【ラジエーションハウス】第5話の感想・ネタバレ/これまでとは異なり、悲しい結末にやりきれなさが残る

ラジエーションハウス第5話 感想 ※ネタバレ注意

今回は威能が死因を究明するAiのスペシャリストだったことにも触れられ、悲しい過去があることも明らかになりました。また、これまでのストーリー展開と少し変わり、悲しい結末にやりきれなさが残るお話となりました。

ある日、ラジエーションハウスにAiの依頼が入ります。それは公園で野球をしていて倒れたとされる直樹という少年でした。弟とキャッチボールをするために訪れた公園で一体何が起きたのか‥。

一方で、多忙極める放射線科の死亡時画像診断の削減を訴える鏑木に、医療全体の未来にとって必要なことだ、方針を変えるつもりはないと院長は反論しました。優しくておっとりとした雰囲気を持ちながらも、院長は自分の理念を決して曲げないところが魅力だなと思います。

死因に心臓震盪が疑われるものの、はっきりとした死因は特定できない状況。そこでAiが薦められるのですが、遺族である両親が拒否してしまいます。息子の死に直面し、心が追いつかない状況では受け入れ難いことなのかも知れません。しかし、遺族のためにやるべきだと小野寺は話しました。

「後になって出来ることあったんではないかと悔やんでも遅い。そんな思いを抱えながら生きていくことは苦しいことだと思う。」息子がいる小野寺の言葉は他人事ではなく、過去にあった威能の妹の話を知っているからこそ出た言葉なのかも知れません。

そんな中、解剖やAiを拒否する家族の中には虐待が隠されているケースもあるということもドラマ内では語られました。異常死と言われる中には死因が特定されないままに火葬されることも多いそう。そこで優位にたってしまうのが虐待をしている家族なのだと。今回も一時は継父の虐待が疑われ、悲しいけれどこういうケースもきっと珍しくないのだと改めて感じる展開でした。

「忙しく、面と向かって話を聞いてあげることができなかった。私たちがあの子にしてあげられる最後のことなんじゃないか。」とAiを承諾した母親の言葉が印象的で、本当にその言葉通り、Aiは直樹の最後の言葉を語ってくれたように思います。

Aiにより肝臓破裂による出血性ショックの可能性が明らかになり、なおも父親の虐待が疑われる中、真実に迫ったのは唯織の観察眼でした。自分のせいで死んだかも知れないと話す弟に優しく寄り添いながらも、付き添いの山村の違和感を感じ取っていたなんて。唯織が探偵のように推理をしたあたりは少し違和感もありましたが、気がつけたのは唯織の豊富な知識のおかげなのかもしれません。

ずっと父親がおらずキャッチボールなんてしたこともなかった直樹。下手なのが恥ずかしいとこっそり練習していたこと、本当は父親とキャッチボールがしたいと思っていたこと、弟が話した内容もまた、直樹がいない今となっては嬉しくも悲しい真実でした。

父親からの暴力を受けていた山村は、父を避けていた直樹にシンパシーを感じていたのでしょう。それなのに、父親とするためのキャッチボールの練習していると知り、裏切られたと感じたことが原因だったなんて。まだ幼い青年だからこそ仲間意識を持つことが唯一の心の拠り所みたいになっていたのかな‥。殴ってしまったことが人を死なせてしまうなんて思わなかったかも知れないけれど、しっかりと罪を償って欲しいと思います。

あの場で、同席していた家族の気持ちを思うと怒りとやりきれなさだけが残り、心苦しい展開でした。山村がしたことは決して許されないですが、Aiをしたことで分かった直樹の気持ち。それだけが救いだったように思います。

また、お父さんと呼んでもらいたかったと泣く父に、唯織は直樹の携帯の着信履歴を見せました。そこにはお父さんと登録された父の番号が。このシーン、本当に感動的でした。直樹の中ではすでに父は父、お父さんだったのです。きっと思春期の男の子、恥ずかしさもありなかなか呼べなかったんだろうなと思いますが、キャッチボールを通して距離を縮めたいと思っていたことは間違いなく‥。2人が仲良くキャッチボールをする姿が見れたらどれだけ幸せなことだったのかと思えて仕方ありません。亡くなった人の最後の写真を撮ってあげる。それができるのは技師だけだからと威能の言葉も素敵だなと感じました。

また今回、杏が明らかに唯織のことを気にし始めていたように思います。医者同士の相談、技師は技師としての仕事を続けてなんて牽制もあり、辻村も唯織の存在を意識していましたよね(笑)

今回は、技師として画像診断で患者の命を救うというストーリーではなく、悲しみで包まれ、やりきれなさは残りましたが、Aiが遺族の気持ちを救うことがあると知ることが出来ました。知ってしまった故に悲しさは込み上げるけれど、何も知らないままお別れするよりも、真実を知ることで遺された遺族を少しだけ温かい気持ちにしてくれるのかも知れません。

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