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【ピノキオ】感想とレビュー(ネタバレなし)脚本の質が高い骨太の社会派ドラマ

『ピノキオ』を視聴した感想とレビューです。なるべくネタバレなしで書いてるので、まだ見てない人も安心してご覧くださいねウインク

記者として報道のあり方を追求する、ラブロマンスでありながら強いメッセージ性を持つ社会派ドラマでした。

嘘をつくとしゃっくりが出るピノキオ症候群という架空の疾患からファンタジーに思えるけど、あらゆるシーンでピノキオの設定を活かしてくる韓国ドラマって本当に凄いなぁと感心します。

そんな『ピノキオ』の舞台はテレビ局の報道です。

見たいニュースと見るべきニュースはどちらが優先されるべきか、悪意をもって脚色された報道をするメディア、疑いもせず受け入れて騒ぎ立てる視聴者など、報道について疑問を投げかけるメッセージ性の強い作品です。

「言葉で人を殺せる」

ネット社会では記者だけじゃなく全ての人に当てはまりますね。

報道のダークな面に切り込んでいて勉強になるし、これを当事者のテレビ局が作っているというのが凄い。

しお
私の評価:

一度は見るべき傑作です

それではネタバレなしでレビューしていきますね♪

『ピノキオ』ってどんなストーリー?

過去の報道被害によって文字通り家族が壊されてしまったハミョン(イ・ジョンソク)が記者となり、報道被害を起こした中心人物であるソン・チャオク記者に復讐する話。

  • 見たいニュースと見るべきニュースはどちらが優先されるべきか
  • 報道のあり方
  • 不都合なことでも正しい報道ができるのか
  • 私怨よりも視聴者が知りたいことを優先できるのか

など記者としての矜持と成長が描かれてます。

そこに嘘をつくとしゃっくりが出る架空のピノキオ症候群という設定を取り入れ、違和感なく、かつ報道でも恋愛でもピノキオの設定が絶妙に活かされる脚本も見事です。

しお
毎回自然にしゃっくりするパク・シネ上手すぎる

報道現場のお仕事ドラマとしてもおもしろいですよ。スクープをとるための舞台裏だったり、ニュースを作るための苦労やめげずにがんばる仲間たち。

単純な復讐じゃなくて、葛藤しながら正しい報道のあり方に記者として対応していく姿に胸が熱くなります。

記者の思い込みの危うさ、権力者による偏向報道の指示、マスコミが作り上げる世論、上の指示で記者の本懐が曲げられてしまう悔しさ、など本当にあり得る世界なんだろうなと納得感がありました。

なぜ報道が必要なのか、裏が取れるまではデマだ、とか2人のキャップの言葉が響いてとても考えさせられた。

相変わらず日本版のポスターがひどい。

「この想いだけは、嘘じゃない」

しお
大事なのはソコじゃないから

ラブラインの設定が良かった

キ・ハミョン…本名

チェ・ダルポ…報道被害後、養子になってからの名前

しお
同一人物なのに名前が2つあるので注意してくださいね

ダルポとイナのラブラインの設定は素敵でしたラブラブ

ダルポはイナの祖父に助けられて養子になったので、イナとは同い年だけど叔父と姪の関係で義理の家族。しかもイナは憎きソン・チャオク記者の娘なんですよ。

それでも一緒に過ごすうちに好きになっちゃう。

祖父に大きな恩を感じているダルポは、祖父が大事にしている家族の関係を絶対に壊せないし、戸籍上も叔父だから結婚もできない。

だから自分の気持ちさえ我慢して押し殺せば問題ない、というスタンスのダルポ。

しかも兄の件もあって、自分だけ幸せになっていいはずがないと心を閉ざしていっちゃうんですよね。

一方のイナ、こっちもダルポに恋心を抱くものの、叔父が相手なんてあり得ない!と心に蓋をするけれど、ピノキオだからウソが付けない。恋心を否定するほどしゃっくりが止まらなくなっちゃうんです。

