ナイト・ドクター第8話 感想 ※ネタバレ注意
脳外科への夢と、ナイトドクターとしての仕事の天秤が成瀬の心を揺れ動かす中、夢は1つである必要がないことや、目指すべきナイトドクターとしての理想の姿も見られ、嬉しさを噛み締める回となりました。
脳外科へ異動したい気持ちと、拾ってくれた本郷たちへの恩、育てたいと思える後輩の存在に葛藤する成瀬。仲間はもちろん成瀬のような優秀な人材には同じナイトドクターとして、共に働いてもらえたらという気持ちは捨てきれません。
美月から成瀬のことを聞かされた幸保は、まともな医師が2人だけになる、人手不足でナイトドクター制度、無しにして夜間診療やめようって言いかねないと明らかに不安を口に。まともな医師が2人だって言われたのに、深澤はダブルデートの件で、気が気ではない様子(笑)空気も読まず「朝倉って牛?豚?」の発言は笑うしかなかったですね。
その日の勤務、成瀬の机を磨きコーヒーを用意させる幸保はなんだか可愛かったです(笑)そして運び込まれた、くも膜下出血の患者のオペに挑む成瀬。難しい処置に技術が及ばず、オペは中断。「何のために運ばれてきたのか、それまでに何かあったら‥」と家族に責められたうえに、さらにその処置を翌朝後輩がすんなり引き継ぎ、成瀬は力不足に目の当たりに‥。
このことでスキルを磨くために脳外科に行くって言いかねないと心配する幸保に、救急医は他の科の先生から何でも屋と呼ばれ、幅広く初期治療を行える代わりに、専門性は皆無、一生中途半端に終わると思われている。脳外科に惹かれる成瀬の気持ちもわからなくないと桜庭は話しました。
医療現場を知らない私からすれば、救急医って何でもできて、人の命を救えて凄いという印象ですが、裏を返せば初期治療のみということなんですね‥。専門性がないと言われればそうなのかもしれないけれど、そこで優劣をつけられるものではないのではないでしょうか。成瀬たちからすれば、それがコンプレックスのような存在であることに少し驚かされました。前回、夜間に勤務する医師への偏見がメインテーマに掲げられていましたが、その偏見はこういったところからも生まれたのかもしれないですね。
一方、深澤は妹の心美のセッティングした美月とのダブルデートに。ことごとく作戦失敗な深澤は可愛らしくもあり、なんだか同情してしまいました(笑)
心美の病気を治せる医師になることが目標でありながらも、ナイトドクターとしての仕事にやりがいを感じ始め、いつか日本の救急医医療の未来を変えたいとも思っている深澤は、答えの出せない成瀬の気持ちが理解できると話します。深澤もまた、ナイトドクターとして一人前になることと、妹の病気を治せる医師という目標に揺れている姿があり、誰もが美月のように一つの目標にだけ向かい突き進んでいるわけでないことを感じさせるシーンでした。
ところ変わって、ダブルデートを終え、出勤した美月たち。成瀬に自分の気持ちに正直に決めてもらうためには私たちが重荷になっているようじゃダメだと思うと美月は語りました。ナイトドクター制度の必要性を誰よりも感じている美月が成瀬の決断を尊重したいと思えたことに成長を感じました。
そしてその日、昼間からの引き継ぎは脳卒中の急患で、またも成瀬はオペに挑みます。しかしら腫瘍からの出血が酷過ぎて、またも開頭したのにオペを中断することに‥。やはり救急医には専門性がないということなのかと落胆の色が見えました。だから、成瀬がこの時あえて小脳だけを部分摘出して脳圧を下げ、すぐに処置できるようにしていただなんて気がつきもしませんでした。
執刀し、開頭したものの成瀬の今の技術では及ばないことがわかった時、きっと絶望感も少なからずあったはずなのに、翌朝へ命を繋ぐために何ができるのかと処置が行えた成瀬は、人の命を救える最高の救急医ですね。
そして、「優秀な医者が夜にいてくださって本当によかった。」と同じ立場の医師に認められたことが成瀬のナイトドクターとしての道を突き進める大きなきっかけになったと思います。
「後輩より技術が劣ることを知った時悔しかった、でも患者がまた朝を迎える、それを叶えられる技術を持った医者は俺たちだけだ。」成瀬が話したこの“俺たち”というフレーズが5人のチームとしての絆を垣間見れ嬉しく思いました。
ナイトドクターのシフトを調節し、脳外科に研修に行けるように交渉した成瀬の夢を諦めない姿には、向上心しか感じませんし、「いろんな場所でいろんな専門性を高めて、ここに持ち帰ってくれば本郷先生の言うような一流の医者に近づけるかも」という言葉からは、近い未来に5人のそんな姿が見えるのではないかという期待も持てました。
偶然が重なり出会った5人が、同じ場所で、日本の救急医療の未来を変えたいという同じ方向を見つめる奇跡の光が見え始めたというのに、まだまだ波乱は続きそうですね。
ラストシーン、心美の容体が悪化し最悪な事態を予想させながら、「この夜を境に思い知ることになる。この5人の出会いは単なる偶然なんかではなかったということを。」という美月のナレーションが、ついにストーリーの核心部分に迫るのではないかという緊張感のあるものでした。
「お兄ちゃんが今後、弱音吐いたり、辞めようとしたら喝を入れてやってほしい。やっと見つけたら好きな仕事をお兄ちゃんには大事にして欲しい」と美月に語った心美の想いが、どうか深澤に届きますように、そしてその側には心美が居てくれますようにと願うしか出来ません。
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