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【ただ愛する仲】感想とレビュー【ネタバレなし)細部まで丁寧に作られた良作

『ただ愛する仲』を視聴した感想とレビューです。なるべくネタバレなしで書いてるので、まだ見てない人も安心してご覧くださいねウインク

あぁ~素敵なドラマだった
というのが率直な感想。

ショッピングモール崩落事故の生存者が抱える傷に向き合いながら愛を深めていく話なので、重いし暗い内容だけど優しさがあふれるドラマです。

ストーリーが繊細で丁寧に描かれているので、人を想う気持ちがしっかりと伝わってきて温かい気持ちになったし、辛くても懸命に生きていく人間の強さが伝わってきました。

なにより2人の心情の変化を丁寧に描いてくれたので、共感しやすくて引き込まれました。

しお
私の評価:

派手さはないけど心に沁みる良作です

それではネタバレなしでレビューしていきますね♪

ただ愛する仲ってどんなストーリー?

13年前のショッピングモールの崩落事故の被害者で、心に大きな傷を負った2人が出会い、日々を一生懸命生きていく中で、お互いが心の拠り所になっていく、正統派のピュアラブストーリーです。

基本的にテーマは重くて暗いし、ストーリーの起伏もないし、ハッキリ言って地味です笑笑

でも、それ以上に1人1人、ひとつひとつの出来事を丁寧に描いてるので、心の琴線に触れるセリフも多いし、距離を縮めていく描写がとっても上手。2人の恋愛を応援したくなる。

盛り上げるためにアクシデントを起こしたりストーリーに起伏をつけるのが一般的な韓国ドラマだと思うけど、このドラマはそういう手法はとらないで、1つ1つの関係を丁寧に描くことで変化がわかるようになってます。

しお
韓ドラを見慣れた人にこそ見てほしい傑作です

生きていく中で辛いこともあるけど、周りの人の優しさに何度も助けられて…

ジーンと胸に沁みるセリフがあったり色んなことを考えさせられるドラマでした。

また、このドラマには悪役らしい悪役がいません。崩落事故をめぐって加害者と被害者が交錯するため、立場が違えば被害者にもなるし加害者にもなる。

勧善懲悪の世界ではなくて、立ち位置の違いで善にも悪にもなり得るという点に焦点を当ててるから悪役がいないんでしょう。

ジュノとウォン・ジナの演技が光る

ジュノが演じるイ・ガンドゥは無愛想だけど捨て猫を拾っちゃうような不器用系男子。ウォン・ジナが演じるハ・ムンスは小動物系でかわいらしいけど芯が強く頑固な女子。

そんな2人の真っ直ぐすぎる純愛が健気すぎてキュンとします。

ジュノ

ジュノは『むやみに切なく』に少しだけ出てたのを見ただけで、ちゃんとした演技は今回初めて見たけど、恐ろしく魅力的な演技をしますね。

しお
細かな表情の変化がよく伝わってきます

ガンドゥの立ち位置は(言葉は悪いけど)最下層の住民です。

母を亡くし、父も崩落事故で亡くしている。しかも父はショッピングモール建設の現場作業員で、仕事に瑕疵があったため補償金も貰えない。

妹を医者にするために街金から借りた借金を返すだけの日々。定職にもつけなくて日雇いの土木作業員を転々としていて、手がでるのも早いし、最初のイメージはアウトローという感じ。

ところが、見た目とは裏腹にガンドゥは擦れてないし心が優しい。誰にでもタメ口だし思ったことはストレートに言っちゃうだけで、いつも他人のことを思ってる「見た目は怖いけど根は優しい」を地でいく青年。

だけど、ただ今を生きてるだけ。

そんなガンドゥの孤独感、心揺さぶられる女性との出会い、生まれて初めて知る感情…  ジュノは表情や仕草、声、体全体で表現していました。

だからこそ、ガンドゥの苦しみ、喜びを、見ている私も同じように感じることができた。

しお
いつの間にかガンドゥに心をわしづかみにされました

ウォン・ジナ

一方のハ・ムンスを演じたウォン・ジナもまったく負けてない。むしろ彼女のほうが凄かった。

ムンスの心の傷も深いんですよ。子役として可愛がられてた妹を崩落事故で亡くしたんですが、自分もその現場にいた被害者なのに、妹と離れた場所にいたために自分だけ助かってしまった。

その事実だけでも辛いのに、妹を寵愛していた母の落胆ぶりは凄まじくて、アル中になるわ、父も嫌気がさして別居してしまうわ、憎まれ口を聞きながら母の世話をしなくてはいけないわ…