そんなピノキオのせいでイナの想いを知るけれど、ダルポはイナの想いを受け入れることができない…

イナは、何があってもダルポへの想いを諦めないピュアで一途なところ、ピノキオの設定、本当に素敵で最高のヒロインでした。

素直で正義感も強い、優しくて一途、母親を憎みきれない、仕事に一生懸命、ちょっとズボラでガサツなところ、完璧です爆笑

しお
パーカーを反対に着てフードにお菓子をいれてるところが好き笑笑

イ・ジョンソクは大好きなんだけど、今回のダルポはイマイチだったな〜 もちろんイケメンなんだけども…

ピュアなイナに対して、ダルポは復讐が最優先でイナを傷つけることが何度もあるし、ウソを付けないイナに「嘘をつけ」と迫るシーンもあります。

生い立ちを考えると仕方ないし、ダルポが記者として成長するために必要なんだけど、どうしてもイナが不憫に思えちゃって…

真っ直ぐなイナとの対比で、強い信念を持ってるのに間違えたり、反省して持ち直して理想の記者へ成長していくんですが、そもそも報道被害に苦しめられた人間が初志貫徹できずに誤報。なぜなのか…

「ピノキオも記者も自覚しなきゃ。自分の言葉は絶対だ、自分の言葉は恐ろしいと慎重になるべきです」

「自分を過信することがどれだけ危険か、言葉の重さを知らないことがどれだけ怖いか」

そう言って強くイナを批判したのに自分が過信して誤報って…それはイカンでしょ。

ただ、理想の記者を追及した集大成として、最後のラスボスへの質問に胸を打たれました。

余談だけど、高校生時代にクイズ番組に出演するVで最高に笑いました笑い泣き

恋愛よりも本題がおもしろい

このドラマの本題は復讐と記者としての成長です。

私は記者にあまり良い印象を持ってないから、ハミョンの幼少期のマスコミは見てて気分が悪くなるくらいイライラしました。

主人公たちが配属される"マワリ”っていう警察に張り付く人たち、警察からしてみれば本当にウザいだろうな笑笑

ただ、報道の裏側を知ることで、真実を伝えることがこれほどまでに難しいことだなんて、思いもしませんでした。

流れるまま踊らされるんじゃなくて、自分で見極めることが大切なんですよね。

後半はスピード感があがり、物語にも惹きつけられてイッキに見てしまう中毒性がありました。

ウソを付けば一時は楽になれる。でもその幸せは続かない。しっかりと胸に刻みました。

事実と向き合うことは辛いときもある。だけど本当の幸せ、愛を掴み取るには事実と向き合っていかなきゃいけないってことだよね。

でも嘘をつき続けたからこそ、チェ・ダルポとしての温かい家族があって、一緒に過ごした13年は決して一時的じゃないし嘘じゃない。うーん…

兄弟愛・家族愛が心に沁みる

キ・ハミョンとキ・ジェミョン

まずはハミョンとジェミョンの実兄弟。

お互いを思いやる温かさもあれば、苦しい決断をしなければならない辛さもありました。

この2人の分岐点はどこだったんでしょうね。

ハミョンは「オレがヒョンを探していれば…」と責任を感じてますが、まさにその部分だったのかな。

ダルポ時代、ソン記者への恨みは忘れたことがないと思うけど、お義父さん(イナの祖父)の愛を一心に受けて幸せに育ったハミョン。

片や父も母もハミョンも報道に殺された絶望の中、1人で復讐だけを考えて育ったジェミョン。

もう少し早く2人が出会っていれば違う未来だったのかもしれない。本当はあんなに心優しくて素敵なお兄さんだからこそ。

ダルポとダルピョン

もう1人の兄弟、ダルポとダルピョン(イナの父)の関係も良かった。

ダルピョンからしてみれば最初は複雑だったでしょうね。

父(イナの祖父)は軽い認知症を患っていて、素性の知れないハミョンを30年前に亡くなった長男・ダルポだと思い込んでる。

それが間違っていると気づくと、受け入れられなくて倒れてしまうから、娘と同い年のハミョンを兄・ダルポとして振る舞っていかなければならないし、ダルポとイナは何やら怪しい雰囲気だし。

