大豆田とわ子と三人の元夫第8話 感想 ※ネタバレ注意
恋の始まりってこういうことだよねと思う始まりでした。
なんだか早く起きれたり、美容室に行ったり、手の込んだ料理を作りたくなったり、周りの人にハンカチ持ってる人っていいよねって言いたくなったり。
ーいつも通る道があるんですけど、この間そこで水遊びをしている子どもたちがいて。
ーああ、私、この一年何かを眺めながら歩いたことなかったなって気づきました。それは小鳥遊さんのおかげです。
小鳥遊から、人は人生を楽しんでいいに決まっている、という言葉をもらい、とわ子の毎日に色がついたようでした。人生を楽しむということの比喩が、公園で水遊びをしている子どもたちを見ること、というのがとても素敵だなと思いました。
今話は、”かごめを失った後”のとわ子という軸で、二人の男性が対照的に描かれていました。一人は、小鳥遊、もう一人は八作です。
田中八作とのやりとりが切なかった。
夜、ちょっと会えないかなと電話をかけてきた八作に、とわ子は言います。
あれじゃないかな、無理じゃないかな。
結局二人して、同じこと考えることになるよ。
とわ子はわかっているんです。
失くしたものが同じ二人が一緒にいても、失くした部分を見つめることしかできないから。失くしたものを、やっぱり失くしたんだなと再確認することしかできないから。
しかし、逃げ続けることはできないと思います。とわ子と八作が、かごめの死をどう乗り越えるのか、来週に期待です。
前回、プライベートとビジネス上での立ち振る舞いがあまりに違いすぎてサイコパスに見えた小鳥遊ですが、今話では小鳥遊の人となりも描かれました。
昔、気を許しかけた同僚に、うっかり「なりたかった俺はこんなんじゃなかったんだよ」と言ってしまった小鳥遊に、同僚には「贅沢言ってんじゃねえよ、いいよなお前は」と言いました。
数学者を夢見た少年時代、家族の介護に費やした15年間、そこからの劇的な出世、その人生は周りの人たちには容易くは理解できない人生だと思います。
だから、好きだった数学を学びたいと言うことすら、贅沢だと言われてしまう。
好きなものを好きと言うのはやめよう、なりたいものになりたいと言うことは、贅沢だ。自分はその資格がない。
もう他人にわかってもらおうと思わなくなった小鳥遊の性格形成が見えました。
二人は似ているところがあると思いました。
頭が良くて一人でだいたいのことはできて、器用で、他人のことは客観的に見ることができとても良いことを言って救ってあげることができるのに、自分は誰かの言葉にがんじがらめになっている。
一杯のカレーだったり、同僚の言葉だったり、親友との約束に縛られている。
社長をやめない理由を、かごめと社長を続けると約束したからだと言ったとわ子に、小鳥遊は「人から預かった荷物を背負い続ける気ですか?」と言いました。その言葉は、そのまま小鳥遊にも向けられる言葉ではないでしょうか。
唄の言葉が印象的でした。
「もうさ、頑張らなくてよくない?前はさ、方眼紙見るだけでニヤニヤドキドキしてたじゃん、あの頃の方がよくない?」
二人は十分頑張った、だから人生を楽しんで幸せになっていいのだと思います。
寂しいと言っていい。そんな二人が惹かれ合うのはとても自然で素敵なことだと思いました。
ついに、”外れた網戸をつけてくれる人”が現れました。とわ子は、人生最期の恋をするのでしょうか。”何個目かのボタン”は押されるのでしょうか。
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