金曜ロードショーでも放送された話題のHuluオリジナルドラマ『ミス・シャーロック』。第3話から続きが気になるけどHuluに加入するかどうか悩んでいる人も多いんじゃないでしょうか。
ハッキリ言って『ミス・シャーロック』を見るために1ヶ月だけHuluに契約してもいいんじゃないかって思えるくらいおもしろい作品です。

『ミス・シャーロック』のあらすじ・ネタバレ・感想
※ネタバレを含みます。まだ見てない人は気をつけてくださいね。
第1話
最初の事件
- あらすじ・ネタバレ
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橘和都(たちばな わと)(貫地谷しほり)は医師であり、ボランティアで海外に派遣されていた。久しぶりに帰国した和都は、いつも手紙で励ましてくれていた恩師、水野隆之(二階堂智)に再会し喜んでいた。ところが、水野は、突然目の前で倒れた。腹部が爆発し、水野は即死だった。警視庁捜査一課・礼紋警部(滝藤賢一)と柴田巡査部長(中村倫也)が駆け付けた。和都は警察に同行し、水野の妻・亜紀子(水川あさみ)と会い、自分を迎えに来たためにと、わびた。遺体安置所で、遺体の腹部を調べている女性(竹内結子)がいた。和都が医師で、シリアから帰国したことまで言い当てた。水野の体内で小型の液体爆弾(デビルズフット)が爆発したのだった。遠隔操作で爆破したという。
女性は妻に聞きにくい質問をぶつけ、妻は混乱してしまう。和都は、警察官としての無神経な質問に抗議するが、女性は自分の質問を悪いと思っていない。さらに、自分は警察官ではないと答えた。女性はシャーロック・捜査コンサルタント、犯罪心理学の専門家だという。礼紋警部が独自捜査を依頼していたのだ。和都をシリアから帰国した医師だと言い当てた洞察力に、何も言えなくなる和都だった。
また一人、同じように腹部の爆発による死者が出た。
和都はシャーロックを訪ねる。大家の波多野君枝(伊藤蘭)の話では、ある出来事からシャーロックと名乗るようになったという。シャーロックは、「視界に美的センスのないものが入ると脳の働きが鈍る」と、会うなり和都の服装をせめて、着替えさせようとする。恩師の死の真相を知りたい和都は、次の事件の捜査に着いていくことにした。シャーロックは、医師の意見なら聞くと言い、同行を許可した。
被害者は、栗本隆一(伊崎右典)・26歳で、水野との関係は不明。悪魔がどうのこうのとつぶやいていたという目撃証言があった。シャーロックは、被害者の所持品から、元薬物依存者であることをわかった。手の甲にあるクラブの再入場スタンプを見つけたシャーロックは、そのクラブに出かけ、そこで、被害者が薬物をやめてないこと、売人もしている桐崎空也(栁俊太郎)というDJと一緒にいたことを突き止めた。
DJの空也がドラッグ型の爆弾を被害者に渡し、その後被害者の体内で爆弾が爆発して死亡したというのが、シャーロックの推理だ。
和都は水野の自宅を訪ねると、しきりに胸を触る妻の亜紀子が気になる。和都は医師をやめるつもりで帰国していた。瀕死の患者を目の前にして、何もできない自分の無力さを感じていたのだ。道を歩いていて、遊んでいる小さな女の子たちを優しく見つめる亜紀子は、うまく髪を結べずにいる女の子の髪を結ってあげた。
シャーロックから和都に連絡があり、内閣情報調査室で働く兄・双葉健人(小澤征悦)を紹介された。
兄とともに、今回の殺人事件に利用されたデジタルカプセルの会社を訪ねた。飲みこんで体内から健康情報受け取るというカプセルの資金をクラウドファンディングで集めたという。大口の寄付者にはサンプルを渡していると聞き、シャーロックは大口寄付者の名簿を見せてほしいと言った。殺人事件に使われた可能性があると聞き、応じてくれた。その中にDJの桐崎空也の名前があった。そして空也の恋人から、薬物使用後精神錯乱状態となって家を飛び出したとの通報があった。空也も最近まで薬物の更生施設にいたことが判明する。
メールチェック後、おびえるように空也は部屋を飛び出していった。空也が見ていたのは、10年前の薬物依存者による6歳少女刺殺事件の記事で、そこには犯人が更生施設でのリハビリを終えたばかりだということが書かれていた。そして、その更生施設には、抗議文が届いていた。
空也は隠していた拳銃をもって、走っていた。6歳少女殺人事件の犯人・牧島洋平(奥野瑛太)が出所し、更生施設に戻っていたのではと推理するシャーロック。次のターゲットはその犯人かもしれないという。
拳銃をもって厚生施設に入った空也は、犯人・牧島を撃っていた。礼紋・柴田・シャーロック・和都が駆け付けた。空也は「殺される」とつぶやきながら牧島に迫っていたがとりおさえられた。空也は何者かに操られていた。空也の体の中にも、爆弾があるのだろう。施設に届いた抗議文には、薬物依存者は更生したふりをし、また同じ過ちを繰り返しているということが書かれていた。
シャーロックは、抗議文の封筒を見つめていた。シャーロックは和都に、水野夫妻に子供がいないことを確認した。「夫は欲しがっていたが、妻が子供嫌いと言っていた」と和都が言う。しかし、和都は、亜紀子が子供の扱いが上手なことを不思議に思っていたと話す。その時、シャーロックの中で今までの事件がつながっていくのを感じていた。
シャーロックは、礼紋に牧島が殺した被害女児の親の名前を調べるよう頼んだ。シャーロックは亜紀子を訪ね、「犯人はあなた」という。殺された女の子は、シングルマザーだった亜紀子の娘・愛莉(小畑乃々)だったのだ。水野と出会い結婚したことでおだやかに過ごしていたが、牧島の出所を知り、殺意が芽生えたのだった。
薬剤師である亜紀子は、空也の名前でデジタル錠剤を手に入れて、遠隔操作爆弾・デビルズフットを作った。預金が少なくなっていることを不審に思った夫に問いただされ、答えに困り殺害した。栗本がいうことを聞かなかったため殺し、空也に牧島を襲わせた。亜紀子は証拠はあるのかと問う。20枚1セットの記念切手、19枚は和都への手紙で使われ、残りの1枚は更生施設への抗議文に使われていた。高額出資も空也ではなく、亜紀子だったことは警察で調べて分かっていた。「害虫は誰かが駆除しないとね」という亜紀子。亜紀子が胸を触っていたのは、娘の髪の毛を埋め込んだペンダントを触っていたのだった。「もう怖い顔はしたくない」と言うと、亜紀子はスマートフォンを手に取った。シャーロックはあわてて止めようとしたが遅く、亜紀子の体の爆弾が爆発した。シャーロックは、後ろに誰がいると問い詰めるが答えはない。
シャーロックは、礼紋警部に、「彼女が1人この計画を実行できるはずはない」と言い、続けて調べさせてほしいと言った。
どうしてシャーロックと名乗っているのかを訪ねる和都に、黙っているシャーロック。家も仕事もない和都に、「しばらくルームシェアしたら」と提案する兄・健人。そこへ、和都が宿泊しているホテルが全焼というニュースが入る。笑っているシャーロック。不謹慎だが好都合という健人。兄は「和都さん、妹シャーロックをお願いします。」と言うのだった。シャーロックは「好きにすれば。私といること必ず後悔させてあげる」と言い、和都の手を取って帰るのだった。
- 感想
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橘和都は、ボランティアの医師団に所属していましたが、シリアから帰った来ました。東日本大震災を経て、何か自分にもできるのではと思って医師団に参加したものの、戦争で傷ついた、瀕死の患者の前では何もできず、自信を失って帰ってきたのです。東日本大震災は、私たちの考えを大きく変えたと思います。父の病院を継ぐつもりだった和都が、社会貢献に目覚めたことは素晴らしいことだと思います。それでも、突然訪れた紛争地域は、想像以上に過酷で、やめる決意をして帰ってきたようですが、きっとまた医師として働きたいと思う日が来る気がします。
どんな人で、何を考えているのかわからないけれど、どこか魅力的なシャーロックです。遺体に手を入れる。事件解決のためにはぶしつけな質問もするし、ずかずかと遠慮がない。でも、嫌な気がしない、悪い人とは思えないのは、なぜでしょう。事件解決を一番に考え、なりふり構わない姿に共感できるからでしょうか。
シャーロックは、捜査コンサルタントとして、礼紋警部から依頼を受けています。部下の柴田刑事は、少し面白くなさそうなそうです。シャーロックからの依頼が、礼紋から柴田への命令になることが多くあります。滝藤賢一さんの礼紋警部と、中村倫也さんの柴田刑事のコンビもいい味出しています。
今回の事件は、一言で言えば、薬物中毒者に小さなわが子を殺されたシングルマザーが、犯人へ復讐をするというものでした。
和都の恩師である水野先生の妻・亜紀子が、我が子を殺されたシングルマザーです。事件のことは忘れて、平和におだやかに暮らしていきたいと水野先生と結婚したのでしょう。子供が嫌いだと、欲しくないと言ったのは、自分の子供は死んだ愛莉ちゃんだけという思いや、生まれた子供をまた失ってしまうのではという恐怖があったのではないでしょうか。きっと亜紀子は、我が子を失った事件について、夫には話していなかったと思います。もし話せていれば、こんなことにはならなかったでしょう。一緒に苦しみを分かち合い、復讐したいという思いもきっと受け止めて、別な方向にもっていくことができたと思います。悩んでいる和都に手紙を送り続けてくれた水野先生なら、きっとそうできたと思います。亜紀子は、忘れたくても忘れなられないことであり、口にすることはできなかったのかもしれません。
薬物依存は、なかなか治らず、何度も罪を繰り返している人が多いのは確かです。実際、更生施設から出た後、すぐに薬物に手を出していました。そんな人たちに近づいて、ドラッグを装って爆弾を飲ませ、脅迫して、娘を殺した犯人を殺させようとしていたのですね。1人が実行しなかったために殺され、自分も殺されるという恐怖から実行に移そうとしたことで見つかって逮捕されます。薬物中毒と一緒になって、余計に妄想があり、恐怖心も強くなったのでしょう。
デジタルカプセルを飲んで、健康情報を知ることができるなんて夢のようなものがあったらすごいです。今回の事件は、このカプセルに液体爆弾を入れて、遠隔操作で爆発させるというものでした。亜紀子が薬剤師だからできたことなのでしょうが、シャーロックは、1人でできるはずはないと、裏に誰かがいると思っています。技術としてできたとしても、普通の人間には、こんなこと思いつかないですよね。しかし、自分が犯人だとばれたあと、スマホで遠隔操作して、自分の体内の爆弾を爆発させて自殺してしまいました。はじめから、すべて終わったら死ぬつもりでいたから、飲んでいたのですね。スマホの手を伸ばす亜紀子を見て、気が付いたシャーロックでしたが、間に合いませんでした。
