イチケイのカラス第9話 感想 ※ネタバレ注意
裁判員裁判が行われた今回。1000人に1人という確率の抽選で選ばれた6人の裁判員と、2人の補充裁判員。1つのチームとしてみんなで頑張ろうと円陣組むところが入間らしかったですね(笑)
事件は被告人の高見梓が家政婦として働く桐島家で起きました。柵が壊れていると知っていたのにも関わらず、言い争いから家主・優香を突き落とし、転落後まだ息があった優香を放置していたと起訴状は述べられ、また優香には多額の遺産が遺されていたと言います。争点は、これが計画殺人か事故なのか。
裁判員たちは、梓はクロかシロなのか、悪女なのか、そうでないのか、それぞれ意見を出し合いますが、その意見はなかなか纏まることがありません。人が亡くなる瞬間の衝撃的な映像を見てダメージを受けたり、過去の事件から先入観を持つ人がいたりと、司法に携わったことがない市民が人を裁くことの難しさを物語っていたように思います。
第二回公判、弁護側の証人尋問に被害者・優香の娘が、梓を弁護するため証言台に立ちました。そこでの発言を受け、裁判員たちの心はさらに揺さぶられます。人の人生を左右してしまうことに躊躇ったり、判決を間違ってしまったらどうすればいいのかと嘆く裁判員たちに、入間は今回も印象的なセリフを投げかけました。
『三度目の正直とニ度あることは三度ある』『善は急げと急がば回れ』意味が全く正反対のことわざってどっちが正しいのかと話し出す入間。育ちも環境も違う人間だからこその正しさってあるでしょ?どれもその立場ならではの正しさ。いろんな正しさから真実を見極めることが裁判員裁判だと思うと入間は語りましたが、まさにその通りだなと感じました。
これに対して発言した千鶴のセリフも印象的でした。「善人にも悪意が、悪人にも善意がある。決して一色には染まらない。被告人の気持ちを知りたいと思いませんか?」第一話の千鶴からは想像もつかないセリフです。千鶴はイチケイにやってきて人間味あふれる裁判官になったとつくづく感じました。入間の型破りだけど真実をもって裁きたいという姿勢が千鶴にも浸透してきていると思います。
また、このシーン裁判員たちに「突拍子もないことを発言しますがとりあえず聞いてください。入間みちおの甥っ子トークです。」と紹介した千鶴は、本当に入間の取説を習得したなと思います(笑)今回は姪っ子と少し惜しかったですが‥この姪っ子も登場することがあるのでしょうか?(笑)
「裁判で被告人の人生に触れると他人事とは思えなくなる。しかし、いかなる事情があろうと真実をもって裁かなければならない。」と話した駒沢に「残酷な真実もありますよね?」と話し、裁判員を降りた女性。人を裁くということは、自らも裁くことだと改めて感じましたし、裁判員として人を裁くことへの覚悟の難しさを表していたと思います。
真相はすごく切なく、被害者の娘にとっては残酷な真実だったのかもしれません。亡くなった梓の娘の心臓を移植している被害者の娘。梓はまるで自分の娘のように大切に、優香と共に成長を喜んでいました。そんな梓だからこそ、大事な娘を託し、夫を殺した犯罪者の娘にさせないためにと命を絶ったのです。優香の願いを叶えるため、そして何より優香の娘を守るため、それが故の自殺幇助。梓同様、私自身もどちらが正解だったのか悩ましく考えさせられました。
最後に聞いた、「助けを呼ぶべきだったと思うか、そのまま死なせてあげて良かったと思うか」という入間の質問も、「正しかったのか間違っていたのかはそれはこれからあなたが自ら見つけていくことだと思います」と語られた言葉も、入間の優しさが滲み出た発言だったと思います。裁判員たちもそれぞれに意見を述べていましたが、ここでも意見が様々で、これはその立場ならではの正しさがあると話した入間の言葉を表しているようでした。
また、今回千鶴が逆恨みで危険な目に遭いました。襲われた千鶴をギリギリのところで守った入間。入間が渡したふるさと納税の返礼品カラス天狗のキーホルダーはちょっと役立たずではありましたが(笑)人を裁くって難しい、だからいいと話す入間に、恨まれること改めて覚悟ができたと千鶴は返しました。助けたことによって千鶴と入間の距離がまた少し縮まったとラストの入間のご飯行こうのシーンが予感させてくれました。2人が食事に行ったらどんなことを話すのだろう(笑)言い合いしかしてない気もしますが、そんなシーンも見てみたいと思わせてくれる魅力が2人にはあるように思います。
最終話に向けて残り少なくなりましたが、まだまだ波乱が待ち受けていそうなイチケイ。次回も楽しみです。
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