事件では最も重要な鍵を握っていました。

今回の合議制の案件は、重過失致死及び死体損壊の事件。被告人はガラス工房で働く藤代、被害者は野上という男性でした。藤代の教室には野上の娘、碧が通っていて、藤代はその母であり警察官の奈緒に好意を。しかしそのことで野上と口論となり、帰ろうとした野上が自転車から転倒し頭をぶつけ死亡後、事件の発覚を恐れ、遺体を焼却したと供述しています。

この事件を駒沢はどこか浮かない顔でみんなに話しましたが、この事件の被告人である藤代は、かつて駒沢が裁き減刑したことがあったのだと分かり駒沢の複雑そうな表情を納得させられました。

自分が裁き、さらには減刑までしていた被告人。駒沢は藤代の人間性を信じ、更生を信じ、この決断をしたのに、それが間違いだったと突きつけられたかのような状態に。これは刑事裁判官にとって1番きついことかもしれないと入間は話しましたが、確かに、毎回その人の人間性に向き合い、刑を下していたはずの駒沢にとっては信じたくない出来事です。

入間というよりは、駒沢の暴走に近いものもあり、職権発動。事件は調べ直されることになります。藤代の人間性に触れてきた駒沢が、この事件に何か裏があるんじゃないかと思ってしまう気持ちはわかります。そう願いたいという思いもどこかにあるのかもしれません。

千鶴はそこにいた清掃員に尋ねるような形で今回の職権発動を揶揄しましたが、疑うことは信じることだと思うと入間は話しました。「疑う」と「信じる」。真反対のことだけれど、これが確かにその通りなんだと、入間や駒沢の信念によって後々気付かされることになりました。

警察の聞き込みをやり直す入間たち。警察である岡崎の話を聞くと状況証拠と自供のみだったとわかり、足取り調査を再度依頼。しかしそれは「不見当」という結果に。それに納得できない駒沢は憤りを見せ、裁判官としての使命を語る姿には人ひとりの人生がかかっている裁判官の仕事に対して熱意を感じました。

入間が帰り際、岡崎に差し出した本はまさに阿吽の呼吸でしたね。岡崎が匿名で情報提供してくれたことで事件は解明へと進み出しました。奈緒が受けていたDVの存在に気がついていながらも警察は目を瞑ろうとしていたのです。「法を舐めるな。このままでは判決を下せない。罪に正しい罰を下すのが我々の使命。」駒沢の信念が、検察官をも動かせましたね。

聞き込みから、藤代が前回の事件で自殺しようとした時に、新人警察官だった奈緒が止めたこと、そして奈緒はずっと服役中の藤代に寄り添っていたことが分かります。奈緒との出会いは、特別だったんだと「誰と出会うかで人生は変わる。生きてみないとそれは誰にもわからない。」と語る藤代の言葉からも感じました。

事件は単純に、奈緒に好意を抱く藤代が夫に手をかけようとしたというように見えていましたが真実は全くの別物でした。真相を隠す2人に「起きてしまったことは変えられない、でもこれからのことは変えられる。その分岐点がこの法廷です。」と語りかける入間の言葉は印象的。この言葉が2人の気持ちを動かしたようにも思えました。

そして、DVを受ける奈緒を守りたいという娘の悲しい殺人を藤代は庇っていたこと、さらに碧は藤代の子供であったこと、さまざまな真実が明らかになりました。前科がある藤代は警察官の奈緒とは一緒になれないと身を引き、父親とも名乗れずに先生として接しており、父親としてできる唯一のことが罪を被ることだったなんて切なすぎます。

「私はあなたを疑った。でも疑ってよかった。信じることは相手を知って初めて出来ること。あなたを疑い、改めてどういう人間か知った。あなたなら人生をやり直せる。私は信じています。」藤代に語られた駒沢のこの言葉は響くものがありました。

無実を訴える被告人と向き合い、30件の無罪判決を出してきた駒沢は凄いと語る中、さらにやったという被告人の嘘も見逃さない駒沢の凄さを痛感する千鶴。こうした事件を通し、職権発動の必要性をまじまじと感じたのではないでしょうか?

罪に正しい罰を下すことの難しさ。裁判官として大事なことは疑うことであり、ただ単に信じることは、知ることの放棄だと話す入間は型破りではあるけれど、裁判官になるべくしてなったような気がします。

そしてついに、駒沢の本を落札した千鶴(笑)
甘いと言われ、サータアンダギーやジュースを口にする千鶴に「疑わないと!」なんて入間が話すシーンはクスッとさせられ、悲しい事件の結末を中和させてくれました。アインシュタインも疑って、疑って、いろんな理論を見つけ出したんですね。

また、法廷での傍聴シーン、今回は鬼越トマホークでしたね。チョコレートプラネット、ミルクボーイとお笑い芸人さんがちょこっと顔を出すシーンも今回は誰だろうとひとつの楽しみになっています。

次回は千鶴が合議制で裁判長を務めるようです。千鶴の職権発動!楽しみですね。

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