【ナイト・ドクター】2話の感想とネタバレ/何が普通なのかを改めて考えさせられる

ナイト・ドクター第2話 感想 ※ネタバレ注意

夜間の救急外来のコンビニ受診の問題に焦点が当てられた今回。“普通”とは何なのかと問いかける美月同様に、何が普通なのかを改めて考えさせられる回になりました。

夜間に働くことが仕事のナイトドクター。普通の人と生活リズムが違うこの仕事をすることで降りかかる代償について1話でも語られていましたが、恋人の浮気という現実に美月は直面することになりました。

「普通の幸せって何?私たちってそんなに普通じゃないのかな。」と疑問を抱き、さらに四六時中患者のことを考える美月に対して、普通のカップルみたいにデートがしたかったんだと言う彼氏。きっと美月に対し、いつも理解に理解を重ねてきたのだとは思いますが、浮気をしてしまうのが求めた普通の結果なのかという疑問がどうしても浮かんでしまいます。

そして、今回のテーマ、近年問題視されているコンビニ受診。夜間や休日に緊急性がない軽症者が救急外来を受診することを指すのですが、その9割は軽症者だと聞き、驚きでした。

溢れかえるウォークインでは「どんな患者も受け入れる。」と信念を持つ美月が、彼らは本当に患者なのだろうかと思うほど、夜間に訪れる患者たちは、救急車をタクシー代わりに利用したりと、モラルのかけらもないような例が少なくありません。命を救いたいと考える美月が腹を立てるように、医師不足の中、軽症者に手を取られ、本当に治療が必要な患者がおざなりになってしまったら元も子もないですよね。

軽症者だらけのウォークインに嫌気がさす美月と幸保に対し、俺はウォークインが合っていると話す深澤。確かに、深澤が診察する姿は元内科医だったことを感じさせるスマートさがありました。前回医療行為らしいこと、何一つやってなかったので、ちょっと安心したくらいです(笑)

そんな深澤に「チキンなだけでしょ。失敗することを恐れて難しい処置をしない。」と揶揄する美月。美月って自分にも他人にもとことん厳しいなと感じる場面でした(笑)美月のウォークイン=軽症者の認識がこんなところからも形成されていたのかもしれません。しかし、今回は一見軽症に見えそうな幼い男の子の診察が、そんな美月たちの考えを改めさせる結果となりました。

普通とは何なのかと自問自答する美月に、「何が普通かは、俺たちが決める。」「医学を学んだ医師でさえ見落とす危険性のある病気だった場合、何の知識もない素人が重傷だと気づけるはずがない。本当に大丈夫かどうかはきちんと診断してみないとわからない。」と話した本郷の言葉が美月たちに気づきを与えたのかもしれません。

また、今回は美月の父親が登場しました。捻挫で遠方からわざわざ診察に来た父を冷たくあしらう美月。夜間勤務なんて辞めて、普通に幸せになってほしいと話したり、夜間に働く医師を目指したのは自分のせいだ、あの子の未来を変えてしまったような気がすると嘆いたり‥。

美月の父の心配な思いも親となった今なら分かる気がします。子供にとっては余計なお世話なのかもしれないですが、親だからこそ心配しないわけがありませんよね。‥心配のあまり、深澤の家にお世話になり食事まで作らせてしまうのは確かに図々しかったですけどね(笑)そんな父に「きっかけはお母さんの悲しい出来事だったかもしれない。けど、自分がやりたくてナイトドクターを続けているように思う」と話した深澤の言葉は温かく、美月の父の心を救ったように思います。

また、前回に引き続き、美月と深澤が話すシーンは印象的でした。「昼間忙しい人たちが気軽に夜の病院に来られるようになる、むしろそれが普通になる時が来るといい。いや、きっとくる。」昼間なら躊躇わず病院に行けるような症状でも、夜になると軽い症状で連れて行けば非常識な親だと思われるかもしれないと気を使ってしまう。だけど医学の知識がない素人かつ子を心配する親だからこそ、医師に診断を仰いでもらいたい。美月が見つけ出した「たとえどんな患者でも受け入れる、それが私が目指す普通だ。」という思いが本当に“普通”になった時、そんな葛藤を解決してくれるかもしれません。

また、サッカーをする少年たちを眺める成瀬には、責められた過去があったことを連想させ、その出来事が成瀬をこんな風にクールな現実主義者にしてしまったんだろうと予感づけました。

そして、1話に続き胸元を押さえ苦しむ桜庭。脳出血により亡くなった美月の母を気にする素振りもあり、もしかすると心臓移植をし、そしてそれは美月の母から提供されたのかもしれないと感じさせました。「どんなに願っても変えられないことがある。どんなに願っても普通に生きられない人だっている。世の中は不公平で満ちている。」と桜庭が語る言葉からは、病で苦しみ、普通に生きることが難しい人たちにとっては、なかなか実現できない“普通”がそこにあることにも気付かされました。

そして、ラストシーンは舌を自ら噛み切ったと話す怪しすぎる男性に襲われかける美月。2度も受診した割にあまり描かれなかったなと思った矢先の出来事でした。突然のことに動けないでいる深澤に対し、駆け寄ろうとする桜庭。この後どんな展開が待っているのか楽しみです。

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