事件は解決したかに見えましたが、裏に誰かいると考えるシャーロックは、引き続き調べたいと言います。仕事も住むところもない和都に、シャーロックの兄はルームシェアを進めますが、断られます。ところが、和都が宿泊しているホテルが全焼で入れないという情報が入ります。伝える柴田刑事、ちょっと笑っているように見えます。兄は好都合と言い、シャーロックも憎まれ口をたたきつつも、手を取って一緒に帰っていきました。まんざらでもない感じなのでしょう。いいコンビ、兄の「和都さん、シャーロックをよろしく」という言葉が印象的でした。シャーロックと和都さん、コンビの誕生です。
第2話
ひげの幸子像の謎
- あらすじ・ネタバレ
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シャーロックは、大家の波多野(伊藤蘭)の友人・舞原鞠子(左時枝)から、調査依頼を受ける。舞原が美術館に貸し出していた、骨董商だった夫がプレゼントしてくれた絵画(岸田実篤作の『幸子像』)に落書きされたのだ。閉館間際に訪れた男が油性ペンで髭を描いた。すぐに警備員が追いかけたが、逃げるときに交通事故に合い、意識不明の重体となっているという。
犯人は、免許証も携帯電話も、身元が分かるものを一切持っていなくて、名前さえわからない。その犯人の身元と、動機を調べてほしいというのだった。
シャーロックの答えは、「その男は実行犯。真犯人は別にいる。」だった。過去の名画への落書き事件は、自称アーティストが自分の存在を残したいという、身勝手な理由だった。髭を描いた男は、捕まっても自分の身元がばれないようにしていたのだから、それらの犯人とは違うというのだ。だから、犯人は別にいるというのがシャーロックの推理だった。
髭が描かれた前日、舞原に『幸子像』を売って欲しいと言っていた画廊のオーナー・柳沢慶介(名倉右喬)が来ていた。
シャーロックたちが絵を確認しているところには、絵画修復士の桑畑(児島一哉)が現れた。
犯人の病室に行ったシャーロックは、犯人の手の甲に「5−3」と書かれているのを見つけた。『幸子像』は展示室5の作品番号3。落書きする作品を間違わないようにメモしていたのだ。
画廊のオーナー柳沢は自社のあるビルから転落死していて、礼紋警部(滝藤賢一)、柴田刑事(中村倫也)が捜査していた。多額の借金を抱えていたことが分かり、自殺かと思われた。そこに、シャーロックが現れた。柳沢が落下した時には目撃者がいて、その後も不審な人物は目撃されていない。柳沢の部屋は施錠されていて、睡眠導入剤が体内から検出されているという。シャーロックは、机に置かれたカギが、その部屋のものではないと見破った。犯人が密室と思わせるために置いたのだ。屋上から突き落とされた可能性がある。シャーロックは、礼紋に、落書きの犯人が事故の時にピアスを落とした可能性があるから探してほしいと言った。2つの事件は根っこでつながっていると。
和都は、入川真理子(斉藤由貴)のカウンセリングを受けていた。紛争地域から帰ってくると不眠に悩まされる人が多いという。入川は、ここで話したことは誰にも伝わらないから、悩みをなんでも話していいと言って、和ませていた。
柳沢は画商というよりブローカーで、少しでも高く転売することばかり考えていた。手段を選ばなかった。それは、他人の恨みを買うことだと、シャーロックは推理した。
貴倉リゾート開発という、強引な開発で住民から訴訟を起こされたこともある会社の社長・貴倉博次(木下ほうか)に頼まれて、柳沢は『幸子像』を手に入れようとしていたのだった。シャーロックと和都は、貴倉社長に会った。『幸子像』を気に入った社長は、柳沢に買い付けを依頼したが舞原に断られ、あきらめたという。作品に愛情を強く持っているものが所有者となるべきで、舞原夫人の方が愛情が深いのだから仕方ないと言った。貴倉は、古い踊り子の絵を大事にしていた。柳沢が死んだ夜は、自社の創立パーティーに出席していたという。
シャーロックは、柳沢の会社のあるビルの屋上で、石ころを拾っていた。それは、マニラコーパル、天然樹脂だった。
絵画修復士の桑畑道彦(児嶋一哉)を訪ねた。桑畑は、たくさんの絵を描いていて、個展を開催するつもりだったのだろうと、シャーロックは言い当てた。事件の前に桑畑は美術館に電話をかけていた。いつもかけている営業の電話だと桑畑は言った。桑畑の部屋には、マニラコーパルがあった。マニラコーパルは画材に使われる。シャーロックは柳沢の会社にあるビルの屋上で、同じマニラコーパルを拾ったことを、桑原の反応を見るように話した。よく見つけましたねというだけだった。
貴倉社長と桑原にはアリバイがあったという和都に、シャーロックは、柳沢社長の殺害に犯人は時限装置を使っていると言う。犯人は、柳沢の部屋を訪ねて睡眠導入剤を飲ませた。それから、眠っている柳沢を屋上に運び上げ、柵の向こうの足場の上に柳沢を寝かせた。数時間たって目が覚めた柳沢は、深い眠りから目覚めたばかりで、周囲の状況が分からないために、落下してしまったというのだ。その時間が、目撃者が落下した柳沢に気が付いた時間だ。柳沢は、長い時間屋上で寝かされていたために、うつ伏せで倒れていたのに、背中に白い塗料が多く付いていた。
落書きの実行犯のピアスを柴田刑事が小学生と一緒に見つけた。それは目玉のような形をしていた。カスタムオーダーで、出来上がりに写真を撮っていたため、フリーターの木島優作(山根和馬)という男だと分かった。お金がもらえれば何でもやる人物で、1年前、銀座の画廊で、絵の運搬の仕事もしたことがあるという。画廊経営者の柳沢、絵画修復士の桑畑、フリーの木島は裏でつながっているというシャーロック。その謎はストラディバリウス(弦楽製作者)にあるという。そんな時、以前贋作を見破ったという、絵画鑑定をする男性がシャーロックの家を訪ねてきた。彼は、多くの贋作を描いていた男は、絵画修復家だったと言う。
和都は事件の謎を解いたといい、桑畑が、修復した絵画を美術館に収めようとしていた現場に行き、それは偽物で、本物は高倉リゾートに買い取ってもらうつもりなのだろうと言った。シャーロックの知り合いの鑑定士が鑑定することになった。しかし、それは本物だった。シャーロックは何かに気が付いた。高倉のオフィスにあった踊り子の絵と、『幸子像』のサイズが同じだという。そこからすべてが始まっていると。ある問題からあり得ないことを取り除くと自ずと真実が見えてくる。たとえ突飛な真相でも、というシャーロック。
舞原の自宅で、骨董品の売買記録を調べるシャーロック。
桑畑は、貴倉社長に梱包された絵を渡した。今後自分の支援をすることを約束させた。ところが、それは絵ではく、額縁だけだった。すり替えたのは、額縁だったのだ。ストラディバリウスが踊り子のために作った額縁だったが、長い年月のうちに離れ離れになっていた。『幸子像』の額縁になっていたのだ。桑畑は、柳沢に個展を開いてやると言われ、協力することにしたのだが、手にしたとたん態度を変えたのだ。個展を開くつもりなどなく、汚い言葉を浴びせた。それで、罰を与えたという桑畑。しかし、シャーロックは貴倉社長もあなたの支援をするつもりはないだろうといい、貴倉もその言葉を認めた。もう少し人を見る目を養いなさいと桑畑に言うシャーロックだった。
舞原は芸術はみんなで分かち合うべきだと、また、美術館に絵を貸し出した。毎日、舞原が絵の前で見張りをしていた。
和都は、またカウンセリングに訪れていた。そこで、『髭の幸子像』の謎について話していた。
- 感想
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シャーロックと和都は、喧嘩ばかりしているけれど、はたから見ると仲良しに見えます。本人達は認めないけれど、あんなふうに言い合えるのは仲の良い証拠です。そうじゃないと一緒に暮らせません。出会ったばかりで、ここまで素直に言葉をぶつけられるって、相性がいい証拠ですね。ちょっととぼけたようで鋭いシャーロックと、観ている私たちと同じ感覚の和都、その関係が素敵です。
礼紋警部と柴田刑事の関係も面白いです。シャーロックから説明を求められても、最初だけ礼紋警部が話して、あとは柴田刑事に続けさせます。シャーロックから頼まれたことも、全部柴田刑事に振ってしまいます。そのため、シャーロックにちょっと反抗的な柴田刑事です。2人とも憎めないところがいいです。
今回の事件は、和都が推理したように、幸子像を贋作と交換したのだと思っていました。
シャーロックが奏でるチェロとストラディバリウス、いろんなところに伏線があって面白いです。
柳沢殺害の時限装置は面白いと思いました。睡眠導入剤で眠っている人を、柵の外に寝かせるなんて、思いつきません。確かに、死亡推定時刻のアリバイを作ることができますね。そして、実際に自分で落ちてしまうのだから、自殺のような落ち方になるのでしょう。今回は、背中の塗料が決め手になっていましたが。
落書きの実行犯が身元の分かるものを持っていないと言っても、捕まったら、ばれるのにと思いましたし、逃げ切ればどっちにしても大丈夫。交通事故なども想定してのことだったのでしょうか。
絵画修復士の桑畑の、自分の作品で世に出たいという気持ち、それはわかります。そんな思いを利用してひどい人もいるものですね。手段を選ばない人は、他人の恨みを買うというシャーロックの言葉、確かにそうですね。
ある問題からあり得ないことを取り除くと自ずと真実が見えてくる。たとえ突飛な真相でも、というシャーロックの言葉、わかるようなわかない言葉です。凡人では、あり得ないことを取り除くということができないということでしょうか。
『幸子像』が戻ってきた舞原が、もう一度美術館に貸し出して、毎日自分で見張っているがよかったです。芸術はしまっておくよりも、みんなで分かち合った方がいいということなのでしょう。でも、心配だから、毎日退屈に過ごしていたから、自分で警備員をすることにしたのですね。かわいいおばあちゃんです。
カウンセラーの入川は、これから何か絡んでくるのでしょうか。斉藤由貴さんがこれだけのはずはないですよね。守秘義務があるから、誰にも言わないはずだけだけれど、幸子像の謎の話をしても大丈夫なのでしょうか?
