NETFLIXオリジナルドラマ『サイコだけど大丈夫』を視聴した感想とレビューです。なるべくネタバレなしで書いてるので、まだ見てない人も安心してご覧くださいね
ちょっと変わった子とのラブストーリーかな?なんて思ってたけどとんでもない!恋愛を超越した家族愛、ヒューマンドラマです。後半は涙腺が崩壊します
人間の内面的な弱さに触れていてダークな部分が多いけれど、人の温もりやつながりの大切さを身に沁みながら成長していく様子がとっても上手に描かれている素晴らしい作品でした。
最初は全然ハマれなかったけど、見続けるほどハマってくる。最後まで見ないと損と言い切れる作品です。

人生で1度は見るべきドラマ
星5じゃない理由は、序盤が辛すぎたから。それも含めての感動的ストーリーなんだけど、もう1回見るのはちょっと…
ドラマ内のセリフを借りれば「逃げるな、乗り越えろ」ですね。「キツいな~」と思っても序盤を乗り越えてください。
それではネタバレなしでレビューしていきますね♪
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『サイコだけど大丈夫』ってどんなドラマ?
タイトルからは想像できないほど家族愛を描いた作品です。
サイコ的な話は最初だけで、傷ついたもの同士がお互いの傷を癒やし、受け入れて、足りない分を補い合って、本当の家族のように支え合っていく、3人の成長を描いた心温まるストーリー。
とはいえ、単なるハートフルなホームドラマではなくて、主役の3人が抱えるトラウマは闇が深い。
まだ小さい頃に母を殺された兄弟。自閉症の兄、兄を守るだけの存在として育てられて心を閉ざした弟、毒親に育てられ他者との関わりを断ち孤独に生きる女性。
3人とも体は大人なのに心は子供のまま。大人になっても親の呪縛から逃れられない。
難しくて重いテーマだからこそ、童話のような世界観なんでしょうね。普通の設定にしてたら見続けられないです。キャストの神がかった演技力、素晴らしい脚本、世界観を再現したセット、本当に感動的でした。
そもそもタイトルの「サイコ」は「サイコパス」の意味ではないそうですよ。
ドラマ内で「蝶」をヒントとして語源に触れてますが、パク・シヌ監督が言うには、このドラマのテーマは「違うことを認め、受け入れること」。
「サイコだけど大丈夫」はみんなどこかが欠けている現代社会で「人と違っても大丈夫」というメッセージなんだそうです。
サスペンス部分が少し弱いけど、そこは物語の本質ではないし、些細なことなのでどうでもいいです。
それよりも、まるで絵本を読んでいるかのように、毎回の絵本のタイトルに沿った内容の脚本に感心しまくりでした。
作中に出てくる絵本もひとつひとつ胸に刺さる内容でした。でも怖い
3人の成長と絆が素敵すぎる
登場人物を整理しておきますね。
ムン・ガンテ(キム・スヒョン) | 精神病棟の保護士 |
コ・ムニョン(ソ・イェジ) | 絵本作家 |
ムン・サンテ(オ・ジョンセ) | ガンテの兄、自閉症 |
チョ・ジェス(カン・ギドゥン) | ガンテの友人 |
ナム・ジュリ(パク・ギュヨン) | 看護師 |
カン・スンドク(キム・ミギョン) | ジュリの母 |
オ・ジワン(キム・チャンワン) | OK病院院長 |
イ・サンイン(キム・ジュホン) | 出版社の代表 |
ユ・スンジェ(パク・ジンジュ) | アートディレクター |
主役の3人はみんなどこか欠落していて、最初は不安定な関係ですが、最後は3人の唯一無二の絆に感動しました。
ムン・サンテ
サンテは純粋でまっすぐ過ぎて、最初の方はガンテを不幸にする存在に心が痛くなって無理だったのに、どんどん好きになっていく。
キム・スヒョンとソ・イェジの美男美女を差し置いて、このドラマの主役はムン・サンテです。それくらい際立ってました。
成長が心に沁みるし、弟を思う兄の愛に何度泣かされたことか…
オ・ジョンセの演技が凄すぎる。自閉症の役は、古くは『レインマン』のダスティン・ホフマン、最近(…でもないか)『グッド・ドクター』で山崎賢人さんが演じていて演技力高いなと感心したけど、オ・ジョンセは圧倒的。天才か。
ムン・ガンテ
兄の面倒を見るだけの存在、人生を諦め心を閉ざし能面のような表情、という最初のガンテがかわいそう過ぎて、スヒョンの繊細な表情の変化に惹き込まれます。
嘘くさい笑顔だったガンテが感情を出せるようになっていくところとか、心の扉を少しずつ開いていく様子が良く伝わってきました。
キム・スヒョンは本当に綺麗に泣きますね。ひらすらカッコよかった。12話のスーツ姿は目眩がするほど興奮しました。
