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【ナイト・ドクター】10話の感想とネタバレ/理想と現実のギャップ

ナイト・ドクター 第10話

ナイト・ドクター第10話 感想 ※ネタバレ注意

「どんな患者も受け入れる。そのために私たちはここにいる。‥‥でも実際は受け入れられない命もある。受け入れたところで救えない命もある。理想は所詮、夢物語なのだろうか。」

語られた美月の理想と現実のギャップ。だけどそのギャップを埋めるべくナイトドクター制度は必要なんじゃないだろうかと改めて考えさせられた回でした。最終回を目の前に5人の絆をますます感じ、まだまだ見守りたいという気持ちが湧き出てしまいます。

今回初めて受け入れ要請を断ることになった美月。しかし、そこには搬送するまでに間に合わないという明確な理由がありました。救急隊員の星崎に対し「なんとしても処置してもらってください!急いで!」と口早に電話を切り、美月の助けたいという思いが溢れていましたが、断ってしまったことに心痛めます。

続けて、別の患者の受け入れ要請が入り、15分以内に運べるならと本郷から受け入れ許可が。しかし、3分遅れで到着し、珍しく本郷が声を荒げました。それほどまでに一分一秒を争う状態だったんだろうなと想像ができ、緊迫感を感じるシーンでした。助かる見込みはほんの僅かであったろう重症患者であったものの、運び込まれた患者ですらも救えなかった時、美月の悔しさが滲み出ていました。涙が止まらない美月を幸保が受け止め、当初では考えられない2人の姿に胸が熱くなりました。

”断らない医療”を基本理念に掲げたナイトドクター制度。しかし、実際のところ、受け入れが難しいケースはたくさんあるはず。受け入れても救えなかった命も残念だけどあるのが現実。そんな現実を打破したいという5人の思いが今回のストーリーを輝かせていたように思います。

桜庭の母である会長は、ナイトドクター制度の今後ついて理事会で決定した方針を本郷に伝えます。表情からしていいことでは無さそうな様子‥。ナイトドクター制度により、夜間の患者の受け入れ数は2倍に増え、当直を無くしたことで昼間の医師の採用希望も増え‥メリットはあるものの、救急センター単独では赤字が続いているという現状。人件費もかかり、問題を抱えている患者が多く医療費の回収ができないことも指摘し、まだまだナイトドクター自体の抱える問題は多そうでした。

次の日、美月は予定通りお休み。院内は台風の影響で停電になってしまいます。止まることなど許されない命をつなぐ大切な機械の数々。ドラマの中とはいえ、院内での停電の様子をこんなにもリアルに描かれているものに触れたことがなく、院内停電の大変さをつくづく感じました。緊迫感漂う中でしたが、時折クスッとさせてくれるシーンが少しだけ和ませてもくれました。節電隊長の深澤に、3キロ痩せたという看護師役の野呂さんも最高でしたね。正義の味方ナイトレンジャーを得意気に書いた桜庭がダサいと言われ、うなづくしかないシーンも笑えちゃいました。演技上手だなぁと思ったシーンです。

既にICUもHCUも満床。そこへかかってきたのは自家発電をしていない他病院からの受け入れ要請。病院によってもこういった設備の違いがあるんだなと痛感させられ、人手が足りない、断ってくれとという会話もリアルに聞こえました。本郷が深澤たちに返事を決めさせた時、「受け入れたい」と深澤。本郷は、自分たちで判断し、覚悟する力をつけさせたかったのかもしれません。現れた美月の「こういう夜のためにナイトドクターはいる」という美月らしい一言にもどこか安心させられました。

病床はいっぱい。ロビーにまで患者が溢れる中、確実な医療を提供するナイトドクターたち。そこでは、一人で抱え込まないでと星崎に声をかけた美月の優しさも見れました。星崎のサイドストーリーのようなものがあれば見てみたいなと思える人柄で、助けたいという思いが強い2人は似ているなと思いました。だからこそ美月を頼りたくなった気持ちもわかるような気がします。

しかし、さすがにちょっと受け入れすぎでは!?と心配になってしまうほどの収容人数でしたね。昼間の医師、嘉島たちが驚くのも無理はないです。昼間の医師との交代時、美月たちはこのまま残ると申し出ます。すると「昼間の医者を舐めるなよ、十分対応できる」と一瞬また憎まれ口を叩かれるのかと思いましたが、「今日もここには変わらず患者がやって来る。さっさと帰って休んでくれるかな」の言葉は間違いなく労う意味であったと思います。嘉島を初めて昼間の医者が嫌なやつだとしか思えなかったけど、ようやくナイトドクターのこと認めてくれたんじゃないかと見ている側なのに鼻が高くなりました(笑)

ドアを出た美月たちに降り注ぐ朝日。朝を見せてあげたいと話していた美月の願いが少しずつ実現しているようにも思えます。「受け入れたところで救えない命はある。でもその悔しさの分だけまた救える命がある。どんな患者も受け入れる。その小さな日々の積み重ねで日本の救急医療の未来は変わっていく。私たちはその未来に近づけたと5人の誰もが思っていた。」そう美月が語るように、すごくいいチームになったなと改めて思えた今回。

しかしラストにはナイトドクターチームの解散が告げられ、別れの時が5人に迫ってしまいます。次回はついに最終回。どんな結末が5人のナイトドクターを待ち受けているのか、深澤の恋はどうなってしまうのか?桜庭のドナーの件には触れられるのかも気になるところ。楽しみに待ちたいと思います。

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