第3話
ヘッドハンターの素顔
- あらすじ・ネタバレ
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シャーロック(竹内結子)と和都(貫地谷しほり)は、灰谷玲子(安藤聖)という女性から、調査依頼を受けた。玲子は、大手製薬会社・モーソン製薬にヘッドハンティングされ、ヘッドハンター椎名亜里沙(紺野まひる)に研究論文を提出していた。ところが、その途端、亜里沙に連絡がつかなくなったというのだ。
亜里沙についての記事が経済誌に掲載されていた。その記事の自宅からの景色から、住んでいるマンションを割りだした。そこには、亜里沙の姿はなく、妹・由麻(木南晴夏)がいた。由麻は、おとなしくおどおどしている。ずいぶん違うというと、姉はあるときから変わってしまったと言った。亜里沙に電話がつながり、ニューヨークにいるという。これから条件を詰めるという亜里沙に、玲子はもういいと言い、論文を返してもらった。帰ろうと部屋を出たとき、シャーロックは、論文の封筒に書かれた21桁の数字に気が付いた。玲子は、そんな数字は書いていないという。シャーロックは21桁の数字は証券会社の加入者コード番号だという。しかし、他人の封筒に書くのはおかしい。和都は、シリアル番号かなんかではないかと言った。
モーソン製薬の研究室主任・綿貫弘(菊池均也)が、高圧電流を頭に流され、廃人状態で発見された。精神薬医学で有名な人物で、3日前から行方不明になっていた。自分の名前も、自分が誰なのかさえもわからない状態という。シャーロックは、大脳新皮質をやられ、前頭葉が完全に死滅していると言った。両手両足に縛られた痕、側頭部には焦げ痕があった。拘束され、脳内に高圧の電圧を流される拷問を受けたのだろう。
シャーロックと和都はモーソン製薬に行き話を聞いた。綿貫は、精神安定剤の副作用について研究していたという。シャーロックは、綿貫が拷問を受けたのは、犯人が綿貫から何かを聞き出そうとしていたからだろうと言う。画期的な新薬を開発したか、表に出せないような研究をしていたのではないかと聞くが、助手は知らないという。助手がすべてを把握しているわけではないと。
シャーロックは、助手が身に着けていた、カードキーのホルダーの紐の色が、ほかの人と違うことに気が付いた。それは特別研究員だけが持てるもので、すべての研究室に出入りでき、アクセスできる情報量も格段に違うという。しかるべき海外の雑誌に論文が掲載された者だけが特別研究員になれるという。現在、特別研究員は6人で、最近退職した人物が1人いるという。その人物は灰谷玲子だろうと、シャーロックは当てた。しかし、写真は亜里沙だった。亜里沙のヘッドハンティングの目的はカードを手に入れることだった。亜里沙は、玲子の論文と履歴書を使って、玲子になりすまし、モーソン製薬に入ったのだ。それは、そこに何か手に入れたいものがあったからだろう。
和都は図書館で働き始めた。そこにシャーロックが現れ綿貫の本を読んでいた。その中に「恐怖を消す薬」を作ることが夢だと書かれていた。きっとこれこそ亜里沙が欲しかったものだろうと考え助手を問い詰める。心に傷を負った人から、恐怖を取り除いてあげたいというのが綿貫の思いだったが、その薬は使い方を間違える恐ろしい薬になるというのだ。恐怖を感じない、感情のない冷酷な殺人マシンになることもできるという。政府も絡んだ極秘プロジェクトで、完成しているだろうという。
シャーロックは兄・健人(小澤征悦)を呼び出した。兄はこの件からは手を引けと言う。「恐怖を消す薬」は完成し、そのデータは1か月前に盗まれていた。そのデータを開くにはパスワードが必要で、綿貫が知っているために拷問にかけられたのだ。データにはトラップが仕掛けられていて、ラストの開き方を間違えるとデータは消滅するという。敵がそのトラップに引っかかってくれることを願い、公安部も動き出しているということだった。しかし、シャーロックは、手を引くかどうかは自分で決めると言った。
論文の封筒に書いてあった数字はパスワードだった。ということは、犯人はすでにパスワードを知っている。
シャーロックは、亜里沙の妹・由麻を訪ねた。由麻は小さな工場で働いていた。姉の犯罪について聞かされた由麻は、いつかこんな日が来ると思っていたと言う。2人の両親は離婚し、姉は父に、妹は母に引き取られた。妹は貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし姉は、父からひどい虐待を受けていたという。姉が高校3年生の時、雨の日、酔っぱらった父の目に傘が刺ささるという事故がおきて、脳まで達して、父は死んでしまった。妹・由麻は、姉・亜里沙が故意にやったと思っていた。父はアルコールが飲めない体質だったから、何か違う飲み物に混ぜたのでないかと。姉が恨んでいるのは父だけではなく、虐待を放置した社会そのものだという。シャーロックは、これからもっと大きな犯罪につながるかもしれないから、姉が戻ったらすぐに連絡するよう伝えた。
和都は一緒に図書館で働いている米山俊夫(田中圭)が気になっていていて、気を引くためにシャーロックが作ったエッセンシャルオイルをこっそりつけようとしたが見破られ、代わりに和都の首筋に媚薬パッチをつけた。
由麻から亜里沙が帰ってきたと連絡があった。シャーロックは米山と昼食を食べる和都に「捜査に行こう」というが和都は行かない。米山の服装や持ち物から推理して散々けなすシャーロックだが、当たっているのかもしれない。先に図書館に戻る米山だった。
マンションに行くと、窓ガラスに「adamas」という文字が赤で書かれていた。ギリシャ語で「何事にも屈しない」という意味だ。ガラスに傷が付き電気スタンドが倒れている。亜里沙は何かに怒っているという由麻。シャーロックはパスワードを解くヒントではないかと気づく。「adamas」はダイヤモンド、ダイヤモンドはC12。すべての物質はC12を基準にした相対質量。パスワードの21桁の数字を12で割ると4桁の原子量の並びになる。これを元素記号に置き換えると、「Li of val」リリー・オブ・ザバレー、スズランのことだという。
綿貫は、恐怖を消す薬のことをスズランの花にたとえていた。スズランの花言葉は、幸福の再来だという。シャーロックは姉の部屋にあったティッシュケースが移動していることに気がつき確認すると盗聴器が仕掛けられていた。亜里沙は、シャーロックにパスワードを解かせようとしたのだ。
亜里沙がパスワードを入れた。一つ目は開けたが、2段階になっているし、カウントダウンも始まっていると、誰かに電話している。
由麻は、姉からホテルで一緒に食事をしようとメールが来たと、シャーロックに電話をした。シャーロックはそのホテルへ駆けつけると亜里沙がいて「パスワードの続きを」と言う。シャーロックが断ると「妹がゆるさないだろう」と言う亜里沙。そこでシャーロックは気が付いた。今までの犯罪はすべて妹の由麻がやったことだと。父親を傘で差したのも、綿貫を拷問したのも、パスワードを解かせるために数字や文字を書いたのも・・・
亜里沙は「妹は恐ろしい子で人の痛みが分からない」と言った。冷徹で残酷で人の苦しむ姿に喜びを感じるのだという。植え付けられた劣等感と苦しみは、誰にも払拭することができないと。
由麻が和都の働く図書館を訪ねた。寄贈したい本があるからと車におびき寄せ、スタンガンで失神させた。和都は監禁され拘束されていた。最大電圧1000ボルトに改造されていて、大脳は沸騰するという。和都を人質にシャーロックにパスワードを解かせる。
和都は由麻にどうしてこんなことをするかを尋ねた。由麻は子供たちを救いたいだけだという。親に虐待されている子供達に恐怖を消す薬を飲ませて、親や社会に立ち向かって貰いたいと言う。
シャーロックは言った。虐待を受けている人がみんなあなたみたいに恨んでいるわけではないと。そのことを糧に頑張っている人もいる。薬が必要なのはあなただと。
ついにパスワードは解けたと思われたが、トラップにひっかかり、すべて消えてしまった。シャーロックがライブ放送していたため、礼紋警部が駆け付け、亜里沙は逮捕された。由麻が和都に電圧をかける直前、柴田によってブレーカーは下げられた。
シャーロックはパスワードをわざと間違えたと言い、和都に媚薬パッチと思わせたGPSがつけられていた。だから警察が駆け付けられたのだ。
椎名由麻の勤め先の机から不思議なものが発見された。ノートいっぱいにマリスステラと書かれている。カトリックで聖母マリアのことだという。旅人に道を教える北極星を由来とする。北極星はこぐま座の一つで、水野亜希子のスマホケースにこぐま座があった。偶然とは思えないという礼紋。シャーロックはマリスステラが何らかの組織で2人とも一員だとしたら…と言った。
- 感想
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今回の事件は、「恐怖を消す薬」がテーマです。本当にこんな薬があったら大変なことになりますね。この薬を作った綿貫は苦しみを取り除いてあげようと思ったのですが、恐怖という感情は、人間にとって必要な感情だと思います。恐怖を感じるからこそ、危険に気が付いてそれを避けようとするのでしょう。ドラマでは、恐怖を感じなくなって殺人マシンを作るという話になっています。恐怖がなくなると他人の恐怖もわからなくなるということなのでしょう。
この事件の犯人は、最初、ヘッドハンターの椎名亜里沙かと思いました。妹の由麻はおどおどとしていて自信なさそうに話します。両親が離婚して、由麻は母と貧しいながらも幸せに暮らし、亜里沙は父に引き取られたが、ひどい虐待を受けていたと、由麻は、シャーロックに言いました。でも、実は逆だったのですね。おびえたような話し方は、虐待を受けていたからなのかもしれません。しかし、心は憎しみでいっぱいで、人のつらさ、苦しみが分からなくなってしまったのでしょう。
虐待を受けている子供にこの薬を飲ませて、親や社会に復讐させたいというのが由麻の願いでした。シャーロックは、虐待を受けてもそれを糧にちゃんと生きている人もいると言っています。この由麻のようなやり方はまちがっているけれど、シャーロックの言葉にはちょっと納得できませんでした。糧と言ってはいけないと思います。
多くの虐待事件が報じられ、そのたびにどうにかならなかったのかと思います。心がなくなったかのように虐待をする親もいます。しかし、虐待と反省を繰り返しているのかもしれません。今回の事件をとおして、虐待について考えさせられました。
シャーロックの頭の回転の速さには驚かされます。パスワードを解くとき、次々と言葉があふれてきています。わざと間違えてデータを消してしまうことも予定どおり。いくつか浮かんだとして、どれが正解でどれが間違いかを見極めることも難しいのでしょう。
マリスステラ。シャーロックが言うように、何かの組織で最初の事件の水野亜希子もこの事件の椎名由麻も一員なのかもしれないですね。そして、そこで事件のヒントを与えられたのかもしれません。普通に生活していて、デジタルカプセルや恐怖を消す薬があることなんて知ることはできません。誰かの助言があったから事件を起こすことができたのでしょう。ノートいっぱいに何ページもマリスステラと書いていました。これは洗脳されているのでしょうか。
これからマリスステラの秘密がわかっていくのでしょうか。楽しみです。
第4話
武蔵野ヶ丘のヴァンパイア
- あらすじ・ネタバレ
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和都は、料亭でアルバイトをしていた。そこで、幼なじみの若杉涼太(高橋努)と再会した。
シャーロックは、大家の波多野(伊藤蘭)の話を聞いていた。波多野は興奮している。波多野は友達と一緒に、元タレントの湊アンナ(MEGUMI)の家に招待された。アンナは、昔付き合っていた俳優の話をしていて、その彼からもらった時価数百万の指輪も見せてくれた。ジャグジーの話になり、みんな風呂場に行ったが、波多野は周りのものが珍しくて、写真を撮ったりして、遅れていった。そのあとまたお茶を飲んでいると、アンナは、さっきの指輪がないという。風呂場に遅れていった波多野が疑われてしまった。
その話を聞いたシャーロックは、犯人はアンナだという。盗まれたと言って、盗難保険からお金をもらおうとしていたのだろうと言う。指輪の写真を見て、屈折率から言ってもこれはイミテーションで、本物はちゃんとあるのだろうが、それも売るつもりかもしれないという。アンナは、お金に困っているようには見えなかったという波多野。しかし、シャーロックは、株の本、株主優待の商品を見た。その会社は、最近株価が大暴落している。株で大損したのではないか。波多野が見た指輪は、ソファーと座面の間にでも押し込んだのだろうというシャーロック。写真にも、アンナが、ソファーを気にしている様子が写っていた。
