二月の勝者第10話 感想 ※ネタバレ注意
新年を迎えた桜花ゼミナール。世間がお正月ムードで浮ついている中、生徒が1ミリたりとも気を緩めぬよう注視するようにと黒木は講師陣に指導します。受験生にお正月などないのは重々承知していますが、小学生が受験一色で頑張れるのは本当に我慢の賜物。果たして、生徒たちは二月の勝者になれるのかという緊張の冒頭部分でした。
本番の受験に備える意味もある最初の受験、小学大学附属中学の入試がスタート。王羅を激励するために橘が来ていたのは感動的でした。「かましてこい!」と言いながら、うるっとくる橘に、私までうるっとさせられました。2人の関係性が私はなんだかんだ大好きだったのだと思います。
一方で急遽、海王中を受けることした順。応援で合否が決まるのはナンセンスだと言いながらも、黒木が応援に来てくれていたことが順の心をほぐしていたように思います。
中高一貫校、全寮制の海王中で特別給付生枠がある偏差値70のハードルにチャレンジした順。「いよいよ本当の力試しができると思ってゾクゾクして震えている。」と話す順の目は、力強く、すでに勝者の貫禄すらありました。黒木も順の合格を確信していましたよね。そして、海王中の合格発表日。1分前だったという小ボケを挟みながら、合格を確認した黒木たち。間違いなく順は、桜花ゼミナール合格第一号に相応しい人物。順の頑張りが報われた、それが単純に嬉しかったですね。
受験本番の前日である1月31日。激励する橘に、「明日早いんでさっさと帰っていいですか」は、本当に花恋らしかったです(笑)中学受験は楽しい未来への通過点という桂の言葉も印象的でした。
また、「もう何年も受験生を送り出しているが、毎年この日は心が打ちひしがれ、震えが止まらなくなる」と佐倉に話した黒木には驚かされました。自分が子どもたちにやってきたこと、言ってきたことが本当に正しいかったのだろうかと自問自答する黒木。それほどまでに全身全霊で子供たちに向き合ってきたんですよね。そんな黒木に、「不安になるのは頑張って来た証拠」だと、黒木の言葉をそのまま投げかける佐倉もまた良かったです。
勝負の1日が終わり‥。早いものは当日夕方から合格発表が行われていきました。恋花が合格。樹里も、まるみも双葉女子に合格。あの匠も海堂中へ。第一志望へと合格した生徒たちには、頑張りが報われて本当にホッとしました。
そして、開成中の合否発表。順と海斗は受かるのかという緊張が走ります。海斗の番号が無かったことはショックでしたが、順が合格したことは本当におめでたかったですね。部屋を飛び出し、よっしゃー!と雄叫びを上げる黒木の一言が、潤の快挙を物語っていました。私としては、海斗の夢が叶わなかったのは正直悲しいですが、「チャレンジできて良かった、満足だ」と話す姿を見て、開成にチャレンジするという大きな夢を叶えたんだよねと安心しました。
また合格を祝う中、順が黒木を呼び出したシーンも印象的でしたね。黒木のお陰で開成を諦めず、受験できたとお礼を伝えた上で、開成の合格は俺が決めた俺の目標だと順は話します。父親のためではなく、自分のための合格だと話す順は「いい受験だった。超満足してる!」と続けました。そして、都立に進むことをきっと早くから決めていたであろう順が、開成や海王の合格実績は講師陣へのプレゼントだと話し、小学生ながらに思うことがあったんだろうと思うと胸が熱くなりました。「君は最高の男です!」と黒木が言いたくなるのもうなづけてしまいます。そして握手を交わす2人の信頼関係に微笑ましく思えました。
また、灰谷と黒木のシーン。黒木が多忙の中、無料塾であるスターフィッシュを辞めないのは、学ぶことに対して純粋な好奇心を持ち、学ぶことが楽しいことだと確認させてくれる子供たちの存在のおかげだと話されました。
学ぶという喜びは、大人になればなるほど遠のいて行くものなのかもしれませんが、子供たちは、学ぶ楽しさを無邪気に、ダイレクトに教えてくれますよね。黒木は「合格が最終目的ではない。学ぶことの喜び、己に勝つことの尊さを知った者が未来を切り開いていける、それが本当の勝者だと思う。」と語りました。中学受験は一つの手段であり、必要なことはその先にあることを黒木が教えてくれたように思います。
そして、次の年度が始まる桜花ゼミナール。そこには佐倉の姿がありませんでした。佐倉は桜花で子どもたちや黒木と出会い、もう一度自分の夢と向き合うために中学教師へ戻る決意を固めていました。桜花で学んだ一年があったからこその、新たな一歩ですよね。爽やかな門出を祝福したいです。
また、入塾説明会で黒木は去年同様に、「私はこの場でお約束します。皆さんのお子さんたちを第一志望校に全員合格させます。私と一緒に二月の勝者になりましょう。」と。この強気な発言も、黒木なら絶対に成し遂げてくれるだろうという安心感がありました。
ドラマを通してではありますが、子供たちの成長を側で感じ、時には涙させられながら、合格を見届けることが出来ました。きっと中学受験を経験されたご家庭だと、なおさら響くものがあるのでしょう。子どもは思っている以上に大人で、思っている以上に子供だということも改めて感じましたし、一人一人にしっかりと向き合う黒木の姿勢が本当に素晴らしく、こんな講師に出会えていたら人生変わっていたかも知れないなと思わせてくれるパワーがありました。
そして、何より柳楽優弥さんの黒木への再現率が高すぎましたよね。原作コミックの黒木の風貌と瓜二つ。役作りへの緻密さを感じました。生徒役の子役の皆さんも本当に素晴らしく、今後の役者人生が楽しみだなと感じています。
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