13年という月日は素性の知れない少年がどういう人間か知るのに、信頼に足る男だと理解するのに、十分な時間でした。

父(イナの祖父)に心から敬愛の念を抱いているし、イナとも実の兄弟のように過ごしてきた。

だからダルポのイナへの想いを知ったときは驚いて口では色々言ったものの、そのときからすでに本心では、イナの相手はダルポしかいないと思っていたんでしょうね。

後半はダルポへの愛情ダダ漏れで可愛かったです爆笑

義父とダルポ

この家族ラインが1番素敵でした。

ダルポ大好きなのが終始伝わってきます。ダルピョンが不憫に思えてくるほど。

でもそれは「長男だから」という理由じゃなく、ダルポとアボジの13年の関係でそうなったんだな、というのも伝わってきます。

だから最終回のダルポの答えも理解できる。ハミョンがジェミョンにならなかったのはアボジがいたから。

記者の試験を受ける前のアボジが素敵でした。前後のイ・ジョンソクのギャップに完全にやられますラブ

ボサボサ頭のイ・ジョンソクにも理由があって、そのつながりでアボジの本心を知ることができる重要なシーンです。

サブキャラが立ってる

各キャラがそれぞれアナザーストーリー作れそうなほどキャラクターが立ってます。

その筆頭はボムジョでしょう。財閥のボンボンとして何不自由なく生きている中でイナに興味を持ち、一緒にMSCで記者として働くようになる。

記者の仕事を通して自分が置かれた立場に疑問を持つようになり、最後まで信念を貫く姿は感動しました。

ユレも良かった。うるさいウザキャラかと思いきや、最後まで見てると好きになってくる不思議な魅力があります。

しお
でもやっぱりウザい笑笑

まとめ

社会派ドラマとしてもお仕事ドラマとしても恋愛ドラマとしても家族ドラマとしても秀逸で、見ごたえある素晴らしいドラマでした。

特にピノキオのイナを演じたパク・シネが見事です。しゃっくりも自然だし、どこまでも真っ直ぐで(ちょっと下品なところもあるけど)、ダルポだけじゃなく全員を正しい方向に導く最高のヒロインです。

内容は少し重いけど、コミカルなシーンがちょうどよく散りばめられていて見続けるのが苦にならないし、ストーリーが進むにつれて止まらなくなるおもしろさもあります。

各話のタイトルも童話やおとぎ話にかけていて、ストーリーも沿った内容になっていておもしろい。

最近だと『サイコだけど大丈夫』も絵本のタイトルで、ストーリーも絵本に沿っていて、よくできてるなぁと感心しました。

SNSで誰でも好き勝手に発信できる今だからこそ考えさせられる、見ておいたほうがいいドラマです。

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脚本 パク・ヘリョン
漢江ライン
チェ・ダルポ/キ・ハミョン イ・ジョンソク
チェ・ダルポ/キ・ハミョン(少年期) ナム・ダルム
チェ・イナ パク・シネ
チェ・イナ(少女期) ノ・ジョンウィ
ソ・ボムジョ キム・ヨングァン
ユン・ユレ イ・ユビ
YGN報道局
ファン・ギョドン イ・ピルモ
チャン・ヒョンギュ ミン・ソンウク
イ・ヨンタク カン・シニル
チョ・ワング チョ・ドクヒョン
イム・ジェファン チュ・スヒョン
チャ・ウチョル テ・ハンホ
MSC報道局
ソン・チャオク チン・ギョン
キム・コンジュ キム・グァンギュ
イ・イルジュ キム・ヨンフン
ヨン・ドゥヨン イム・ビョンギ
イ・ジュホ ユン・ソヒョン
ダルポ・イナの家族
チェ・コンピル ピョン・ヒボン
チェ・ダルピョン シン・ジョングン
キ・ハミョンの家族
キ・ジェミョン ユン・ギュンサン
キ・ホサン チョン・インギ
キ・ホサン(青年期) シン・ジェハ
no name(母) チャン・ヨンナム
ソ・ボムジョの家族
パク・ロサ キム・ヘスク
漢江警察署の周辺人物
アン・チャンス イ・ジュンスン
ジヒ イム・ドユン
チョン・ギボン パク・スヨン
カン・ソンハク イ・ドンジン

-★★★★☆

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