おもしろい事件はないかと言うシャーロックに、帰ってきた和都が助けを求めた。シャーロックと和都が若杉家を訪ねると、異様なお祓いの声が聞こえていた。
和都の幼なじみの涼太は、息子大輝(伊藤俊太)を連れて、さくら(安達祐実)と再婚し、2人の間には、娘の若菜が生まれたばかりだった。涼太は、義理の母・若杉静枝(朝加真由美)も一緒に5人で暮らしているという。ところが、3日前、涼太の妻・さくらは、娘の腕にかみついて、生き血を吸っていたというのだ。それからさくらは、寝込んで口も利かなくなっていた。義母が、さくらの姿を見て、コウモリの怨念がのりうつって吸血鬼になってのではないかと言い出した。何代か前に、住み着いていたコウモリを駆除したことがあったという。その時のコウモリがさくらを呪っているというのだ。
シャーロックは、哺乳類の血を吸うコウモリは一種類だけで、日本にはいないと言う。。駆除したコウモリは日本の在来種の家コウモリに違いないという。怨念があったとしても、血を吸うなんてありえないとも。
大輝は妹が生まれてから、赤ちゃん返りをしたのか、元気がなく言うことを聞かないという。シャーロックと和都は、さくらの部屋に行った。シャーロックは直接さくらに、どうして自分の子供にかみついたのかを訪ねたが、何も覚えていないという。シャーロックは部屋の中の写真を何枚かとっていた。
シャーロックが、若菜の傷を確認しようとしたとき、勝手に触るなと大輝が現れた。帰れという大輝。さくらは和都に、もう若菜に会えないのかと聞いた。若菜は生まれつき心臓に病気があるという。さくらは大輝の様子も心配している。
シャーロックは和都に、さくらの部屋にあったお線香のお寺に行ってきてほしいと言った。誰かの墓参りかもしれないと。
さくらは、高校の同級生で、4年前に交通事故で亡くなった舞台女優・仮谷みすずの墓参りをしていた。その所属していた劇団で聞くと、さくらとドライブをしていて、さくらの運転ミスで事故に合い、みすずだけが亡くなったのだという。みすずには、同じ劇団に婚約者・結城カイト(川岡大次郎)がいた。シャーロックは、結城から落ちた鹿沼土から、園芸店で働いていることを当てた。
さくらは、また若菜のもとにいき混乱していた。シャーロックはさくらのカーディガンから注射器を発見した。注射器の中の薬品を調べるとマダラコブシの根から抽出した毒物が付着していた。
和都は、入山(斉藤由貴)のクリニックで見つけたチラシの、戦場カメラマン・守谷透(大谷亮平)の個展に出かけた。そこで、もっと救える人がいたんじゃないか、自分にできることがあったのではないかと、守谷に話す和都。守谷は、できるだけ多くの間、戦場の人々に寄り添って写真を撮り続けたいという。戦場で暮らす人々は強いと。悲しみを抱えながら前を向こうとして生きていると。それは悲しみに浸るよりも、何倍もつらいと。毎回怖くて逃げかえり、フラッシュバックもあるという守谷だった。
さくらは血を吸っていたわけではなく、誰かが注射した毒を、吸い出したのだろうというシャーロック。2度目に混乱していた時は、先に隠した注射器を取りに来たのだ。すぐに注射器が見つからなかったのは、さくらがベビーベッドのマットの下に注射器を隠していたからだ。そして、それはさくらが真犯人を守るためだという。
さくらは自分がやったというが、シャーロックは注射器を刺したのは大輝だという。問い詰めると逃げ出す大輝。シャーロックは誰かに命令されていたのでしょうと尋ねると、注射器はオルファム(子供番組のヒーロー)にもらったと答える大輝。どうして注射したのかは、答えない。
和都は、若菜に元気になってもらって一緒に遊びたかったのだろうと言った。いつも女の子が遊ぶ人形も持っていたからと。大輝が手紙を書いてほこらに入れておくと、オルファムから返事が返ってくるのだと言った。デパートの屋上のヒーローショーで会った後、オルファムから話がしたいと手紙が来たという。シャーロックは、大輝に利用されて妹を殺しそうになったのだから、責任を取って手紙を書いてと言った。「またあの薬をちょうだい。今度は上手にできます」と。
礼紋警部(滝藤賢一)と柴田刑事(中村倫也)が、ほこらで、結城を見つけ、警察官が取り囲んでいた。
事故で亡くなったみすずの婚約者だった結城は、事故を起こしたさくらのことをずっと恨んでいた。1ヶ月前、アルバイトで出演したオルファムのヒーローショーでさくらに再会した結城は、幸せそうなさくらを見て恨みがまた強くなったのだ。突如体調不良になったと言って早退し、一家の後をつけて、家の事情を知り、若菜を殺そうと思いついた。さくらに大切な人を失う苦しみを与えようと思ったのだ。大輝は疑うことなく若菜に、元気になる薬を注射しようとしたが、入っていたのはマダラコブシの根から抽出した毒だったのだ。長年園芸店でアルバイトをしていた結城だからできたと言える。
注射の痛みで泣き出した若菜に気が付いたさくらは、毒を吸い出したが、本当のことは大輝をかばって言えなかったため、吸血鬼騒ぎになったのだった。
結城は「みすずのことを忘れて自分だけ幸せになるなんて許せない」と言った。さくらは何も言い返さず黙っていた。和都は、さくらはみすずのことは忘れず、毎月お墓参りに行っていると反論するが、結城は「自己満足だ」と一蹴してしまう。しかし和都は「悲しみを抱えながら前を向く辛さを、結城もわかるだろう」と言った。みすずが亡くなった後も、同じ劇団で役者を続けていた結城ならわかるはずだと。
シャーロックは大輝に、お母さんはあなたを犯罪者にしないために守ったのだと言った。オルファムからの手紙のとおり、お母さんは僕が守ると言って、大輝はさくらをギュッとした。
湊アンナの事件も明るみに出た。波多野も、モザイクでインタビューを受けていた。
シャーロックの兄・健人(小沢征悦)がシャーロックを訪ねてきた。前回の事件の椎名姉妹の事件は政府の管轄になったことを報告に来たという。検察官の取り調べにもほとんど話さないという。精神科医もお手上げという。健人は、恐怖を消す薬を手に入れるよう指示したのは、マリスステラという団体ではないかと由麻(木南晴夏)を問いつめたが、表情一つ変えなかった。水野亜希子(水川あさみ)とのつながりにも答えなかった。意識は別のどこかにあるようだという。姉の亜里沙(紺野まひる)は、妹の言うとおりにやったというだけだった。
買い物に出かけた先で、突然のフラッシュバックに襲われ、倒れこむ和都だった。
- 感想
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このドラマ、伏線がたくさんあって面白いです。最初の波多野の話は関係ないかと思っていたら、ソファと背もたれの間に隠した指輪と、ベビーベッドのマットの下に隠した注射器がかかっていたんですね。
今回の事件も、不思議な事件でした。吸血鬼、コウモリの呪いって、ウソなのはもちろんわかっていますが、科学的にバッサリ切るシャーロックは見ていてスカッとします。でもなぜ、さくらは娘の腕にかみついたのか、謎でした。
論理的な思考が欠如しているから子供は嫌いというシャーロックですが、子供扱いせず、大人と同じように接して話すところはよかったです。子供好きだと、かわいがりすぎて子供扱いして子供のためにならないこともあるのです。一人前に扱われ、これからは自分がお母さんを守るというところ、グッときました。
交通事故で婚約者が死んで、運転した友達は生きているという状況で、運転していた友達を恨み続けている元婚約者、なんか悲しいですね。殺されたわけではなくて、運転ミスなのに、そこまで恨み続けるかなあと思います。大切な人を失う悲しみを与えようと、娘を殺そうとした。それも小さな子供の、妹に元気になってもらいたいという思いを利用して。
同情するような境遇ですが、これは同情できません。恨みを持ち続けることが生きる希望になっていたように思います。ヒーローショーでさくらに出会わなければ、こんなことは考えなかったのでしょうが。もしも、大輝の注射で若菜が死んでしまっていたら大変なことになったでしょう。でも結果的にこの家族は絆が深まったと思います。実の子供ではない大輝が、お母さんを守るという言葉、みんなうれしかったはずです。
最近のドラマは一話完結のようで、実は謎が続いているというのが多いような気がします。このドラマも、マリスステラがキーワードとなって続いていくのでしょう。
第5話
消えた新婦
- あらすじ・ネタバレ
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突然シリアでの戦禍のフラッシュバックバックに襲われた和都(貫地谷しほり)は、入川(斉藤由貴)のクリニックを訪れるとPTSDと診断された。命の危険を感じた出来事が心の傷となって、フラッシュバックなどの症状が出るという。弱みを見せない、まじめで明るい人ほど発症しやすいとも。これからもフラッシュバックは起きるのかを問う和都に、つらい記憶を完全に消し去ることはできないけれど、いつか必ず時間が解決してくれるという入川であった。
和都が帰ると、波多野(伊藤蘭)は婚活パーティーのパンフレットを見ていた。波多野は、夫を亡くした妻がみんな悲しんでいると思うのは幻想だという。夫の世話から離れて自分らしい生活をするようになった人もいると。和都は、もっと愛に満ちた結婚生活を送っている人もいるに違いないと夢を持っている。
シャーロック(竹内結子)に礼紋警部(滝藤賢一)から依頼があった。披露宴直前の式場から花嫁が消えた。花嫁はモデルの真島理紗(泉里香)。誰かが迎えに来た様子はないという。新郎はジュエリーデザイナーの冴木数馬(渕上泰史)で、マサリンジュエリーアワードという賞を受賞して、世界的に活躍している。
シャーロックと和都は、式場関係者に事情を聴いた。新婦はフラワーシャワーの時に貧血を起こしたため控室に戻っていた。休んでいるときにドレスの裾にオレンジジュースのしみがついてしまった。ウェディングプランナーの横川真子(荻野友里)が、しみ抜きを取りに行っている間に姿を消した。ロビーにいた支配人は、新婦が出ていく姿を見ていないという。控室の窓には内側から鍵がかかっていて、窓から出た可能性もない。
結婚式の2・3日前、打ち合わせの途中で女性が、自分が冴木のフィアンセだと乗り込んでくるというできごとがあった。新郎・冴木が言うには、その女性は神崎奈々美(近野成美)、行きつけの店に勤めていた女性でストーカーだという。
和都は守谷と会っていた。フラッシュバックの話をすると、自分の写真を見たからかもしれないと申し訳なさそうにする守谷。和都は違うと言い、1回だけでそれから起きていないとも言った。和都は、守谷に一番心に残っている場所を尋ねると、タイのロイクラトン祭りが思い浮かんだという。夜空に灯篭を打ち上げる祭りで和都も行ったことがあった。すると、2010年、同じ場所にいたことが分かる。和都は偶然を喜び、つい酒を飲みすぎてしまう。守谷の自宅で休んでいるといい雰囲気になるが、守谷を突き飛ばすように、和都は帰ってしまった。
波多野は、お見合い写真の写りをシャーロックに聞いた。めんどくさそうにいいんじゃないというシャーロック。でも、納得がいかない波多野は、帰って来た和都にも見せる。素敵でいい笑顔という和都。何かあったのではという波多野。
理紗のドレスが橋の欄干につるされているのが見つかった。そして、ポケットには「真実を知っている。連絡してこい」というメモと携帯番号があった。その携帯番号は、冴木がストーカーだと言った神崎奈々美の番号だった。礼紋警部と柴田刑事(中村倫也)は、神崎奈々美にメモを見せたが、書いていないという。結婚式当日は、急性胃腸炎で入院中だった。
メモがコンビニのレシート裏に書かれていたため、シャーロックと和都はそのコンビニに行き、防犯カメラの映像を確認した。メモのレシートは男性のものだった。結婚式の出席者の写真の中に同一人物と思われる人が写っていた。そして、その時、その男性がコンビニに現れた。和都は、「あ」と声を出してしまい、男性は逃げてしまった。2人で追いかけたが、追い付かなかった。
シャーロックは、礼紋警部と柴田刑事に事情を話し写真を見せた。礼紋警部は、写真の男性は、2年前の殺人事件の被疑者で山で遭難してすでに死んでいるという。名前は香田夏雄(毎熊克哉)、交際相手を殺害した疑いで手配されていた。山小屋の防犯カメラにより山に入ったことは確認された。雪崩に巻き込まれたらしいが、遺体は発見されていない。被疑者行方不明で未解決のままだ。その男は生きているというシャーロック。
和都は胸が苦しくなり、入川のクリニックを訪れた。話すことは、体の中にあるものを外に吐き出す作業、体も気持ちも楽にしてくれるという。周りの人に言って、同情されたり、接し方が変わるのが嫌だという和都。本当のことを言うのが、本当の自分を知られるのが怖いという。入川は、心理学用語で仮面のことをペルソナと言い、人はみんな複数の仮面を付けて生きていると。本当の自分を知られるのが怖いのはあなただけじゃないという入川に、和都は爆撃で追った背中の傷を見せた。入川は、和都の印象は何も変わらない、大丈夫だと言った。あなたは何があってもあなただと。和都は涙を流すのだった。