ガンテはムニョンには「衝動的になるな、感情を抑えられないときは3つ数えろ」と伝えてきたけど、ガンテにとって3つ数えるのは衝動を抑えるためじゃなく、我慢しない自分になると決めるため、というのが素敵でした。11話はそんなガンテの心境がよくわかります。
安全栓を抜いたガンテが最終話で過去のムニョンと同じ言動をするのが笑いでもあり、良かった。
コ・ムニョン
ムニョンはウエスト細すぎてえぐい。内蔵ある?笑笑
美人だしメイクも衣装も綺麗で、見ていて飽きない。低い声も魅力的でした。
ただ感情移入はできないかな、あらゆる意味でぶっ飛んでて、今まで見たドラマの中で最も強烈だったかも
だから最初はコ・ムニョンのキャラが好きになれずにハマらなかったけど、少しずつ人間味が出てきて愛おしく感じてくる。
サンテとのケンカのシーンが良かった。ムン兄弟の殻を破るにはムニョンのキャラがなくてはならない存在でした。
サンテ・ガンテ・ムニョンの3人は1話と最終話では同じ人物とは思えないくらい強くなって、表情も柔らかくなって、家族になった。
「家族写真を撮れば家族」
最高です
ジェス大好き
ジェスとジュリは『ロマンスは別冊付録』でも共演してますね。あっちの2人も良かったけど、こっちも負けてない。
ジェスは自分の主張を心の奥にしまうガンテの理解者であり、良き友人になろうと、1年に1回引っ越しするムン兄弟と10年以上も一緒に行動を共にしてきました。
ガンテの唯一の友達だけど、薄っぺらい友達が何人いるよりジェス1人いるだけで最高に幸せだと思う。
ジェスは心を読まずに、ただ一緒にいてくれる。ガンテの気持ちに寄り添ってくれる。ガンテは孤独を感じてるかも知らないけど、ムン兄弟の人生にジェスがいなかったらもっと悲惨だったはず。
だからムニョンに嫉妬しつつ感謝の気持ちもある複雑な心境がとても良く伝わってくる。雑に扱われがちだったけど、ジェス大好き。
ジュリは最初『ロマンスは別冊付録』のオ・ジユルってわからなかった。
周りの人たちみんな良い人
ジュリのお母さんも好きだな。あんなにいい人の元でなら下宿してみたい。代表と同じタイミングで「大好きです」って思った。
ムン・ガンテとOK病院の院長は『星から来たあなた』のト・ミンジュンとチャン弁護士のコンビ。2回くらいオマージュネタがあってフフッてなりました。
セリフの1つ1つに教訓が散りばめられてたけど、個人的に院長室に飾ってあった言葉が好き。
辛いか? 私も辛い
死にたいか? 私も死にたい
大丈夫じゃないけど 大丈夫!
他にもOK病院の患者も、実際でもこういう患者はいるんだろうけど、彼ら・彼女らの心の声に泣かずにいられなかった。
どのキャラクターも魅力的で、丁寧に描かれていて、登場人物全員愛おしくなります。
ムニョンの母親、なぜ生きてる?
あまりネタバレしたくないので詳しくは書きませんが、最大の謎だったので書き留めておきます。
お父さん、湖に沈めたよね?なぜ生きてる?
母親が誰かよりもそっちのほうが謎でした。
【追記】
見直したら、ムニョンの回想シーンでカバンから自力で脱出してるっぽいですね。すごい生命力
畳み方に賛否両論?いや、これでいい
口コミやTwitterを見ていると最終回は賛否両論あるみたいですね。概ね「良かった」ほうが多いですけど。
私もこのまとめ方でいいと思います。
他の人たちはどうなったの?本は売れた?代表のラブラインはどうなったの?などなど、気になる部分はありますけど、メインはあくまでも3人ですから。
サンテの最後のセリフ、ネタバレになるから言いませんが、あれだけで満足です。涙が滝のようですよ。「オッパ...オッパ...」言いながらむせび泣きましたもん笑笑
人間の弱い部分を激しく突いてくる内容だから、最後のNG集で「これはドラマですよ」というメッセージに聞こえました。
NG集でサンテを演じるオ・ジョンセを見て、そうだった演技だったんだってびっくりする。
内容とは関係ないけど、絵本のアニメーションの演出いいですね。
OST、最高
韓国ドラマはどれもOSTが素晴らしいんですが、このドラマのOSTは良すぎました。
音楽が映像の美しさに拍車をかけてます。シーンで流れる曲、どれもが泣かせにきてる。特に「in silence」は流れるたびにグッときました。
最後に『サイコだけど大丈夫』の番組情報やVODの配信状況をこちらのページにまとめたので参考にしてくださいね。
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