ラジエーションハウス第6話 感想 ※ネタバレ注意
放射線科医としての杏の成長と、それをサポートするラジエーションハウスのメンバー。両者に絆が生まれたと感じる素敵な回だったと思います。
冒頭、杏のことを話すラジエーションハウスのメンバーたち。同じクラスにいたらまともに口すら聞かないタイプだと話すたまきに小野寺が歳が違いすぎるだろと突っ込むシーンはクスッとさせられました。そんな中、唯織が読影することは医師法に抵触する可能性があると院長に忠告する鏑木。確かに、技師として甘春総合病院で働く唯織が越権行為など許されるわけがありません。
今回、ラジエーションハウスに緊急搬送されたのは公園で腹部を強打した女の子。脾臓の出血が確認され、将来的にも傷口が目立たなくて済むよう画像診断装置で患者の体の中を透かして見ながら治療を行うIVR(画像下治療)による止血が検討されます。杏も母親にそのように説明するのですが、鏑木は、万が一のことを考えてIVRではなく開腹手術をするよう命じました。
この時悠木はIVRは人類の英知が詰まった最新の医療技術だと語り、杏のサポートを名乗り出るほど、IVRの素晴らしさを熟知していましたが、鏑木は技師が口を挟むなと一喝してしまいます。患者の命がまずは最優先。もちろんその通りだと思います。だけど、もしもそれが患者にとって少ない負担で済むならばそれが最も望ましいことだというのは嫌でも分かります。
杏から説明を受けていた母親は突然の方針転換にもちろん戸惑いを見せ、また、ラジエーションハウス内でも医療技術が進歩しても現場がリスクを恐れて使わないのなら意味がないと悠木が主張したり、命を優先すべきなのは分かるが、傷が残ってしまうのは悔しいと広瀬がこぼしたり‥。そんな会話を聞いてしまう杏を影から見守る唯織。
このシーンで、「担当した医師がどんな治療をするかで患者の人生が一変してしまう。それが現実。」と話すたまきの言葉が重くのしかかりました。
自分の技術があればと落ち込み、父には追いつけそうにないと話す杏に無理に手を広げる必要はないと辻村は励まします。また、院長になんて声をかけたらいいのか分からなかったと話す唯織に、技師として働くことがどういうことかわかったのではないかと話す院長。
しかし、技師にこだわる唯織は、技師だからできることがあるはずだと返しました。杏との約束に忠実に、技師であることに重きをおく唯織。「医師免許を持つ唯織が、目の前に本当に治療が必要は患者が現れたら何もしないでいられるのか。」そんな疑問を投げかける院長の言葉と同じく、唯織がいつか技師の枠を超えた行為をしてしまうのではないかと見守るこちら側としてはハラハラしてしまいます。
IVRの勉強をする唯織に、勉強するだけ無駄だと話すラジエーションハウスメンバー。ここでの唯織の言葉は印象的でした。「治療中に何か起きたとしても技師の僕にはその責任を取ることもできない。医者は全ての責任を背負い医療行為を行なっている。助けて当たり前の環境の中で抱える不安やプレッシャーを誰かに見せることも許されず戦っている。僕にできることはそうした不安を少しでも取り除いてあげることだと思う。」この言葉を受け広瀬も「直接患者を助けてあげられないかもしれない。けど、患者を救おうとする先生を手助けすることは出来る」と話し、ラジエーションハウスのみんなにも響いていましたね。
その後、IVRに関する勉強を始めるラジエーションハウスのメンバーたち。その様子を杏は見つめ、戦っているのは自分だけではないと感じたのではないでしょうか?そんな中、大腸ガンで入院中の患者が倒れるという事態が起きました。経験豊富な鏑木は講演に出かけており、助手の経験しかない杏のみでは難しいと言われる中で、技師がサポートに入ると唯織たちが後押ししました。そして、患者を見捨てるくらいなら医者を名乗る意味はないと杏も決断します。
鏑木が取材協力した小説がヒントとなり無事に止血の処置も終わり、杏がホッとして見せる笑顔は今まで見るどの顔よりも輝いていましたね。医師としての自信を確実に掴んだ、そんなシーンでした。唯織ともハイタッチを交わし、2人の距離もまた少し近づいたと思います。
美女と大好物の牡蠣の誘惑を立ち入り、呼び戻された鏑木でしたが、病院に着いた時には全て解決しており、肩透かし状態。自分がいなきゃ病院は回らないとまで思っていたのに(笑)しかし、そんな怒りも唯織の本のおかげだという言葉で薄れており、鏑木って意外と単純なのかもと感じてしまいました(笑)
また、今まであまりスポットライトが当たっていなかった悠木が得意分野で少し輝きを見せているようにも見えましたね。そして、ピレスという人物から唯織に届いたメールを目にしてしまった小野寺。唯織が医師免許があることを小野寺が知ってしまうのも時間の問題かもしれません。
信頼できる父の背中を追い続けてきた杏が、自分のおかれた場所で、信頼できる仲間を見つけた今回。医師と技師の関係についても改めて考えさせられるストーリーでした。
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期待した内容ではなく少しガッカリ