和都が家に帰るとシャーロックは推理を始めていた。殺人事件の容疑者である香田が、危険を冒してまで結婚式場に現れたのはなぜなのか?橋の欄干にドレスをつるしたり、奈々美の電話番号を書いたりしたのは、時間稼ぎ、捜査をかく乱するためだという。
結婚式場を訪れたシャーロックは、ウエディングプランナーの横川に、失踪にはあなたがかかわっているのだろうと言った。発見されたドレスにはオレンジジュースのシミなどなかったから、嘘を言ったのだろうと。理沙に頼まれて掃除機と式場の制服を渡し、ドレスを圧縮袋に入れて小さくし、理沙は、横川のふりをして式場を出たのだろうと。横川は認めた。理沙の昔の恋人が現れたためだという。それが香田だった。山で遭難したと思っていた恋人が現れ迎えに来たという。横川は、式場を出た後のことは知らないという。
シャーロックは、香田が理紗の恋人だというのは嘘で、横川に協力させるためだったのだろうと言った。
シャーロックと和都は、2年前の殺人事件の被害者・西野未来(梅舟惟永)の母(宮地雅子)を訪ねた。母は、香田が犯人とは思えないと言った。その2・3日前に母のもとに、結婚したいとあいさつに来ていたのだ。理紗は、未来の友達だった。未来はジュエリーデザイナーだった。そして、事件の後には、デザイン画の描かれたスケッチブックは一冊も残っていなかったという。
レシート裏の文字は理紗の筆跡に似ていた。理紗と香田がこの失踪事件を仕組んだのだ。
ある問題からあり得ないことを排除すれば、おのずと真相が見えてくる。それがどんなに突飛な結論でも。シャーロックの持論だ。
礼紋警部と柴田刑事は、冴木を見張っていた。冴木は、オフィスの観葉植物の植木鉢から袋に入った何かとり出していた。そこに理紗と香田が現れた。理紗は言う。冴木が未来を殺した後、香田が山で遭難したのをいいことに、香田の部屋に忍び込んで凶器を置いたのだろうと。
どうして未来を殺さなきゃいけないんだという冴木に、「その証拠が袋の中にあるんじゃないか」というシャーロック。シャーロック、和都、礼紋警部。柴田刑事も現れた。
袋の中はジュエリーデザインが描かれたスケッチブックだった。「この証拠を見つけるために偽装結婚したんでしょう」というシャーロック。理紗は、いつも未来にデザインを見せられていたから、佐伯が賞を取ったデザインが未来のものだと気づいていた。未来を殺したのは冴木だと分かったけれど証拠がなく、わざと冴木に近づいた。部屋を探しても見つからなかった。実家とオフィスは人がいなくなる時間がないから、結婚式当日に探したのだった。それでも見つけられなかったのだ。
冴木は、大学の後輩だった未来のデザインに目をつけ、一緒に仕事をしようと持ち掛けたが断られた。それで、未来を刺し、デザイン画を持ち去ったのだった。
「今頃未来だって喜んでいる。俺が発表したからこんなに売れたんだ。未来にはデザインの才能はあってもそれを世に出す才能はなかった。」という冴木に、殴りかかろうとする香田を止める柴田。さらに冴木は「今頃感謝しているはずだ。俺にデザインを託したことを。」とまで続けた。もういいだろうと礼紋。
結婚指輪も未来のデザインだった。未来が理紗のためにデザインしたものだった。スケッチブックに「for Risa」と書かれていた。どんな気持ちで私にこの指輪を渡したのかといいながら、理紗は冴木の頬を殴った。
波多野が腕のいいカメラマンを探していると聞き、シャーロックは「あなたの知り合いにいるでしょう」という。まあと答える和都。守谷が波多野の写真を撮り、波多野は和都さんも撮ってもらったらと言い、波多野はその場から離れた。もう会えないと思っていたという2人。和都は笑顔で写真を撮ってもらっていた。
波多野は、シャーロックに、和都のことが心配だったのでしょうという。いい友達ねという波多野に、いつものとおり、友達じゃないと返すシャーロックだった。波多野はほんとに素直じゃないと笑っている。
椎名由麻(木南晴夏)は拘置所で、不気味な笑みを浮かべていた。シャーロックの兄・双葉健人(小澤征悦)が駆け付けると、由麻は首をつって自殺していた。
- 感想
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和都は、心だけでなく、体にも傷があったのですね。そのことが、心にも影響していたのでしょう。入川に話すことができて、心が軽くなったのですね。守谷の前から去ったのも、そのことが原因だったのでしょう。一見冷たいシャーロックですが、シャーロックの推理力から、和都の心の中にあるものも感じているのでしょう。わざと、鈍感で気づかないふりをする方が、和都のためだということも知っているのでしょう。波多野も、そんなシャーロックに気づいています。
今回の事件は、花嫁の失踪でしたが、その背後には2年前の殺人事件の真実が隠れていました。親友を殺した証拠を見つけるために、犯人に近づいて、結婚しようとするというのは、すごい執念を感じます。本当は憎くて、話したくもないない相手なのに、真実を暴きたいという気持ちの方が強かったということですね。その気持ちに全く気付かない冴木は、モデルの妻を持つというステータスが欲しかったのかもしれません。心の中を深く知ろうとはしていなかったのでしょう。
冴木という人は、本当に許せない、ひどい人です。未来を殺して、デザインを盗み、将来を奪っておきながら、未来は自分に感謝しているなんて言う。どこまで自分中心なのか、信じられません。香田が殴り掛かろうとするのを、柴田刑事が止めましたが、これは冴木を守ったのでないでしょう。香田に、暴力をふるわせない、香田を守ったのです。ほほを殴った理紗には、気づかないふりをした礼紋警部。本当はみんな、冴木を殴りたいと思ったはずです。観ていた私も腹が立ちました。
香田は、山から戻って、未来が殺されて自分が犯人にされていることを知って、最初に理紗に連絡したのですね。そして、真実を暴く機会をうかがっていたのでしょう。恋人が殺されただけでもつらいのに、自分が犯人にされ、死んだことになっていると聞いて、何とも言えない思いだったことでしょう。自分は犯人じゃないと、生きていると名乗り出ても、証拠がそろってしまっているから、理紗と2人計画を立てたのかもしれません。真実を暴くことができて本当に良かったと思いました。
椎名由麻は拘置所にいて、誰にも会えないはずです。マインドコントロールされているということでしょうか。秘密を明かさないために、自殺してしまったのでしょうか。マリスステラ、次回、秘密がわかるのでしょう。楽しみです。
第6話
マリスステラ
- あらすじ・ネタバレ
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シャーロック(竹内結子)に礼紋警部(滝藤賢一)から連絡が入った。奇怪な事件だという。元警察庁長官で現在は国会議員の鷹山幸一(小木茂光)の息子、優一(山田裕貴)に宅配便の荷物が届いた。それは、冷凍保存された人間の右耳だったのだ。差出人は不明で、優一も身に覚えがないという。腐敗を止め、輸送がしやすいよう、真空パックされている。シャーロックは耳の中に何かを見つけた。補聴器だった。それも耳にあってはいないようだ。
シャーロックと和都(貫地谷しほり)は、鷹山の家を訪ねた。そこにはシャーロックの兄健人(小澤征悦)もいた。大学生の優一は、母の静香(野村真美)に甘やかされている。優一は、いろいろな事件を起こしていた。猫を殺して解剖したり、気に入らない同級生を車でひこうとしたり。それを父親が、元警察庁長官の力でもみ消してきているという。被害者は泣き寝入りするばかり。だから、今回の事件と関わりがあるかもしれないという。
シャーロックは兄に、椎名亜里沙(紺野まひる)のことを尋ねた。亜里沙は、妹・由麻(木南晴夏)の死を知って憔悴しきっていた。一連の事件を解決する手掛かりは、亜里沙だけになった。しかし、亜里沙は妹の言うとおりにしてきただけのようだ。シャーロックは、マリスステラについても兄に聞いた。今のところ、これと言った情報はないという。
波多野(伊藤蘭)がたくさんのサツマイモを抱えてきた。サツマイモパーティーをしようという話になった。守谷(大谷亮平)も呼ぼうという波多野の提案に、シャーロックはにやにやしている。シャーロックの友達は和都さんだけねという波多野に、相変わらず友達じゃないというシャーロックだった。
片耳のない死体が発見されたと連絡があった。被害者は捜査一課の川崎警部だった。川崎警部と送られてきていた片耳のDNAが一致した。
守谷と入川(斉藤由貴)が波多野とシャーロックたちに家を訪れた。和都は内緒にしていたが、シャーロックは入川が心理カウンセラーだとあてた。心理テストをして盛り上がった。シャーロックも知っているといった。少年がサッカーボールをもらっても喜ばないのはなぜかという質問に、すでに持っているとか、サッカーが好きじゃないと答える女性陣に対して、少年には足がなかったからと答えた守谷だった。これで何が分かるのかと聞くと、シャーロックは、サイコパスかどうかだと答えた。
そんな時、礼紋警部から連絡が入り、シャーロックはすぐに向かった。文句を言いながらも気になる様子の和都。守谷に言われて、私がいないとだめだと、駆け付ける和都だった。
今度は、切り取られた指が届いたという。合わないネイルチップが付いている。シャーロックはほくろに見覚えがあった。指の持ち主は、鑑定をしていた科捜研の向山主任で、遺体で発見された。ネイルは5年前に流行ったものであり、補聴器も5年前の機種だった。補聴器とネイルは犯人からのメッセージだというシャーロック。
補聴器の持ち主は、5年前に23歳で死亡したネイリストの高井ユリだった。2013年9月9日の仕事帰り、近くの横断歩道を横断中に車に跳ね飛ばされた。犯人は、遺体を運んで山に遺棄したという。遺体が発見されたのは2日後で、捜査担当が川崎警部、科学捜査担当が向山主任だった。当時、犯人の者らしき指紋も、車のガラス片も見つかっているのに、容疑者が浮かび上がることはなかった。シャーロックは、浮かび上がった容疑者を誰かが沈めたからと言った。
被害者の実家を訪ねたが留守だった。半年前から見かけないという。父の高井義之(飯田基祐)は、交通事故被害者遺族の会ひなたの活動を熱心にしていたという。自宅には、線香をあげに帰っていた様子があった。ふすまには新聞の切り抜きや、川崎警部、向山主任の写真が貼られている、真空パックの道具もあった。シャーロックの推理は、犯人に脅されて見逃した川崎警部、証拠隠ぺいに手を貸した向山主任に、父親が復讐したのだろうというものだった。恩人を信じている柴田刑事(中村倫也)に、100%の善人はいないというシャーロック。この5年を調べに行く柴田だった。シャーロックは、ふすまを見て、もうひとりターゲットがいると言う。
シャーロックと和都は被害者の会を訪ねた。加害者の更生も行うようになっていたという。代表者は、半年前から高井に会っていなかったが、2週間前に会った時には別人のようになっていたと言った。被害者遺族に残された道は、加害者を見つけ出して復讐するこしかないと言っていたのだ。加害者を憎むだけは何も解決しないと言っていた人とは、別人のようだった。近所の女性が、高井の前で土下座して謝る川崎を目撃していた。
優一は、5年前は17歳で免許を持っていない。和都は、有名なお父さんがいることは重圧だろう、名前も一文字違いだしといった。シャーロックは、そんなバカみたいなこと気づかなかった、ありがとうと和都に言った。
シャーロックは、鷹山幸一のもとへ。5年前のひき逃げの犯人はあなたでしょうと言った。川崎警部と科捜研の向山を脅してと。自責の念に駆られた川崎警部は、被害者の父親にすべてを話した。高井は、復讐のために川崎と高井を殺害し、耳と指を送った。補聴器とネイルアートをメッセージにして。鷹山は、息子に届けられたものだと言った。しかし、シャーロックは、定規を使ってカタカナで書いたために、コがユになってしまったのだと言った。2度目には、ちゃんとコになっていたのだが、誰も注目していなかったのだ。
鷹山は、車に乗るたびにひいてしまった子の顔が浮かんでくると言い、素直に認め、その車はガレージに入っていると言った。しかし、シャーロックと和都が行くと、そこに車はなく、捕まってしまった。反省したというのは嘘だった。シャーロックと和都は、秘書の飯田(水橋研二)に殺されそうになった。しかし、和都がシャーロックから取り上げたナイフを持っていて、逃げることができた。
シャーロックは、自分たちを殺そうとした秘書の肝臓に、ナイフを刺そうとした。和都が止めなければ本当に殺してしまったのだろうか。和都はもうすっかり相棒になっている。鷹山が車で逃げていたが、衝撃に気が付き車を降りると、息子の優一が倒れていて、息絶えてしまった。そこに高井がいて、血の付いたナイフを持っていた。高井は、鷹山に「最愛の息子を亡くした気持ちは?」というのだった。
