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【天国と地獄~サイコな2人~】最終話(第10話)の感想・ネタバレ/見る人によって答えが変わる良いドラマでした

天国と地獄~サイコな2人~第10話 感想 ※ネタバレ注意

ついに最終話。どんな結末か楽しみな反面、これで終わってしまうのかという寂しさも漂います。

前回のラストシーンで河原に手錠をかけられた彩子でしたが、処分をなんとか逃れました。そこには八巻の口添えや、日高の証言もありました。八巻が五十嵐に何かを訴えようとしているシーンが前回ありましたが、このことだったんですね。八巻が裏切ったりしないとは思いながらも不安だったので安心しました。

東が死んでしまい、日高が殺しをしていないと証言できる人がいなくなったことを彩子が心配する中、日高は自分が主犯だと自供し、さらには単独犯だと供述していると聞きます。やはり、日高は自分1人が罪を被ろうとしているんだと思うと心苦しい展開。彩子が考えるように、日高は東を、そして彩子を守ろうとしているんだと「捕まるならあなたが良かった、2人して地獄へ行く必要はない」という言葉が頭をよぎります。

河原の取り調べに対して、3人の死を兄にプレゼントしたと笑みを浮かべながら話す日高の演技はまさにサイコパスでしたが、真相を知っているとこうも悲しく見えてしまうものなのですね。日高は証拠品を処分せず自宅に保管していましたが、これも罪を被るために側においておいたのだろうと彩子の予想があり、日高の覚悟を痛いほどに感じました。

彩子が日高を守るためには、東が殺人をした証拠が必要となり、東が残したかもしれない監視カメラのSDカードがキーポイントとなります。

そのSDカードを悩みながら持つ陸は「走り回っているのかな、今、彩子ちゃん。」と呟き、彩子に対する想いも感じ取れました。陸は初めて彩子を見た時、カッコいいと感じたと話していましたが、その時からずっと彩子を想い続けていたのかもしれないですね。日高が必死に彩子を守ろうとする姿や、彩子が日高のために駆け回る姿にヤキモチを焼きながらも、彩子を守るためにできることを考え秘密にしたのかなと思いましたが、東の弟を守りたいという最後の願いを果たすためにSDカードを提出した陸はやはり心優しい陸なんだと思います。

また、最終話にして河原がいい意味で裏切ってくれましたね。無実の日高を送検することの正義感を問う彩子に「お前の正義感こそどうなっているのか。」と返す2人のやりとりは印象的でした。思い返してみると、河原は手柄というよりも自分の信じる正義のために動いていただと気付かされます。

河原が彩子の家で手に入れた証拠品の数々についても日高は自分が仕込んだと言い、彩子を徹底的に庇います。しかし、河原は「この殺人はお兄ちゃんの声じゃないのか。やってることは人殺しだ、それでも、声は声だ。お前にその声を奪う正義はあるのか。たかが、女1人のために。」と投げかけます。ひどい扱いを受け続け、世の中からいないもの、クウシュウゴウだと自分を思いながら過ごしてきた東が、世の中のゴミを清掃するという殺人を犯すことで自分の存在を知らしめる声をあげていたんだと思います。その犯罪を日高が庇うことで、そんな声すらもあげられない状況にしてしまう。それでもいいのかと問う河原のこの言葉はすごく胸に響きました。

日高はそれに対して「ありますね。あの人を守ることは自分を守ることだ。」と返しました。日高の言葉には覚悟があり、それは凛としてカッコよかったですが、裸足で入ってきた彩子の「おまたせ」の言葉はそれを上回るカッコ良さがありました。

SDカードには、東が3人を殺したのは自分だと自白した映像が残されていました。遺された弟、日高を守るためのメッセージでもあります。

「濡れ衣を着ていくのを見過ごしていいと思う?私は私の正義を無くす。警察官は続けられない。同じなのよ。どっちだってやめることになる。したでしょう、この話。あなたは私だったくせに。私に私の正義を守らせて。私を守りたいと思うなら、本当のことを言うべきでしょ。」彩子の訴えは本当に切なく、胸に響きました。日高が彩子を守りたいと思う気持ち同様に、彩子も日高を守りたいんだなと強く感じました。

日高は東のためを思い共犯となり、彩子のためを思って真実を言えずにいました。ずっと誰かを守るために動き続けた日高でしたが、彩子が裸足になってまで駆けつけてきて、日高の身の潔白を晴らそうとしてくれたこと嬉しかったと思います。2人して涙を流し、話し合うシーンは本当に感動的でした。日高が償うべき罪だけを償うことになり少しホッとしました。

また、心配していた再起動したスマホ。不鮮明な「あなたは私で、私はあなたです」という動画を見ながら、鑑識の新田が「好きですってことじゃなーい?」というシーンも良かったですね。これで彩子の関与の証拠も無事消滅しました。

そして、彩子の好きなナッツが安いスーパーを教え、それだけは忘れないでと抱きしめながら話し、去って行った陸。陸はいつも彩子のために危ない橋も渡り続け、最後には日高と彩子の関係を思い、身を引いた形となりました。陸なりの彩子への愛情表現、叶わない陸の気持ちを思うと切なくなりました。

事件も解決、日高は実刑となり刑務所へ。彩子は警察学校の先生になり、穏やかな日々を過ごします。あの時のふたりはクウシュウゴウのようなものだったと回想する彩子。そして、数年ぶりに2人は再会。久しぶりの2人はどこかぎこちなく、警察官と犯罪者しての距離感を感じずにはいられません。あの時の凶器の石を見せながら、入れ替わりはちゃんとあるべき姿に戻してほしいという母の願いだったのかもしれないと日高は話しました。

「入れ替わったのがあなたで良かった。」日高のこの言葉は本当にその通りで、2人はこうなる運命だったのだと思います。

最後には、またも彩子と日高2人の入れ替わりを予感させる終わり方でした。声だけで入れ替わりを感じさせるなんて本当に2人の演技には脱帽です。1度目の入れ替わりが、兄弟をあるべき姿に戻してほしいという母の願いならば、今回の入れ替わりは、離れ離れになろうとする彩子と日高を一緒に居させたいという母の願いに感じました。

物語はここで終わってしまいましたが、まだまだ彩子と日高のストーリーを見ていたいですし、陸や八巻、河原がどんな思いを抱えていたのかサイドストーリーのようなものも見てみたいと思ってしまいます。のめり込み、次週がこんなにも待ち遠しいドラマは久しぶり。出演されている俳優陣の演技にはただただ驚かされましたし、森下さんの脚本をこれからも見てみたいと思いました。

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