二月の勝者第9話 感想 ※ネタバレ注意
ついに開成を受けたいと打ち明けた海斗と、自分に向き合い、自信とやる気を取り戻した理衣沙。差し迫る受験にむけて、休むことなく走り続ける子供たちに合格という成果が訪れることを願ってやみません。
受験本番まであと三ヶ月となった桜花ゼミナール。黒木は講師陣に“直前期必勝マニュアル”を配り、現実的な志望校を決定し提出するようにと話します。さらに、検討会を開くとも話し、生徒一人ひとりの対策を考えておくように黒木は念を押しました。いよいよ、本番が迫って来たという緊迫感がありました。
今回、海斗が開成を受験したいと母に初めて打ち明けました。「人には向き不向きがある。向いてないことで苦労させたくない。」と母は海斗に考え直すように促しますが、「向いてる向いてないをどうして決めつけるの?いつになったら自分のやりたいことを自分で決められるの?自分のための受験がしたい。」と海斗は涙ながらに訴えました。このシーン、陸斗や母との絡みの部分をもう少し見たかったなという思いも微かにありますが、海斗の真っ直ぐな言葉が胸に響きました。
海斗の母親もきっと挫折させたくなかったのだろうと思いますが(ましてや双子もあれば、嫌でも比べられる存在ですし‥。)母が思っているよりも子供は強いんだろうなと思います。そして、何より子供の可能性はまだまだ未知数で、伸び代が大いにあるということも海斗自身が証明してくれたように思います。
御三家などの難関校は2月1日の一発勝負。都立や国立の中高一貫校は2月3日のみ。合格を確実にするにはどのタイミングでどの学校を受けるのか、日程を組む重要さについても語られました。中学受験の厳しさを改めて見せつけられたように思います。そんな中、黒木の指示は的確でしたね。受験のノウハウはもちろん、生徒のこともしっかりの見つめており、こんな講師がいる塾があるなら我が子を通わせたいと思ってしまいます。
また、志望校と実力にかなりの乖離がある今川理衣沙の面談も気になるものでした。理衣沙の母親は知名度だけで選んだ難関校ばかりを志望校に挙げ、安全校の設定を薦める佐倉を悩ませていました。第一志望校の過去問で高得点を出せたと嬉しそうな話した母でしたが、まさか理衣沙がカンニングをしていたとは‥。黒木は、伝えるのはご法度だと言い、「不正を知らせず、受験生本人を受験に向き合わすこと」を佐倉に言い渡します。
かつて中学受験受験生だった講師の木村は、この時期のカンニングにはそれなりの動機があると話します。小学6年生といえどまだ、12歳。幼さゆえの未熟な考えではあるけれど、母を喜ばせたかったのではと語られましたが、そのことが理衣沙の自信をますます奪っているようにも見えました。
理衣沙に安全校の過去問演習をやらせた佐倉。理衣沙は採点し、自分が得点を取れたことを嘘ではないかと驚きながらも手応えを感じていました。「今までつけてきた力を出せば当然のことだよ、頑張っているんだから。」佐倉の声かけが、理衣沙を変えたように思います。勉強するのも試験を受けるのも親じゃない。合格のためにまず必要なのは本人の意思だと語られたように、理衣沙がようやく自分の意思で勉強に向き合えたようにも思いました。
理衣沙が安全校の受験も見据えたその日。黒木は佐倉のやり方は間違っていなかったと話しかけました。そして、「一つでも偏差値の高い学校に送り込むことが子供たちの幸せだと信じ、私の使命だと思っていた。」と語り出しました。確かに親の希望はきっと偏差値という目に見える数値や、名門校というネームバリューに左右されるのかも知れませんよね。実際、今回触れられた理衣沙の母にもそんなところがあったと思います。
難関校に合格は出来たものの、授業についていけず、不登校に、そしてバラバラになってしまった家族がいたことを語った黒木は、「合格後のその生徒の人生を想像できていなかった。良かれと思ったことがその子の人生を潰してしまった。」と悔やみました。それでも、この仕事の本質とは、学びとは何なのかを知りたいと思う黒木は、芯が強いと改めて思いましたし、だからこそあそこまで生徒一人ひとりに寄り添えていたんだとわかりました。灰谷に対して語られた、「私が変わったというか、未熟さに気づいたことが私を変えたのだと思う。」と話した言葉はそういうことだったんですね。
「良いお年を!」なんて言葉を黒木が佐倉にかけるとは思いませんでした。生徒が成長を遂げると同じように、佐倉も塾講師として、メキメキと成長したように思います。いよいよ最終話。生徒たちは二月の勝者となれるのか。応援しながら見守りたいと思います。
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