何があなたをそう変えたのかと、シャーロックは高井に問いかけた。「悪人を許して誰が幸せになれる、悪人を制裁しない限り、被害者の心は救われない」と、笑顔で言い、自ら首を切って死んでしまった。
鷹山は罪を認めたという。生きる目的を失った高井は生きていたってしょうがないというシャーロックに、それは違うという和都。生きていれば次の生きる目的が見つかるときがきっと来ると。少し前の自分がそうだったという。
シャーロックの兄・健人が椎名亜里沙のことでやってきた。亜里沙の話では、由麻は、「マリスステラが正しい方向に誘導してくれる」と言っていたという。マリスステラは北極星。
シャーロックはハーバード大学の恩師に連絡し、犯罪誘導理論の論文を探した。19世紀のアメリカで起きた鉄道事故で頭部を損傷した人が、退院後に殺人鬼になるということがあった。脳の眼窩前頭皮質の損傷だった。ケンブリッジ大学の卒業生の中に、それを臨床心理学で応用できると考えた人がいた。対話によるアプローチで脳に刺激を与えて、善良な人間を犯罪者に仕立て上げる論文を発表し、当時かなり注目されていたという。その論文を書いた人物が、マリスステラである可能性があるとシャーロックは考えた。
その時、何かを思いついたシャーロックは家を飛び出した。和都も後を追った。高井の自宅へ行くと、写真の張ってあったところのピンが変わっていた。ピンをつなぐと、北極星のあるこぐま座になった。高井の人格を変えたのも、マリスステラだったのだ。そこへ、論文の情報が入った。論文を書いたのは、モリワキアキラという人物だった。それがマリスステラの正体だ。貼ってあった写真の裏にアルファベットが書かれていた。モリワキアキラからのメッセージだというシャーロック。並べ替えると、WELCOMEとなった。
- 感想
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シャーロックと和都は、すっかりいいコンビになっています。友達じゃないというシャーロックも、和都の心配をしているようだし、和都も、私がついていないとだめだという思いがあります。そんな2人にほっこりしていても、事件はぞっとするような話です。
殺されそうになるピンチを切り抜けるのが和都の機転からというのは、今までは考えられないことですね。シャーロックは、本気で怒ると人殺しもしてしまうのでしょうか。今までのひょうひょうとしたシャーロックとは違う面が見えています。
人間の耳や指が送られてくるなんて、気持ち悪いです。こんなことができるのは、やはり洗脳されているからなのでしょうね。
元警察庁長官で、現国会議員が、ひき逃げをして遺体を遺棄って、人間のすることじゃないですよね。そしてそれを暴いた2人を殺そうとするなんて。息子の犯罪はまだ、人の命にはかかわっていないようでしたが、これはひどいです。
交通事故被害者の会で活動していた、優しくて立派なお父さんが、復讐を考えるようになるなんて、やはり、マリスステラだったのですね。こんなひどいことは、真実を暴きたい気持ちはわかりますが、人殺しは、普通の感覚ではできないでしょう。さらに、自分の命まで。
眼窩前頭皮質、うまく聞き取れず、漢字もわからないので調べました。他人の心を理解したり、社会性、モラルに関係しているとありました。ここを損傷すると、切れやすくなるとも。
サイコパス、人殺しを何と思わない、殺したいという欲求のある人物が出てくるドラマや映画・ユリゴコロ、あなたの番です番外編を観ていて、他人の命を軽く考える人は、自分の命も大事に思っていないと感じました。だから、高井も、すぐに自殺してしまったのでしょう。自分で、普通なら、首を切ってもなかなか強くできず、死にきれなくなりそうです。シャーロックが、波多野、守谷、入川、和都に出した心理テストの答えが気になります。
モリワキアキラからのメッセージ「WELCOME」は、シャーロックへの挑戦状ということですね。ラストに向けて楽しみだけどちょっと怖いです。
第7話
最後の事件・前編
- あらすじ・ネタバレ
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シャーロック(竹内結子)は犯罪誘導理論の論文を読んでいた。モリワキアキラのイギリスへの渡航記録を調べたがなかった。兄・健人(小澤征悦)があらゆる手を尽くして調べても、モリワキアキラの情報はなかった。最初からなかったように、消去されてしまっているという。
和都(貫地谷しほり)は、守谷(大谷亮平)の部屋で、モーニングコーヒーを入れて幸せな朝を迎えていた。守谷は完成したばかりの初の写真集を、和都に渡した。
シャーロックは兄に呼ばれ国家戦略担当大臣で中東外交に太いパイプのある桐嶋(山路和弘)に会った。帝日化学の太田(堀部圭亮)から話された。ある病原体のウィルスを培養したものが昨夜盗まれたというのだ。人間の体内の免疫細胞や抗体をもろともせず、感染から24時間で発症し、全身の臓器が機能しなくなり死に至るという。もし拡散されれば1週間で10万、2週間で10倍と、威力はエボラウィルスの比ではない。
シャーロックはそんな殺人ウィルスがどうして民間の研究所にあるか尋ねた。ウィルスによるテロ対策の研究中に生まれたものだという。研究員の手塚昭彦(本間剛)と、その恋人で職業不詳の倉田美月(菊池凛子)。2人は同棲していて、近々結婚予定と言っていた。その2人が現在行方不明になっていた。公安も調べているが、今のところは何とも言えないという。
24時間以内に注射すれば助かる血清が、18人分あるという。血清の製造は始まったばかりで、1週間に百人分作るのが精いっぱいだという。シャーロックは、どこかでそのウィルスがまかれたら世界は終わると言った。そこへ手塚が遺体で見つかったという連絡が入った。
シャーロックから電話で呼ばれた和都は、守谷の部屋を出ようとしたとき、壁の星の写真が目に留まった。どうかしたのかと聞く守谷に、何でもないと答えた。
和都は星の写真が気になっていた。絶対ウィルスは取り戻すというシャーロック、せっかく彼ができたのにいま世界が終わったら困るという和都。シャーロックは、こんな腐りきった世界、いつ終わっても誰も困らないと言った。
手塚の遺体が見つかった現場には、礼紋警部(滝藤賢一)、柴田刑事(中村倫也)がいた。ウィルスは手塚を殺した犯人が持ち去った可能性が高い。和都が検視をしていると、ぞろぞろと警察官が現れた。高橋管理官(高杉亘)は、今後の捜査は公安が仕切ると言う。
シャーロックは手塚の部屋に行った。恋人の倉田と同棲していたというが、倉田のものは少なかった。シャーロックは、本当に同棲していたのか疑問に思った。和都はそこで守谷の写真集を見つけた。まだ多くは印刷されていなくて、店頭に並ぶのは数日後だと言っていたものだった。
警察に犯人からメールが届いた。「ウィルスは我が手にある。証拠を見せる。大田区の廃遊技場へ行け」海外の複数のサーバーを経由しているため、発信源の特定には時間がかかる。
そこにはウィルスを注射された倉田が手錠でつながれていた。倉田はシャーロックを指さして「この人が犯人だ!手塚を殺したのも、自分にウィルスを注射したのも。」と言った。連行されそうになったシャーロックは、柴田の銃を奪って柴田に銃をつきつけた。シャーロックは、高杉管理官に言った。「ここで捜査を間違ったら大変なことになる」と。あなたの捜査に東京1300万人の命がかかっている、その覚悟はあるのかと。シャーロックは柴田の銃を持ったまま、ウィルスを探すと言って走り去った。
「本日20日、午後6時に記者会見を開け。帝日科学と桐嶋大臣は、2年前に犯した罪を国民の前で謝罪しろ。それができなければ、午後7時にウィルスをばらまく。」
警視庁のホームページが乗っ取られて、掲載された。犯人からのメッセージだ。手塚を殺害した銃からシャーロックの指紋が検出されたという。和都は何かの間違いだと言う。気づいたことがあれば教えてほしいと言われた和都。
シャーロックの部屋の家宅捜索が入った。波多野(伊藤蘭)は、誤解されやすいけれど、誰かを傷つけるような子じゃないと言う。
血清で命が助かった倉田のもとにシャーロックが現れた。倉田が手塚に近づいたのはウィルスを手に入れるため。誘拐されたふりをして、ウィルスを持ってこなければ婚約者の命はないと言ったのだろう。倉田が自分に注射して手塚を殺し、警察にメールをした。24時間以内に血清を打ってもらえることも計算していた。シャーロックの推理だ。残りのウィルスはどこかと尋ねるシャーロック。
倉田は、質問には答えずに話し始めた。2年前に中東の小さな村で1人が原因不明の病気に犯された。病気はあっという間に広まり、村は数日で全滅してしまった。原因は新種のウィルスだと認められた。帝日科学が作ったウィルスだった。帝日科学はフランスの組織をとおしてテロ組織に売り渡していた。殺傷能力を確かめるためにばらまいたという。桐嶋はそれを知っていて放置している。
帝日と桐嶋が謝罪会見を開かなければ残りのウィルスをばらまく。シャーロックは倉田に東京を全滅させる必要があるのかと問う。自分たちは正義のために行動していると切れる倉田。道楽でやっている人間に邪魔はさせないと言う。おとなしく警察に捕まれと言った。シャーロックは笑う。自分に罪を着せた理由が分かった。嘘はすぐにばれるというシャーロック。これではどうかと、自分は正義のために死ぬと言った。「やめてください誰か助けて」と叫び、倉田は屋上から飛び降りた。
礼紋と柴田にも連絡があった。シャーロックが倉田を屋上から突き落とし、目撃者も多数いたと言う。
兄はシャーロックに足のつかない携帯だと言って渡した。
和都は「今は自分の大切な人のことしか考えられないから、これから大変なことが起こるから、逃げてほしい。」とカウンセラーの入川(斉藤由貴)に言った。そこに守谷も現れた。それでいいのよと言う入川。大切な人を守るためにあなたならどうするか、あなたに何ができるか聞く入川。
シャーロックは、帝日化学の太田にピストルを突きつけて聞き出す。ウィルスをテロ組織に売ったのはフランスの企業だと言う。桐嶋に謝罪会見を開くよう説得しろと言うが、無理だろうと言う。前から脅迫状が届いていたのに、もみ消してきていると。脅迫状は倉田からかときくと、違う、戦場カメラマンの守谷だと言う。それを聞いたシャーロックは、行き先を変更しろと言った。
和都は入川と守谷にウィルスのことを話していた。入川がシャーロックは犯人だと思うかと聞くと、シャーロックは絶対に人殺しなんかしないと言う和都。そこへシャーロックから連絡が入った。緊急時に落ち合う場所を決めている。守谷は一緒に行くと言った。
礼紋と柴田は、和都を見張っていた。和都をつけて警官が集まってきた。そこには太田が縛られていて、後ろには爆弾があると言ったが目覚まし時計だった。シャーロックは警察車両を奪って逃げて行った。
夕方5時半を過ぎ、健人は桐嶋大臣に記者会見をするよう説得していた。「2年前の罪など知らない、証拠を持って来い」と聞く耳を持たない桐嶋。健人は罪はともかく記者会見をやらなければ、人命がかかっていると言った。記者会見で犯人に語りかけて時間稼ぎをしてくれと。それでも桐嶋は、俺の政治生命を終わりにする気かと言った。何もしなければ大変なことになると言った健人に、桐嶋はウィルスを取り戻せと言ったと切れる。今最も事件の真実に近づいているのは妹だと言う健人。桐嶋が頼んだのは事件を解明することではなく、ウィルスを取り戻すことだと言い張る。
シャーロックは守谷の部屋に行った。兄の健人から、謝罪会見は開かれないという電話。期待していないと言うシャーロック。守谷を探してくれと兄に行った。ウィルスをばらまく下見をしているはずと。東京駅の写真を発見したシャーロックは、東京駅だと言う。そして、北極星の写真を見つけたシャーロック。今までの事件がよみがえるシャーロック、マリスステラとつぶやいた。
守谷はメッセージを録音していた。あなたがメッセージを聞くとき、僕はこの世のいないかもしれないと。
シャーロックは、東京駅内を歩き回っていた。東京駅前の信号でシャーロックは守谷を見つけた。もっと早く気付くべきだったというシャーロック。多くの村人が死に、村は焼かれて、生き残った人も住む場所を失った。しかし、罪を犯した人たちは、反省せずに隠ぺい工作をしている。誰かが罰を与えるべきだと言う守谷。
シャーロックはここでウィルスをばらまいたら子供たちが犠牲になって、中東と同じ悲劇が繰り返されるだけ、間違っていると言う。ウィルスはどこかと聞くシャーロックに、俺の中にあると言う守谷は、咳をし始めた。ついに俺は力を得たと言う守谷。すべて自分に打ったと言う。俺を媒介して拡散するというのだ。
