ラジエーションハウス第11話 感想 ※ネタバレ注意
唯織が医師免許を持っていることが周りに明らかとなった最終話、ラジエーションハウスのメンバーは何を思うのか、唯織はどんな道を選ぶのか。杏との約束は果たされるのか。どんなラストが唯織たちを待ち受けているのでしょうか。
髄液漏れを指摘した矢先、倒れてしまった正一。一刻の猶予も許されぬ中、ブラッドパッチが必要になりますが、院内には対応できる医師がおらず、杏は父を助けるため、自分がやると名乗り出ます。唯織が立ち会う中、処置をする杏ですが、途中手が震え止まってしまい、そこから事態が動き出しました。杏に替わり、ブラッドパッチをやろうとする唯織。止める辻村に「持ってるんです。医師免許。」と唯織は打ち明けるのでした。
杏がやったこともない上に、冷静さが失われるであろう相手が父親という状況で手術に挑めたのは、間違いなく唯織の存在が側にあったからではないでしょうか。もちろん父を助けたいという思いが1番だったとは思いますが、失敗すれば後遺症も‥と言われる処置を、唯織がいれば大丈夫だと思えるほど、杏は唯織を技師としていうよりは医師として、信頼したんだと思います。
6話で医師免許を持つ唯織に、目の前に本当に治療が必要は患者が現れたら何もしないでいられるのかと疑問を投げかけた院長の言葉通り、目の前の患者を助けるために唯織はやはり医師として行動しました。それは命を救う現場にいる者なら当然なこと。結果として正一が救え、本当に良かったです。
その後、唯織が医師免許を持っていることを知ったラジエーションハウスには重い空気がのしかかります。その重い空気を打ち消そうと、小野寺は戯けてみせましたが、そんな声すら届いていないようでした。
辻村や杏は、唯織の医師免許の事実を割とすんなりと受け入れているように見えましたが、それは上の人間だから思えた「上も下も関係ない」だったのかもしれません。下だと位置付けられる技師仲間からすれば、「上は結局、上」なのかもしれないと感じてしまいました。
また、患者を助けられる資格があるのに隠していたなんて理解できないと言う広瀬の言葉は本当にその通りだなと思います。技師の仕事が劣っているわけではないけれど、医師免許があるなら、技師よりももっと患者を救う手立てがあるはず。今回だって、正一を助けるためには結果として医師免許が必要でした。せっかくいいチームワークが生まれていたラジエーションハウスに亀裂が入り、もどかしく感じます。
そんな中、今回の件がマスコミに漏れてしまいました。唯織が医師免許持っていると聞いた鏑木のワンテンポ、いやそれ以上に遅れてやってきた驚き(笑)いくらなんでも遅すぎ(笑)口は固いといいながらすぐに軒下に話しちゃうあたりも鏑木らしかったです(笑)
最終話、聴聞回での院長の言葉が印象的でした。医師免許を持っていようが、技師として雇われている人間が医療行為をしたことを問題視する辻村の父に、れっきとした医者が命を救ったことに何の問題があるのか。そんなルールのために人を見殺しにするような病院ではない。と発言し、本当に爽快感がある一言でした。普段、変わったお茶を次から次へと試し(笑)のほほんとしているように見える院長ですが、要所要所でしっかりしめてくれ、安心感すら感じました。
また、旅立つ唯織に向けて、広瀬の言葉も印象的でした。同期で入り、自分より遥かに経験も知識も豊富な唯織が医者と知ってホッとする気持ちもあったと語りながらも、それは自分への言い訳だったと話す広瀬。そして、「今度会うときはもう少し距離を縮めて置けるように頑張る。」そう伝えました。広瀬の口からはそれ以上、何も語られなかったですが、この距離というのは技師としての知識量からくる距離だけではなく、好意をもつ唯織へのちょっとしたアピールにも見え、目力だけでそれを表現する広瀬アリスさんの演技力に改めて感心させられました。
そして、なぜ医者ではなく技師として働いたのかという小野寺の問いかけに、素直に話し出す唯織。杏への初恋の気持ちからだったと聞いたラジエーションハウスの仲間たちは呆れていましたね(笑)それが唯織らしい理由でもあり、腑に落ちなくもないという‥(笑)
唯織が旅立う決意をしたことを唯一、杏だけが知りませんでした。辻村の後押しもあって2人で追いかけたこのシーン、杏だけが行けばもうすこしドラマチックになったんじゃないのかと思ってしまいました。医師2人も抜け出しちゃって大丈夫なの!?という単純な疑問もありましたし、その後ラジエーションハウスのみんなも院長も鏑木もやってくる演出は少し現実味が無かったように思います‥。ドラマの世界だからいいのかもしれないですが。
「負けませんから!手出しできないくらい優秀な放射線科医になってみせます。だから必ず戻ってきて下さい。約束です。」幼い頃の約束を結局杏は思い出すこともなく、唯織もその全てを杏に語るわけでもなく‥少しモヤモヤ。だけど、杏と新たな約束をしたこと、唯織にとって旅立へ向けての心残りが無くなった瞬間だったのかもしれないです。
そして、唯織が抜けたラジエーションハウスには新しい仲間が。語りの部分を務めていた八嶋智人さんが、フレッシュな新人・田中福男役で最後の最後に出演したのには驚きでしたね。唯織の席に座ろうとする田中に、ここは大切な仲間の席だと、唯織の席を守ろうとする姿にはいつか必ず戻ってくるであろう唯織を心待ちにしているように見えました。杏とは結ばれて終わることがなかった最終話でしたが、続きがあるんだろうなという含みも見られ、特別編への期待が高まりました。
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期待した内容ではなく少しガッカリ