「助かったのが妹ならよかったのに」って自己嫌悪するだろうし、自己肯定感も低くなって当然。

笑顔を見せてもどこか影がある。辛くても平気なふりをして周りに気づかせない。

ガンドゥの言葉で感情をさらけ出せるようになってからは、一転して様々な表情をするようになるんですが、ウォン・ジナの変化を表現する演技力が、これもまた凄いんです。

表情や話し方からムンスの悲しみを見事に表現してるし、ガンドゥを愛しはじめたらどこまでも強く優しく愛情あふれる表現力に圧倒されました。

しお
鳥肌が立つほど表情の変化と表現が上手

ウォン・ジナさんはドラマの出演は初めてみたいですが、こんな役者さんが次々に現れる韓国ってどうなってるんでしょ。

映像が美しく、音楽は優しい

このドラマ、相当こだわって作られていると思います。

舞台となった釜山の風景が美しいのは言うまでもないんですが、陰影かな、光の使い方が普通のドラマと違う気がします。

事故現場、工事現場、寂れた下町、そういう埃っぽいシーンが多いからか、寒色を多めにしつつ光で柔らかさを表現していたり、とにかく美しいんですよね。

OSTも内容に合わせて物悲しい曲調が多いのに、どこか優しさがある、なかなか他のドラマでは味わえない不思議な感じがしました。

ジュノやウォン・ジナの繊細な演技と音楽がシンクロしているから、そう感じるのかな...

想い合う気持ちを痛いほど感じる

ガンドゥとムンスは当然なんですが、2人以外の登場人物も人を思いやる気持ちがビシビシ伝わってくる。

ガンドゥとハルモニのシーンが代表的でした。

血が繋がっているわけでない赤の他人の2人ですが、ガンドゥにとっては命の恩人、おばあさんにとっては生きがい。

だからこそ実の家族以上に強い絆で、お互いケンカ腰のような口調なのに、言葉の節々から思いやる気持ちがにじみ出てました。

サンマンとガンドゥの関係も素敵です。

サンマンはガンドゥの下宿先の子供。ガンドゥより年上だけど、少し知的障害があるのかな?という青年で、ガンドゥをヒョンと慕ってる。

ガンドゥとムンスのすれ違いには必ず顔を出してくるし、彼がストーリー全体において大きな癒しでした。

ネタバレになるので詳しく言わないけど、後半でサンマンが名乗り出るやりとりは、2人の相手を想う気持ちに目頭が熱くなりました。

あと、そのときの息子(サンマン)の決断を断腸の思いで支持したお母さんの想いにも、うるうる。

ただイ・ギウが演じたソ・ジュウォン。最後の最後までこの人が好きになれなかった。

最初こそ2番手として素敵な男性だったけど、どんどん下衆になっていく。最後にカン・ハンナ演じるユジンに言ったセリフは「コイツ...ムキー」と殴りたくなりました。

まとめ

普通に生きる人たちの、普通のドラマが1番感動します。

御曹司やファンタジーも感動するし大好きですけど、私の場合、見ていて自然と涙があふれるのは、こういう普通の人たちの心の変化を丁寧に描いた作品です。『マイ・ディア・ミスター』とかね。

テーマは重くて暗いし、地味ですけど、2人が出会うことでお互いの傷を癒し合いながら前に進んでいく過程がじっくりと描かれている素晴らしいドラマです。

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脚本 ユ・ボラ
主要人物
イ・ガンドゥ ジュノ
ハ・ムンス ウォン・ジナ
イ・ガンドゥ(少年期) ナム・ダルム
ハ・ムンス(少女期) パク・シウン
ソ・ジュウォン イ・ギウ
チョン・ユジン カン・ハンナ
イ・ガンドゥの周辺人物
イ・ジェヨン キム・ヘジュン
イ・チョル チェ・ドクムン
チョン・スッキ ナ・ムニ
マリ ユン・セア
アン・サンマン キム・ガンヒョン
サンマンの母 パク・ミョンシン
ハ・ムンスの周辺人物
ユン・オク ユン・ユソン
ハ・ドンチョル アン・ネサン
ハ・ヨンス ハン・ソジン
銭湯の従業員 キム・ナムジン
キム・ワンジン パク・ヒボン
シニョン キム・ミンギュ
ソ・ジュウォンの周辺人物
ジュウォンの母 ナム・ギエ
ソ・ジホ チョ・ソンムク
ソウォン建築事務所
ソミ パク・ギュヨン
ハム・ヒョンギ
チョンユ建設
チョン・ユテク テ・イノ
ミンギョン イム・ソンオン
ヨンチョル オ・ヨン
現場監督 キム・ジュンギ

-★★★★☆

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