醜い世界を変えるために。あの人が俺ならできると言ったから。あの人が喜んでくれるからと。「止まれ!守谷!」シャーロックが叫ぶ。和都も、多くの警察官も駆け付けている前で、シャーロックは守谷を撃った。近づこうとする柴田に感染者だという礼紋。和都は泣き叫んでいた。
感染者死亡、ウィルスの拡散阻止と言って、笑顔で拍手をする桐嶋たち。健人は、「暴力では何も解決しない、司法にゆだねて必ず制裁を!」と言い、「妹は、あんたが見捨てた、1300万人の命を救うために人を殺した!」桐嶋を殴った。
シャーロックは手が震えていた。じっとしていることができず、泣き崩れている。守谷のメッセージを見ている。「あなたのおかげで向かうべき道へ進むことができた。」最後のお願いは「和都をよろしく。」という言葉だった。「先生と出会いに感謝」と言う言葉で気づいたシャーロック。モリワキアキラは、入川真理子だと。
入川は和都に声をかけた。行きましょう、新しい世界へと。和都は手を伸ばしかけている。震えながら和都へ電話するシャーロック。
- 感想
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今回は本当に、観ていて腹が立つと言うか、悔しいと言うか、おもしろいけれど辛いドラマでした。
ウィルスをばらまくと言われても、自分の保身が大事な政治家。信じられません。ウィルスを作ってテロ組織に売っていた会社が、効果を見るために、何も知らない、一生懸命生きていた関係のない人を犠牲にするなんて、許されることではありません。それを知っていて、黙認したのは同じことのように思います。
守谷がマリスステラに関係しているかもしれないと、星の写真を見たときにちょっと、思っていたのだろうと思います。でも、信じたくなかったのでしょう。ウィルスを持ち出したかもしれない手塚の部屋で、まだ店頭には並んでいないはずの、守谷の写真集を見つけたとき、その疑いは強くなったはず、いや、確信しているはずなのに、シャーロックに言わないのはやはり信じたくないからですね。
善良な村の人たちを実験的に殺したことの復讐という動機は、わからないでもないけれど、大臣や会社ではなく、市民をウィルスに感染させるなんて、絶対に止めるつもりのシャーロックです。
倉田がシャーロックが犯人だと言ったのは、捜査をかく乱させるため。そして、自分たちの犯罪を暴かれる可能性のあるシャーロックに、捜査をさせないためでしょう。それでも、逃げながらもしっかり核心に迫っていくシャーロック。自分の体にウィルスを注射した守谷。撃たなければ、誰かと接触したら、大変なことになるから、シャーロックは撃った。一見、何も怖いものなどないように見えるシャーロックだって、人間だから、撃った後震えています。でも、これで終わりではない。モリワキアキラを見つけ出して、止めなければと思っているから、警察に捕まるわけにはいかない。本当に、じっとしていられないほど震えているシャーロックに、人間らしさを感じます。
守谷の携帯を持ってきていたシャーロックは、録画していたメッセージを見ます。送った相手がマリスステラで、カウンセラーの入川だと気づいたのです。モリワキアキラは入川真理子だと。和都さんを頼むというメッセージを残しているから、和都に電話をしようとするシャーロックですが、その時には、入川は和都に声をかけていました。入川に手をのばしてしまいそうです。今までのシャーロックとのことを思い出せば、気が付くはずですが、守谷のことでショックを受けてしまっている和都は、考えることができなくなっています。
守谷は利用するために和都に近づいたのでしょうか。シャーロックの指紋を手に入れる必要があったから。でも、2人が惹かれあった気持ちは嘘ではない気がします。こんな事件とは関係のないところで出会っていればよかったのにと思います。
桐嶋大臣は、感染者死亡、ウィルスの拡散阻止と言って、笑顔で拍手をしました。見ていて腹が立ってきます。健人は、妹はあなたが見捨てた1300万人を守るために人殺しをしたと言って、桐嶋大臣を殴りました。気持ちがよくわかります。兄はシャーロックの気持ちが分かっています。普通の人間なら、死にたくないという思いと同じくらい、人殺しもしたくないです。
マリスステラは、不幸な過去の事件で傷を負った人に復讐させようとしています。辛いことがあった人はカウンセラーを訪ねます。そこでターゲットを見つけているのでしょう。どうしてそんなことをしているのか、何がしたいのか、次回、シャーロックと入川の直接対決になるのでしょうか。
第8話
最後の事件・後編
- あらすじ・ネタバレ
-
和都(貫地谷しほり)は、トロンとした目をして銃を撃っている。ドラム缶の上の空き缶を。しかしそれがだんだんシャーロック(竹内結子)に見えてきた。和都は涙を流している。心理カウンセラーの入川(斉藤由貴)は、和都の肩を抱いて、「焦らなくていい。あなたは悪くない。悪いのはあなたのお友達」と言う。和都は「友達じゃない。ただの殺人犯」と言う。シャーロックが、ウィルスを自身の体に注射した守谷(大谷亮平)を殺害したことを言っている。入川はシャーロックの潜伏先に心当たりはないかと和都にきくが、和都は首を振るだけだった。
警察も行き詰っていた。シャーロックの行為のいきさつを説明しようとする礼紋警部(滝藤賢一)は捜査から外されていた。礼紋は、シャーロックを被疑者と呼ぶのは間違っていると、市民に感染させないために、感染した守谷にやむなく発砲したのだと言った。しかし、高橋管理官(高杉亘)は、守谷の殺害容疑で、シャーロックを指名手配した。抵抗している場合は、発砲も許可すると。柴田刑事(中村倫也)は、スタンドプレイのシャーロック、いつかこうなる日が来ると思っていたと、礼紋に退職届を渡して出て行った
波多野(伊藤蘭)は、巡回中の警官に何も変わったことはないと言った。流れている音楽はレコードだと言った。本当はシャーロックがチェロを弾いていた。そこに入川が現れた。
シャーロックは入川歓迎のために、バッハのチェロ組曲「プレリュード」を演奏していたと言った。モリワキアキラと。「思い出してくれてよかった、記憶力悪いのかと思った」と言う入川。シャーロックは、次々と事件をおこすのは何のためかと尋ねると、入川は犯罪誘導理論の実証だと答える。自分の理論が正しいということを、世界中にわからせるために様々な事件を起こさせていたのだ。
「これから何するつもりだ」とシャーロックは尋ねるも、「わからない方が楽しい」と答えない。シャーロックが和都について尋ねる。「ヒントその1 私が存在する限り、私以外の言葉は和都さんに届かない。ヒント2 和都さんは有名になるの。世界中で。」そう言う入川に詰め寄るシャーロック。入川は、「私に何かあったらあなたは大好きな友達に一生会えなくなる」と言った。「友達なんかじゃない」というシャーロック。シャーロックに触れようとする入川の手を、シャーロックは強く振り払った。
和都はドックと言う場所を案内されていた。守谷はドックの頭だったと言う。入川のマインドコントロールによって、和都は、事件のすべての首謀者はシャーロックだと思うようになっていた。案内してくれた青年は、優秀な警察が解決できない事件を解決するなんて変だと言い、入川は、まるで最初から仕組まれていたみたいと言った。
シャーロックはクリニックを調べていた。守谷の携帯に残っていた入川宛のメッセージを思い出していた。ドックに和都がいると。いらいらしているシャーロックの前に現れたのは兄の健人(小澤征悦)だった。礼紋と柴田の話をして、誰も協力してくれないと言う。協力なんて頼んでないと強気なシャーロックだが、ドックの場所は見つけられない。次のターゲットに関わりがあると思われる論文を見つけたシャーロックは、榊原邦夫という人物について調べるよう健人に依頼した。
柴田は父親の清掃会社で働いていた。シャーロックは拳銃を返しに訪れる。「お前のそういう人を馬鹿にした態度が大嫌いだ」と言う柴田。シャーロックは、「柴田ならどんなに始末書を書かされても、左遷されても、警察をやめないと思ったから、柴田の拳銃を奪ったのだ」と言い、拳銃を返して去っていった。
兄から情報が入った。榊原邦夫は東大の原子物理学の教授で、5年前に大手企業からプルトニウムに関する実験データを盗んで逮捕され、実刑判決を受け、服役中に医療刑務所で死んだと言う。超小型核弾頭を作ろうとしていた。設計書が完成していたなら、世界中のテロリストが飛びつくだろう。
兄がシャーロックに渡していた携帯が警察に知られ、電源が入ったことを確認し、居場所が割られる。
シャーロックは和都をテロリストにしようとしていると考えた。きっと、設計書は完成していて刑務所の中にあるに違いないと。しかし、兄は見張られていて動くことができない。
シャーロックはホームレスの男(渡辺いっけい)から「あせるな。闘争を続ける限り君を追う。まずは出頭して守谷透殺害にいたった状況を説明するんだ。和都さんの捜索はそれからだ。」という礼紋の伝言を受け取った。「一つ一つ捜索して行こう。私は君の見方だ」といところは聞いていなかった。
入川・モリワキアキラは、わざとシャーロックに榊原邦夫のことを見つけるよう仕向けていた。自分たちが探しても見つけられなかった設計書をシャーロックに見つけさせるために。シャーロックは必ず見つけるという、和都につながるたった一つのことだから。和都は「警察に来てもらおう、殺人犯は捕まえてもらおう」と言うが、その眼はもう和都ではない別人のようだった。
警察はシャーロックを見つけることができず、兄の健人を徹底マークするようになる。
入川は警察に行き、シャーロックがクリニックに侵入し、重要なデータをコピーしていったことを話した。それはシャーロックをおびき寄せるための罠だとも。犯人逮捕に協力することは市民の務めだと。シャーロックが現れるところに案内するという。神奈川医療刑務所。「なぜここに?」と聞く高橋管理官に、シャーロックの次の犯罪計画に必要なものがあるからと言った。
波多野は「和都が帰ってこないからイライラしているんじゃないか?しっかりしなさい!」とシャーロックのほほを殴って抱きしめた。波多野にとっては二人とも大切だと。自分を信じてと。
シャーロックは看守になりすまし医療刑務所に入り込んだ。設計書は榊原のいた部屋の壁に血で書かれていた。しかし、警察と入川たちは監視カメラで見ていた。廊下に出てきたシャーロックは、警官たちに囲まれたが、まるで危ない薬のように装った瓶を割って飛び出した。その後、部屋に入った入川がライトを当てると、そこには「YOU LOSE」と書かれていた。
シャーロックが外に出ると車で礼紋と柴田が待っていた。礼紋が「どういたしまして」、柴田が「そんなに何回も言わなくていいよ」と言う。「まだ1回も言ってないよ。ありがとう」とシャーロック。
シャーロックは入川に電話をかけた。「探し物を届けてあげようと思って。ずいぶん探したんでしょう」と。対する入川も「あなたこそドックを探したんでしょう。見つけられなくて残念」と返す。
ビルの屋上で向かい合う2人。設計書と和都の交換だというシャーロック。犯罪誘導理論の実証が終わったら返すという入川。話が違うというシャーロック。そこに和都が現れた。決着をつけるまでシリアに行けないと言って、シャーロックに銃を向ける和都。入川は、和都には歴史に名を残してもらおうと思ったけど、これならこれでもいいと言った。そこに、礼紋が現れた。
しかし、入川は和都に「大丈夫。あなたならできる」と言った。シャーロックは和都に目を覚ましてというが、言葉は届かない。シャーロックは、いいよと言う。あんたになら打たれてもかまわないという。和都は私の友達。初めてできた友達だと。他の誰かに当たるくらいなら、私がその弾を受けると。和都の銃を手に取って、自分の胸にあてた。震える和都。表面意識の一部が抵抗しているだけで、これ以上抵抗すれば精神が乖離し、人格が破綻するという入川。
私が3つ数えたらあなたは撃てるという言う入川。入川の「3つ」と言う声に合わせて、礼紋が空に向けて拳銃を撃った。驚く和都。「これで自由になれる」と、シャーロックは入川とともに屋上から飛び降りた。和都は完全に目を覚まし、「シャーロック!!」と叫んで泣き崩れた。
新聞には、違法クリニックで患者を洗脳。屋上から飛び降りて、女性2人死亡の記事。
シャーロックの部屋に座る和都。波多野はずっといてくれていいというが。シャーロックからの緑のコートを持って。「なんでシャーロックって呼ばれているか聞けなかった」とつぶやく和都。短い時間だったけど、あなたと過ごした時間はかけがえのない時間だったと思うと、波多野は言った。ありがとうと。和都と波多野は抱き合って泣いた。
外では礼紋と柴田が見送っていた。守谷透の死は、銃弾によるものではなくウィルスによるものだった。礼紋は、これ以上彼女を苦しめたくないと何も言わなかった。礼紋は、柴田の退職届を保留にしていた。早速、報告書の作成を支持する礼紋に笑いながら「はい」と答える柴田。
和都はバラを一輪シャーロックの落ちたあたりに置く。川を眺めている和都。The end.
