【コントが始まる】最終話(第10話)の感想・ネタバレ/春斗の問いに答えをくれたのは里穂子だった
冒頭からずっと春斗が問い続けている問い、 「マクベスは俺にとって何だったんだろうか。もし続けてきたことが間違っていなかったのだとしたら、この10年にはどんな意味があったのだろうか」 解散ライブを終えた後も春斗の中で答えがでないままでしたが、その答えをくれたのは、やはり里穂子でした。 「まずは十年間お疲れ様でした。これからもずっとファンでいつづけることをここにお約束します。」 「私にとってマクベスの御三方たちは特別なんです。 頑張っている姿も、悩んでいる姿も、もがいている姿も見てしまってますし、私個人的には ...
【コントが始まる】第9話の感想・ネタバレ/夢に破れたことが失敗じゃない
マクベス解散後の未来に向かって、踏み出し始めた登場人物たちがいました。 瞬太が瞬太らしくいるために冒険に送り出すことを応戦するつむぎ 引きこもっていた時に、救いの糸をたらしてくれた友達を喜ばせるために働くことを決めた兄 勇馬と春斗の友情を取り戻そうとし、奈津美を幸せにするために自分が一人前になると決めた潤平 その中で、とても印象的だったのは、バーベキューをしながら瞬太が春斗に言ったセリフです。 「(屋上で自殺しようとした瞬太を春斗が助けてくれた)その日から、春斗は俺の命を救ったヒーローになっちゃったから。 ...
【コントが始まる】第8話の感想・ネタバレ/中浜姉妹・美濃輪家親子の家族が救われる、楠木の想いと伏線回収も見事
ファミリーレスキューというコントの題名どおり、中浜姉妹・美濃輪家親子の家族が救われました。 潤平が父親に頭を下げた姿はジーンとしました。 父としても、10年間夢を追い、それがダメになったからと言ってその代わりに結婚の道具のように家業を扱われることへの不信があり、継いでくれて嬉しい気持ちと、どこまで本気なのか訝しい気持ちが相まって喧嘩腰になります。 その喧嘩を買わずに、教えてくださいと頭を下げた潤平は立派でした。酒屋を継ぐこと、奈津美と結婚すること、マクベスをやめることと正面から向き合おうという覚悟が見えま ...
【コントが始まる】第7話の感想・ネタバレ/マクベスの解散後の未来
一人ひとりがマクベスの解散後の未来を思い描き始めた一話でした。 救ってもらった春斗を今度は応援したい里穂子。だから、前に進むと決め、転職エージェントに会うことにしました。最期の地方ライブ後の楽屋で、その心境を素直に春斗に打ち明けました。 正直、不安でいっぱいですし怖くて仕方ないんです。また、同じような苦しいことを味わうんじゃないかなとか思います・・・ でも、前に進むと決めたので。 その時の里穂子の目が真っ直ぐで、春斗は真顔になりました。何か感じるものがあったのではないかと思います。 「これからもかわらず応 ...
【コントが始まる】第6話の感想・ネタバレ/マクベスの解散を軸に、様々な人の気持ちが描かれる
マクベスの解散を軸に、いろんな人の正直な気持ちが描かれました。 今回初めて描かれたのは、奈津美の潤平に対する気持ちでした。マクベスの解散が、奈津美にとっての潤平への思いを問い直すきっかけとなります。 潤平が芸人をやめることになり、ホッとしている自分。それは、相手の苦しんでいる姿を見たくないという気持ちと、肩書きもお金もない芸人の彼を応援しているという殊勝な彼女としての見栄、その立場に寄っている自分への後ろめたさ。 メインキャラではない登場人物の心情に、ここまで深く入り込むのが金子さんの脚本の魅力だなと思わ ...
【コントが始まる】第5話の感想・ネタバレ/春斗と潤平の心が痛いくらい赤裸々に描かれ、ぶつかり合った回
第5話は、春斗と潤平の心が痛いくらい赤裸々に描かれ、ぶつかり合った回でした。 まず、冒頭でつむぎの物語がありました。 何をしていいのかわからず、努力しても結果がでないことを恐れ一歩も動けなくなったこと。誰かに頼られることで、生きている罪悪感を薄められると思っていること。 そのつむぎが、自分を頼りにしてくれる姉から離れ、自分の人生を生きるための一人暮らしをする決断をしました。後押ししたのは、里穂子が話したファミレスの店長の言葉と、瞬太の存在でした。 「つむぎちゃんは空っぽじゃない。本当に空っぽの人って、誰か ...
【コントが始まる】第4話の感想・ネタバレ/母親から愛されたかった瞬太と、傷ついた人を救うつむぎの話
第4話は、母親から愛されたかった瞬太と、傷ついた人を救うつむぎのお話でした。 今話を見終えて振り返ると、瞬太はお母さんが大好きだったんだなと思います。 真壁先生の生まれたばかりの赤ちゃんを見た時に泣いた瞬太は、「生まれた時にはあんなに愛されてたんだ」「悔しくなった」と言いました。 母親の嫌いな、ゲーム、金髪、ポップコーン。愛してくれなかった母親への当て付けが瞬太のアイデンティティでした。 瞬太の作った『捨て猫』のコントで、”たま”に言った言葉は全て瞬太自身に向けた言葉です。 「早く飼い主のところへ戻れ」 ...
【コントが始まる】第3話の感想・ネタバレ/脚本の良さ、演者の技量の素晴らしさ、良質な作品だとわかる回でした
マクベスのコントによって、2組の兄弟姉妹がつながりました。 春斗には、里穂子と同じような状況で引きこもった兄・俊春がいるということがわかりました。二人とも、真面目で頑張り屋だからこそ、人に頼れず背負い混みすぎて、周りが気づいたときにはどん底まで落ちている。 俊春はマルチ商法にはまり、ひきこもりまで行ってしまいましたが、里穂子にはマクベスがいました。 たこ焼きパーティをしながら、マクベスの3人の前で、里穂子は惨めな自分を曝け出しました。近すぎるつむぎや家族にはできないことで、マクベスの3人だったからできたの ...
【コントが始まる】第2話の感想・ネタバレ/潤平と瞬太の物語、大人になりきれてない3人の青年
第1話は、売れないことに責任を感じ解散を決めた春斗と、マクベスに救われた里穂子の出会いが描かれました。二人の出会いから、閉塞した生活に少しだけヒビが入って何かが始まるような回でした。そして、第2話は潤平と瞬太の物語が描かれます。一緒に過ごした10年間でしたが、彼らは別々の10年間を過ごしていました。 潤平のコントを始めるきっかけが、好きな女の子に振り向いて欲しいという高校生らしい幼稚さと憎めない浅はかさで、春斗が信じ込んでいる生真面目な自責の念とのギャップが大きくて笑いました。でも、春斗の脚本を心底信じて ...
【コントが始まる】第1話の感想・ネタバレ/コントにもドラマにも伏線とオチを付けていくという画期的なドラマ
自分のことを疫病神と呼ぶ、運のない女。仕事もお金もないけど夢はある3人の男。だけど、10年経ってそれだけでは立ち行かない20代後半。 自分たちなりに努力してきたが芽が出ないマクベスの3人や、仕事がうまくいかず辞めてアルバイト生活をする里穂子は、世の中にたくさんいる私たちの中の一人です。 自分の失った青春の輝きをマクベスに見る里穂子のファン活動は、今流行りの推し活で、無味乾燥した暮らしを支える精神的な杖です。それだけでは生きていけないけど、現実を歩いていくときにどうにか支えてくれる杖。 マクベスの住む隣の部 ...