- 感想
-
ハッピーエンドではありませんでした。でも、本当にシャーロックは死んでしまったのでしょうか。実は、生きていたなんてありそうです。最後の場面で、礼紋が柴田に「ゴンドラ勝手に使ってクビになっただろう」と言うのですが、ゴンドラを使った場面は観ていません。もしかしたら、ゴンドラで助けていたのかもと思ってしまいました。新聞には女性2人死亡と出ていましたが、シャーロックの兄なら、うまくやれるのかなんて思いました。
警察がシャーロックを犯人として指名手配したのは、ウィルスについての過去の事件を隠ぺいするためでしょう。シャーロックに全部話されたら、大変なことになってしまいます。そんなこともあり、シャーロックは死んだことになっている方が安全だから、ということも考えられます。礼紋と柴田、シャーロックの兄だけが知っているのかと思います。波多野や和都が悲しんでいる方が、信ぴょう性が増すから、落ち着いたころに教えるのかなと、思いましたがどうでしょう。そして、続編が観たいです。
和都は完全にマインドコントロールされて、シャーロックが守谷を殺したということだけが心にあって、敵だと思わされたのでしょう。こんなことが本当にできたりしたりしたら、恐ろしいと思いました。
シャーロックは、本心ではやはり和都のことを友達だと思っていました。強がりで認めなかったけれど、和都が行方不明になってからのシャーロックは、今まで見たことのないほど動揺していました。最後は、和都が撃つならそれでもいいと思ったのでしょうか。
シャーロックは柴田のこともちゃんと見ていました。拳銃を奪うときに、柴田なら警察官をやめないだろうと思ったからと。礼紋、柴田、シャーロックの3人の雰囲気はいいですね。
守谷の死因は撃たれたことではなくて、ウィルス感染によるものでした。いくらシャーロックでも、初めて撃った拳銃の一発で急所に当てるなんて無理ですよね。確かに、今更きいても和都にはどうにもならないこと、守谷もシャーロックももういません。
海外の反応
海外のレビューサイトで『ミス・シャーロック』の口コミを探してきました。

ミス・シャーロックは、お馴染みのコンセプトとキャラクターのダイナミックさに、純粋に楽しく、小気味悪さを与えてくれます。聞いたことがあるかもしれませんが、シャーロック・ホームズやシャーロック、海外ドラマのファンにとっては見る価値のある、いくつかの大きな間違いを備えている作品となっています。
満足度 3.0
日本のミステリーのファンです。いくつかのエピソードのストーリーが興味をそそられますし、結末は予想外の展開になることが多いです。ただ登場人物に魅力がない。一人は傲慢で不愉快です。もう一人はバカで世間知らず。文化的な違いかもしれませんが、ドタバタ劇を我慢して見ることになるでしょう。
満足度 5.0
めっちゃ好きだったのに見れなくなった!トラウマになるレベルでショックなんですけど。
満足度 5.0
私はシャーロックを読むときも見るときも少し警戒心が強いけどミス・シャーロックには驚いた。このシャーロックはロナルド・ハワードのシャーロックを思い出す。彼女は変わり者で知的。そして空気が読めない(笑)。和都は可愛くて繊細だけどシャーロックに合ってる。2人の相性は抜群だ。それはさておき、私はシャーロックが人物よりも事件の詳細に焦点を当てていることとストーリーを楽しんでいる。カメラアングルやカラーリングの使い方が非常に素晴らしい。ただ字幕で言葉の微妙なニュアンスが失われてるように思う。それが残念だ。
満足度 5.0
おもしろかった!シーズン2期待してます!シーズン2がなかったら寂しい…
満足度 3.0
ミス・シャーロックは、誰もが知っている物語に興味深く取り組んでいます。このシリーズはテンポよく進み、主人公と一緒に謎を解き明かしていくのが楽しいし、すべてがうまく撮られている。完璧な番組ではないかもしれませんが、BBCシャーロックや小説のファンであれば誰でも夢中になるはずです。劇中には、エピソード全体にダイナミズムを与えるユニークなカメラテクニックがいくつかあります。
満足度 2.0
凝り過ぎ、メロドラマチックな演出、あからさまな解説、もう無理だ。演技もひどすぎる。主役の人は信じられないほど大げさで中身がない。無作法、奇妙な笑み、颯爽と歩き回る、大げさな動き、シャーロック本来の特徴ではない。がっかりだ。稚拙で赤ん坊のようで間抜けで嫌悪感すら生じる。文化的な解釈の違いかもしれないが、メロドラマ的な愚かさと重みのなさでシャーロックブランドを汚している。まだ何も起こってないのにシャーロックのおなじみの曲が流れる。1984年の『シャーロック・ホームズの冒険』でさえ、コナン・ドイルの物語や登場人物の評価をはるかに高めているというのに。シャーロックはほとんど情報がない状態なのに現れる。裏付けのない憶測ばかり論理的な推論がとても少ない。第1話、第2話ともに序盤から犯人を予想できる。弱いんだよ。このシリーズに対するネット上のポジティブな意見はいずれ枯渇するはずだ。
満足度 4.0
脚本がいいからもっと良くできるはず。シーズン2ではもっとストーリーに焦点を当ててほしい。シャーロックと和都の相性がすごくよかった。
満足度 5.0
現代にシャーロックホームズが生きていたら…とても興味深く、創造的な試み。キャストの皆さんは本当にユニークな方法で登場人物に命を吹き込んでいて、何度も見返したくなるような作品です。シャーロックとワトソンの友情と絆は、見ていて非常に楽しいし、時に感動を与えてくれます。唯一の不満はもっとエピソードが欲しかったこと。新シーズンが楽しみです。週末の観賞には間違いなくおすすめ!
満足度 5.0
シャーロックと和都を愛している!シーズン2を期待しています。
満足度 3.0
ドクター・ストレンジのベネディクト・カンバーバッチと最近のシャーロックシリーズを見たことがある人なら、これはかなり親近感が湧くと思う。「良い」けど「最高」ではないかな。現代のシャーロックに期待するような複雑なプロットはありますが、残念ながら完ぺきではなく抜けがあります(私は楽しみが損なわれないようにプロットの穴を無視する傾向があるので)。他におもしろいシャーロックがないから今のところはこれで満足。
『ミス・シャーロック』の番組情報
『ミス・シャーロック』のスタッフ情報
- 【脚本】
- 丸茂周、小谷暢亮、政池洋佑、及川真実、森淳一
- 【監督】
- 森淳一、瀧悠輔、松尾崇
- 【エグゼクティブプロデューサー】
- 長澤一史、毛利忍、Jonathan Spink、Beibei Fan、石田和義
- 【プロデューサー】
- 戸石紀子、村上公一
- 【制作】
- ROBOT
- 【製作著作】
- HJ HOLDINGS, INC、HBO PACIFIC PARTNERS, V.O.F
- 【公式サイト】
- https://www.hulu.jp/static/miss-sherlock/
『ミス・シャーロック』のキャスト一覧
- シャーロック:竹内結子
- イギリス生まれの日本人で帰国子女。その卓越した観察力と推理能力から、捜査コンサルタントとして奇怪な事件に関わる。チョコレートホリック。コーヒー派。子供が嫌い。
- 橘和都:貫地谷しほり
- 正義感溢れる優秀な外科医。医師である両親の反対を押し切ってボランティア医師団で海外赴任したものの、自身の無力さを痛感し帰国。事件を通して知り合ったシャーロックと奇妙な共同生活を始める。
- 礼紋元太郎:滝藤賢一
- 警視庁刑事部捜査一課の才能ある警部。敏腕だが狡猾な部分も持ち合わせ、出世のためにシャーロックの才能を利用する合理的な考えの持ち主。
- 柴田達也:中村倫也
- 礼紋の部下、巡査部長。真面目が取り柄で保守的。現場にしゃしゃり出てくるシャーロックが気に食わない。しかし、礼紋の右腕として日夜仕事に励み、シャーロックの捜査を裏で支える。
- 守谷透:大谷亮平
- 戦場カメラマン。和都と同じような境遇を体験し帰国するが、PTSDに苦しむ。同じクリニックに通ってカウンセリングを受けている和都と出会う。
- 双葉健人:小澤征悦
- 内閣情報調査室の内閣情報分析官。 妹のシャーロックに「私より天才」と言わしめる、ただひとりの人物。政界、財界に顔が利くが、友人はいない。
- 入川真理子:斉藤由貴
- 紛争地でPTSDを負った和都が通う入川クリニックの院長で心理カウンセラー。その優しい笑顔と言葉に和都は少しずつ癒され、心から信頼を寄せている。
- 波多野君枝:伊藤蘭
- シャーロックが住む屋敷の家主で未亡人。亡夫は商社マン。過去にシャーロックの両親に危機を救われたことがあり、その恩返しでシャーロックを支えるようになる。
『ミス・シャーロック』のゲスト出演者
- 第1話
- 水野隆之:二階堂智
- 和都の恩師。腹部で小型の液体爆弾が爆発して死亡。
- 水野亜紀子:水川あさみ
- 水野の妻。
- 栗本隆一:伊崎右典
- 元薬物依存者で2番目の被害者。
- 桐崎空也:栁俊太郎
- クラブのDJで薬物の売人。
- 牧島洋平:奥野瑛太
- 6歳少女殺人事件の犯人。
- 愛莉:小畑乃々
- 6歳少女殺人事件の被害者。
- 第2話
- 舞原鞠子:左時枝
- 『幸子像』の所有者。美術館に貸し出ししていたが何者かによって落書きされてしまう。
- 木島優作:山根和馬
- 幸子像に落書きをした犯人。
- 柳沢慶介:名倉右喬
- 画廊のオーナー。舞原に幸子像を売って欲しいと頼む。ビルから転落死してしまう。
- 桑畑道彦:児島一哉
- 絵画修復士。
- 貴倉博次:木下ほうか
- 貴倉リゾート開発社長。ある理由から柳沢に幸子像の売却を依頼する。
- 第3話
- 灰谷玲子:安藤聖
- 大手製薬会社モーソン製薬にヘッドハンティングされている。
- 椎名亜里沙:紺野まひる
- ヘッドハンター。灰谷を大手製薬会社モーソン製薬にヘッドハンティングしている。両親の離婚で父親に引き取られ、ひどい虐待を受けていた。
- 椎名由麻:木南晴夏
- 亜里沙の妹。両親の離婚で母親に引き取られ、貧しいながらも幸せに暮らしていた。
- 綿貫弘:菊池均也
- モーソン製薬の研究室主任。精神薬医学で名のある人物だが、何者かに高圧電流を頭に流され、廃人状態で発見された。
- 米山俊夫:田中圭
- 和都が勤務する図書館で働いている。
- 第4話
- 若杉涼太:高橋努
- 和都の幼馴染。
- 若杉大輝:伊藤俊太
- 涼太の息子。
- 若杉さくら:安達祐実
- 涼太の再婚相手。
- 若杉静枝:朝加真由美
- 涼太の義理の母。
- 湊アンナ:MEGUMI
- 元タレント。
- 結城カイト:川岡大次郎
- さくらの同級生、仮谷みすずの元婚約者。
- 第5話
- 真島理紗:泉里香
- モデル。披露宴直前の式場から忽然と姿を消す。
- 冴木数馬:渕上泰史
- ジュエリーデザイナー。理沙の結婚相手。
- 横川真子:荻野友里
- 理紗と冴木の結婚式を担当するウェディングプランナー。
- 神崎奈々美:近野成美
- 冴木の行きつけの店に勤めていた女性で、彼のストーカー。
- 香田夏雄:毎熊克哉
- 2年前の殺人事件の被疑者で、山で遭難して死亡したと思われていたが、理沙と冴木の結婚式に姿を見せる。
- 西野未来:梅舟惟永
- 2年前の殺人事件の被害者の女性。
- 第6話
- 鷹山幸一:小木茂光
- 元警察庁長官で現在は国会議員。息子の不祥事を揉み消してきた。
- 鷹山優一:山田裕貴
- 幸一の息子。素行不良だが、父親の力で揉み消してきた。優一宛に冷凍保存された人間の耳が届く。
- 鷹山静香:野村真美
- 幸一の妻。雄一を甘やかして育ててきた。
- 高井義之:飯田基祐
- 5年前死亡した23歳ネイリストの父親。交通事故被害者遺族の会ひなたの活動を熱心に行っている。
満足度 3.0